バイラ読者から集まったエピソードをもとに、クセ強めな彼ママとうまくつきあっていく方法を探る。今回は、“息子大好きママ”の性格や言動の原因となっている心理を、公認心理師の大野萌子さんに分析してもらいました。
私より恋人っぽい!?【息子大好きママ】
息子=自分を認められる唯一の存在。勝手に仲よくして!と放置すべし
「子離れできない人の多くは、子どもにとって絶対的な存在だった過去にすがりがち。子どもを自分の所有物のように扱う傾向も共通しています。敵視されたり不快に感じたりしたら、彼一人で実家に行けばいいだけ。母親も息子を独占できて嬉しいはず(笑)」(大野さん)
こんなとき、どうすればいい?
彼ママが食事中、息子にばかり話しかけて自分の存在を無視される
▶▶パートナーに理由を説明して、よほどの用事がない限り会わない
息子を可愛がるだけならまだしも、パートナーに対して敵意をむき出しにする母親も。「母親は息子さえ会えればハッピーなはず。パートナーが同席する必要はないのでは? 個人的には、子離れできない母親を受け入れ続ける息子にも、違和感を抱きます。共依存している母子も多いので……自分よりも母親を大切にしていると感じて苦しいならば、彼と話し合ってみてください」(大野さん)
今の時代、“近しくて険悪”よりは“希薄で円満”がいい
大前提として、パートナーの親との関係に違和感を感じるのは自然なこと。自分にとっては他人に等しいのに、家族のように大切にしなければいけないわけですから。さらに、子どもが自立しても自分の所有物のように感じている母親は多く、息子のパートナーに対して敵対心を抱く人も少なくありません。
しかしコロナ禍を経て、状況は大きく変化したように感じます。実家を訪れられない大義名分ができたため、いい意味で、適度な距離をとれるようになった人が多いよう。関係が近しいと相手の嫌なところも目についてしまいますが、希薄だと気づかない。よって、問題も起きにくくなるんです。
そもそも、パートナーの親と仲よくしなければいけない、なんてルールはないはず。そう感じてしまうのは、自分自身の固定観念が原因ではないでしょうか? 彼の家族によく思われたい!と感じるから、うまくいかなかったときのショックも大きい。現在は家族やパートナーシップのあり方も多様化していますし、同僚や上司との関係同様、合わないのだから仕方ない!と気楽にとらえてみると、自然と、彼ママを見る目も関係も改善されるかもしれませんよ。
公認心理師
大野萌子さん
日本メンタルアップ支援機構代表理事。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑®』(サンマーク出版)がある。
イラスト/五月女ケイ子 構成・原文/中西彩乃 ※BAILA2023年12月号掲載