生理との向き合い方を、各界で活躍する女性にインタビューする連載企画。今回は人気サロンで働く、美容師の柳亜矢子さんに話を伺いました。
好きな仕事を続けるために日々の体調管理を徹底しています
BAILA読者からも絶大な人気を誇る美容室「broocH」の立ち上げに参画し、トップスタイリストとして活躍。現在は、2021年にオープンした系列店「Sraw」でディレクターを務めている柳亜矢子さん。昔からPMSや生理痛は軽かったそうだが、「忙しさのあまり体がマヒしていたのかも」と当時を振り返る。
「数年前までは、サロンワークのほかにヘア&メイクとしても活動していて。サロンの営業時間前後にも仕事を詰め込み、毎日、早朝から夜中まで働いていました。体力と気力に任せて無茶な生活を送るなかで、34歳のときに初めて生理不順と不正出血を経験。学生時代から生理に悩んだことがなかったから、ギョッとして……婦人科を受診すると卵巣嚢腫が発覚しました。」
早急に手術を要するほど進行しており、体調管理の大切さを実感。ほぼ一日立ちっぱなしという職業柄、体内の循環を改善するために、漢方やハーブティーを取り入れ、毎晩欠かさず湯船につかるようになったそう。
「手術を機に、体にいいことは積極的に取り入れるようになりましたが、仕事量を減らすまでには至らず。激務生活に戻って数年がたち、40代になると、急激な体力の衰えを感じるようになったんです。このペースで働き続ければ、仕事にも体にも支障が出る。そんな焦りから、私がいちばんやりたいことはなんだろう?と自問した結果、“現場で髪を切り続けたい!”と決意が固まりました」
以降はヘア&メイクなどの仕事をセーブし、サロンワークに集中。2019年に都心から鎌倉へ移住すると、自然と規則正しい生活が身についたという。
「サロンワークにしぼると勤務時間が定まり、生活のリズムを整えやすくなったんです。さらに、移住後は夜の外出が減って、たっぷり眠るように。筋力をつけるためにピラティスを始めたところ体力が増し、休日をしっかり取ることで気分の浮き沈みも減るなど、心身ともに快適な日々を送っています」
そんな自身の経験から、「仕事が好きで、長く続けたい人こそ、生理の日に限らず日々のケアが大事」だと柳さんは語る。
「毎年、冬になると風邪をひいたり、体のだるさを感じたりしていたんですけど、今ではそういったこともなくなりました。気候のせいにしていましたが、今思えば、疲れがたまって免疫力が下がっていたんだな、と。健康になると、体調の小さな変化にも敏感になるんですよ。PMSや生理の不調はもちろん、ちょっとした体調のゆらぎにもすぐ対応できるから、おのずと仕事のパフォーマンスも上がる。働くことが好きな人ほど、自分の体と向き合う時間を持ってほしいです」
柳さんのある日のスケジュール
7:30 起床
10:00 出社、開店準備
11:00 開店
19:00 閉店
19:30 片づけ後、退社
20:30 帰宅
21:00 夕食、入浴
23:00 就寝
生理の日のマイルール
1. 衣食で体を温める
2. 普段よりもゆっくり湯船につかる
3. マッサージでむくみをほぐす
「生理中は特に体内の循環をよくすることが大事だと聞き、水を白湯に替えたり、靴下を厚手のものにしたりと、日頃から行っている温活をより強化しています。立ち仕事なので、むくみは大敵。寝る前に下半身をマッサージすると、眠りも深まって一石二鳥です!」
生理の日のお気に入りアイテム
混ぜてもかけても!使い勝手のいい絶品はちみつ
「水谷養蜂園の『Tamitu』。純粋はちみつにハーブやスパイスを調合しており、ハーブティーに混ぜると、より奥深い味わいを楽しめます。数種類のフレーバーがあり、中でもシナモンやトウガラシをブレンドした『St.John’s Wort』が今のお気に入りです」
ヘアサロン ディレクター
柳亜矢子さん
「broocH」のオープニングに参画し、トップスタイリストとして活躍。現在は、2021年にオープンした系列店の「Sraw」のディレクターを務める。
撮影/nae. 取材・原文/中西彩乃 ※BAILA2023年5月号掲載