各界で活躍する女性に、生理とのつきあい方をインタビューする連載企画。今回はサイバーエージェントグループ (株)Lunatomo 代表 永友絢子さんに、生理のこと、自分との向き合い方を聞きました。
ピルに救われた経験をもとに起業しました!
ピルと出会ったきっかけはホルモンバランスの乱れ
今年10月より正式提供が始まった、低用量ピルのオンライン診療プラットフォーム「ルナトモ」。企画から立ち上げを行った代表の永友さんは、もともと親会社であるサイバーエージェントの社員。ピルによってQOLが大きく向上した経験を広めるべく、自らプロジェクトを立ち上げた。
「3年ほど前から感じていたホルモンバランスの乱れが、去年の夏、急激に悪化。不安で眠れない日が続く、仕事中ひどい眠気に襲われる、動悸がするなど、PMSの症状に悩まされるようになり、産婦人科を受診しました。医師から提案されたことがピル服用のきっかけです。以降、仕事のパフォーマンスが格段によくなり、その結果、休日も充実するなど、いいことずくめ。しかし友人に話すと、多くの人がピルの効能を知らず、選択肢のひとつとして認知されていない。そんな実態に強い課題意識を感じました」
女性社員の働きやすい環境作りやキャリア構築を応援する社内横断組織「CAramel(カラメル)」のメンバーとして活動していた知識を生かして、すぐさま藤田晋社長に新規事業を提案。わずか半年弱で、ルナトモをローンチさせた。
「多忙な女性がリアルに求めるサービスを提供するためにも、自分の実体験を大切にしました。こだわりは大きく分けて二つあって、一つ目は、気軽に診察を受けられること。予約から受診まですべてオンラインで、何度受けても無料です。二つ目は、シンプルかつニュートラルな梱包デザイン。箱はポスト投函できるサイズだから、配達を待つストレスもありません」
主なユーザーは20〜30代の働く女性。ルナトモのおかげで気軽に婦人科医師に相談できたというフィードバックが、永友さんのモチベーションにつながっているそう。
「先日お話しした女性は忙しい仕事の合間でも手軽に受診でき、カジュアルなデザインも使いやすく好感が持てたと喜んでいらっしゃいました。私たちの調査では日本の女性のピル服用率は3割弱ですが、女性産婦人科医に限って調べてみると、7割以上! 婦人科系の病気の予防を目的に服用しているという声もありました。今後は、そういった一般的には知られていない情報も正確に伝え、情報格差をなくすことで、選択肢を広げたいです。女性がよりポジティブに暮らせるようなサービスへと成長させることが目標です!」
ルナトモとは
提携クリニックの産婦人科の医師によるオンライン診療のもと、それぞれの症状やライフスタイルに合った低用量ピルを提案し、自宅に配送。価格は1カ月¥3365〜。
永友さんある日のスケジュール
07:30 起床、朝食を食べながらメールの返信
10:00 始業
12:00 ランチ
13:00 婦人科の先生と打ち合わせ
19:30 退社
20:00 テニスのレッスン&ジム
22:00 帰宅、夕食
24:00 就寝
生理の日のマイルール
1. 無理をしない
2. 動きやすい服装で外出
3. 早く寝る
体に負担がかかる生理中は意識的に自分をねぎらっています!
「ただでさえ体への負担が大きい生理中は、できる限り、重要なミーティングを回避するようにしています。いつもより早めに仕事を切り上げて、たっぷり睡眠時間を確保。出社や外出をするときには、安心をとって、ワンピースやスカートの代わりにデニムパンツをはくことが多いです」
生理の日のお気に入りアイテム
マイヤーレモンを使った自家製はちみつレモンのお湯割りでリラックス
「マイヤーレモンという品種が絶品。毎年たんまり取り寄せて、はちみつに漬けて保存しています。生理中はお湯で割って飲むのが定番。体の内側からしっかり温まるんですよ」
サイバーエージェントグループ (株)Lunatomo 代表
永友絢子さん
生理による不調に悩み、昨年夏からピルを服用。体調が劇的に改善された経験から、自ら社長にかけ合いピルのオンライン診療を行う新規事業を提案。今年1月に(株)Lunatomoを設立。
撮影/nae. 構成・原文/中西彩乃 イラスト/Kaho Iwaya〈opnner〉 ※BAILA2022年12月号掲載