かつてエンタメ作品でも頻繁に描かれていた「嫁姑問題」。家族や夫婦のあり方が多様化した近年では軽減された印象を抱いていたけれど、実は、まだまだ健在なよう。バイラ読者から寄せられたトラブルエピソードをもとに、くせ強めな彼ママを徹底分析。公認心理師のアドバスを参考に、無理なくつきあっていく方法を考えてみた!
1.緊急読者アンケート&みんなのクセ強彼ママエピソード
Q.夫や彼の母親との関係に悩んだことはありますか?
Q.夫や彼が母親と仲がいいことについて、好ましいと感じますか?
Q.夫や彼の母親と、うまくつきあっていきたいと思いますか?
Q.夫や彼の母親と会う頻度はどのくらいですか?
1位 半年に数回
2位 月に数回
3位 1年に数回
次点 会ったことがない
1年以上会ってない
バイラ読者のアンケート結果では、夫や彼の母親との関係に悩んだことがある人は半数強、夫や恋人の母親とうまくつきあっていきたいと思う人は83%にも及んだ。また、コロナ禍を経てもなお、会う頻度は一年に数回以上が大多数。パートナーの家族との、切っても切り離せない関係性が明らかに!
【2023年8月18日〜8月24日、BAILAメルマガ会員にアンケート】
みんなのクセ強彼ママエピソード
子どもを車に乗せるときに、チャイルドシートを使わなくてもいいと言われる。
もちろん全力で反抗していますが、意味がわからない!
(34歳・製造業事務)
夫の両親は孫に年に一度のお年玉すらもくれません。
そして娘の初節句には私の両親がひな人形をプレゼントしてくれましたが、
ある日夫の母からひな人形は夫婦で買ったの?と質問があったので
両親にプレゼントされましたと答えるとともに、
ひな人形と一緒に撮った写真を送ったところ
返事がありませんでした。
(37歳・メーカー)
夫の母親は、やり手の保険セールスレディ。
婚約報告をしたら、顔合わせの日に保険加入契約書を持参。
私の直筆サインが必要な部分以外がすでに埋められており、
用意周到さに驚いた。
(34歳・ウエディングPR)
彼ママはハンドメイドが趣味。
着ていたワンピースやアクセサリーを「上手ですね」と褒めたら、
「今度作ってあげる!」と言い出した。
褒めるしかない&断れない立場を理解してくれずに、
母親の行動を止めてくれない彼にもモヤッとした!
(32歳・金融経理)
新婚旅行で海外に行った際、
同じ期間に夫の家族も渡航。
さらに、なにかと予定をともにしようと連絡してきた。
(35歳・公務員)
突然、合鍵を使って勝手に家に入ってくる義母に驚かされてばかり。
訪ねてくるのはたいてい休日の昼間で、すっぴん&部屋着でゴロゴロしているとき。
2週間に一度と、なかなかの頻度です。
(36歳・製造業企画)
彼の母親は食べることが好き。
私は少食かつ、果物などのアレルギーがあるのですが、そのことに対して
「信じられない」などと言われ、一緒に食事をするのがおっくうに。
(35歳・医療事務)
義両親が孫に会いに来たときのこと。
子育ての息抜きに一人で出かけてはどうかと夫が提案してくれたので、
私は2〜3時間、外出することに。それを義母に伝えると、
遠回しに出かけることをとがめるような返事が…。
(34歳・インテリアコーディネーター)
元夫の義母に
「お義母さんとかヤダから“ミィたん”って呼んで!」
と言われて驚愕…。
ちなみに義母の本名は旧姓含めて「み」は入っておらず、
ムーミンのミィが好きだからという理由でした。
(36歳・教育関連事務)
渡した手土産の値段を調べられて、彼氏伝えに小言を言われた…。
(35歳・秘書)
2.クセ強めな彼ママと、どうつきあっていくべき?
読者から集まったエピソードをもとに、クセ強めな彼ママを4タイプに分類。うまくつきあっていくための方法を探るべく、それぞれのタイプの性格や言動の原因となっている心理を、公認心理師の大野さんに分析してもらいました。
今の時代、“近しくて険悪”よりは“希薄で円満”がいい
公認心理師
大野萌子さん
日本メンタルアップ支援機構代表理事。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑®』(サンマーク出版)がある。
大前提として、パートナーの親との関係に違和感を感じるのは自然なこと。自分にとっては他人に等しいのに、家族のように大切にしなければいけないわけですから。さらに、子どもが自立しても自分の所有物のように感じている母親は多く、息子のパートナーに対して敵対心を抱く人も少なくありません。
しかしコロナ禍を経て、状況は大きく変化したように感じます。実家を訪れられない大義名分ができたため、いい意味で、適度な距離をとれるようになった人が多いよう。関係が近しいと相手の嫌なところも目についてしまいますが、希薄だと気づかない。よって、問題も起きにくくなるんです。
そもそも、パートナーの親と仲よくしなければいけない、なんてルールはないはず。そう感じてしまうのは、自分自身の固定観念が原因ではないでしょうか? 彼の家族によく思われたい!と感じるから、うまくいかなかったときのショックも大きい。現在は家族やパートナーシップのあり方も多様化していますし、同僚や上司との関係同様、合わないのだから仕方ない!と気楽にとらえてみると、自然と、彼ママを見る目も関係も改善されるかもしれませんよ。
フレンドリーすぎる【距離感近すぎママ】
干渉してくるのは寂しさゆえ。依存される前にしっかり線引きを!
「もともと息子に対して過干渉だったであろうこのタイプは、根っからの寂しがり屋。人との境界線が曖昧になりがちで、依存心が強いことも特徴です。一度でも受け入れてしまうとエスカレートするため、心を鬼にして、一定の距離を保ちましょう!」(大野さん)
【こんなとき、どうすればいい?】
彼ママから頻繁にLINEがきて、食事や買い物に誘われる…
▶▶未読スルーからの「忙しくて返せませんでした!」
断るのに罪悪感を感じ、受け入れている人も多いよう。「言い訳はすればするほど泥沼にハマるので、LINEならば未読スルーが正解です。仕事や子育てを理由にすれば文句は言われないはずですし、いずれ相手もあきらめるでしょう。一方で電話は、緊急事態の可能性を考えるとスルーしにくい。事前に『緊急の場合は彼に連絡を』と宣言しておくと、安心して無視できますよ(笑)」(大野さん)
自分のルールが正しい!【押しつけママ】
「人のため」は結局「自分のため」! 遠慮ではなく、キッパリ断りましょう
「他人に尽くして支配しようとする行動は、自信のなさからくるもの。自分がやってきたこと、信じてきたことを正当化することが真の目的なんです。よって、『善意を断るのは申し訳ない』と思わなくてOK。あなたのことなどまったく考えていませんから(笑)」(大野さん)
【こんなとき、どうすればいい?】
彼ママが頼んでもいないのに、不要なものを大量に送ってくる
▶▶「使い切れなかったので、近所の人におすそ分けしました」
「お気づかいなく」と伝えても一向に止まらない!という悲鳴が続出。「このタイプは思い込みが激しく、遠慮程度の抵抗は刺さりません。とはいえ送り返すと角が立つと思うので、理由とともにキッパリ断るのが賢明。たとえば『腐るともったいないので、申し訳ないんですけど、もう送らないでください』とか。言いにくい気持ちもわかりますが、捨て続けるほうが心苦しくないですか?」(大野さん)
発言すべてがとげとげしい【嫌み製造ママ】
根は人づきあいが下手な不器用さん。反応しないのがベストな対処法です
「ストレスを与える嫌みは立派ないじめ。いじめは受け継がれるため、お母さんにも、いじめられた経験があるのかも。自分よりも立場が弱い存在を攻撃することで、過去を清算しようとしているのでしょうが、もちろん受け入れる義務はありません!」(大野さん)
【こんなとき、どうすればいい?】
彼ママが何かと自分の時代と比べて「今の女性はいいわね」と言ってくる
▶▶笑顔であっけらかんと「そうなんですよ。助かってます〜」
いじめる側の心理として、相手が悲しんだり傷ついたりする姿を見ると、ますます楽しくなってしまうそう。「逆に無反応だと、いじめがいがなくなる。理不尽ですが、いらだちを押し殺して、笑顔でスルーし続けてください。また、絶対に謝らないこともポイント! つらい場合は、無理に会わなくてよし。電話もLINEも無視し続ければ、そのうち飽きて一切関心を寄せなくなりますよ」(大野さん)
私より恋人っぽい!?【息子大好きママ】
息子=自分を認められる唯一の存在。勝手に仲よくして!と放置すべし
「子離れできない人の多くは、子どもにとって絶対的な存在だった過去にすがりがち。子どもを自分の所有物のように扱う傾向も共通しています。敵視されたり不快に感じたりしたら、彼一人で実家に行けばいいだけ。母親も息子を独占できて嬉しいはず(笑)」(大野さん)
【こんなとき、どうすればいい?】
彼ママが食事中、息子にばかり話しかけて自分の存在を無視される
▶▶パートナーに理由を説明して、よほどの用事がない限り会わない
息子を可愛がるだけならまだしも、パートナーに対して敵意をむき出しにする母親も。「母親は息子さえ会えればハッピーなはず。パートナーが同席する必要はないのでは? 個人的には、子離れできない母親を受け入れ続ける息子にも、違和感を抱きます。共依存している母子も多いので……自分よりも母親を大切にしていると感じて苦しいならば、彼と話し合ってみてください」(大野さん)
イラスト/五月女ケイ子 構成・原文/中西彩乃 ※BAILA2023年12月号掲載