当サイトでは当社の提携先等がお客様のニーズ等について調査・分析したり、お客様にお勧めの広告を表示する目的で Cookieを利用する場合があります。詳しくはこちら

Magazineマガジン
  1. BAILA TOP
  2. HEALTH
  3. メンタルヘルス・人間関係
  4. 【脳科学者と精神科医が解説】“断りづらさ…
【脳科学者と精神科医が解説】“断りづらさ”の正体&断り上手になるためのステップ

【脳科学者と精神科医が解説】“断りづらさ”の正体&断り上手になるためのステップ

頼まれるとつい「いいよ」と言ってしまう。断ったら断ったで、申し訳なさで気が重い……。でも、“断ること”は自分を大切にするための大事なスキル。断りづらさの正体とその対策を知り、無理なく「断り上手」な自分を育てるためのステップをプロに教えてもらいます。

CONTENTS

  1. 92%が気まずい経験あり!
  2. \脳とココロの専門家に聞く!/断りづらさの正体&対策って?
  3. \さっそく実践!/断り上手な自分を育てるためのステップ

92%が気まずい経験あり!

断る場面で気まずいと感じたことがありますか? かなりあるとたまにあるを足すと92%

BAILA世代の9割が、断ることに対して心理的ハードルを感じていることが浮き彫りに。人間関係の悪化や仕事への影響を恐れる気持ちが、断ることへの抵抗や罪悪感を生んでいるよう。
2026年7月16日〜7月23日にアンケートを実施。53名が回答。

美容院でおすすめされたトリートメント。「やめときます…」と言い出せず、そのままお願いしてしまいました。(32歳・メーカー)

そこまで親しくない同僚から「あいてる日を教えて」とランチのお誘いが…。角の立たない断り方がわからず困っています。(27歳・事務)

旅先の絶景ツアーで撮ってもらった写真。買うつもりはなかったのに「せっかくの旅行の思い出ですから」とすすめられ、断りきれずに購入してしまいました。(30歳・受付)

お店で洋服を見ていたところ、店員さんに声をかけられ、すすめられるまま試着することに。断るタイミングを逃してしまい、すごく欲しいわけではないものを購入してしまいました。(34歳・教育関係)

職場での飲み会の誘いを3回続けて断ってしまい、「もう誘われないかも…」と不安に。どう伝えればよかった?(35歳・食品)

友人から誘われると、「断ったら悪いかな」「次は誘ってもらえないかも」と考えてしまい、本当は休みたい日でも予定を入れてしまいます。(32歳・看護師)

営業職なので、気の進まない集まりでも、できるだけ参加しています。やむを得ず断ったときは、罪悪感を感じてしまいます。(31歳・営業)

職場にお菓子を販売しに来るお店があります。販売員さんも「その日に持ってきた分は売り切りたい」という様子なのでデスクに来ておすすめされると、断れなくてつい購入してしまいます。(32歳・公務員)

\脳とココロの専門家に聞く!/断りづらさの正体&対策って?

私たちが「NO」と言いづらい背景には、脳の反応と心の仕組みが関係していた! 脳科学者と精神科医が、断りづらさの正体と克服する方法を解説します。

お話をうかがったのは
篠原菊紀先生

脳科学者

篠原菊紀先生


しのはら きくのり●公立諏訪東京理科大学特任教授、人システム研究所所長。最新刊『脳を乗っ取る感情(アイツ)からあなたを守る方法』(日経BP)が発売中。

藤野智哉先生

精神科医

藤野智哉先生


ふじの ともや●1991年生まれ。精神科病院副院長。最新刊『「あなたの居場所」はここにある 精神科医が本気で書いた心をいやす物語』(徳間書店)など著書多数。

Q そもそもどうしてこんなに断りづらいと感じるの?

断りづらさの要因は太古からの性質にあり

「断ることが苦手なのは、意志の弱さではなく、遺伝的に決まる性質や人間の脳の仕組みが関係しています。そもそも人類は進化の過程で周囲と協力することで生き延びてきました。たとえば原始時代は物々交換といった助け合いが生存につながったため、相手の頼みを受け入れようとする性質は人間に備わった当然の傾向といえます。また、断ることへの苦手意識には、『関係が悪くなるかも』『嫌われてしまうかも』といった不安や罪悪感が含まれていますが、こうした思考は、未来を先回りして予測しようとする脳の仕組みが大きく関係しています。このように、遺伝的に決まる性質や人間の脳の仕組みが、そもそも断ることを苦手にしているといえるんです。

同様に、心理学で広く用いられている性格理論『ビッグファイブ』では、協調性が高い人は相手を優先しやすく、不安を感じやすい人は『嫌われるかもしれない』と考える傾向にあり、断ることへのハードルも高くなるといわれています。このような性格や行動傾向の約半分は遺伝的要因ですが、残り約半分は後天的要因、つまり経験や学習によって変えられることがわかっているんです。そう考えると、だれでも今から断り上手になれる可能性があるといえるでしょう」(篠原先生)

「NO」を言わないことはかえって自分の負担に

「断ることが苦手な人は、自分が我慢することでその場を収めようとする傾向があります。というのも、断るという行為は、相手との関係性やその後の影響を考えながら判断する必要があり、精神的なエネルギーを使うものだからです。しかし、それは一時的にトラブルを避けているだけで、心の中には少しずつ負担が蓄積していきます。

では、なぜそこまでして断れなくなってしまうのでしょうか。その背景には、いくつかの心理的な傾向があります。たとえば、“いつも助けてもらっているから返さなければ申し訳ない”と感じる返報性の原理や、“仲間に入りたい”という所属欲求、“頼まれたらこたえるべき”“いい人でいるべき”と考える“べき思考”などです。こうした思いが強いほど、断ることへの抵抗感は大きくなります。さらに大きな要因となるのが、相手の期待や感情まで自分の責任のように感じてしまうことです。“傷つけてしまうかもしれない”“嫌われるかもしれない”と考えるあまり、自分の気持ちよりも相手の反応を優先してしまう。つまり、断りづらさの正体は、相手を大切にしたいという思いが強いあまり、自分と相手の境界線(バウンダリー)が曖昧になってしまうことにあるのです」(藤野先生)

Q 断り上手になるには、どんなことを意識したらいい?

判断軸を明確にして段階を踏んで断る

「断り上手になるためには、断る際の判断軸となる“自分が大事にしたいこと”を明確にし、優先順位をつけることが大切です。家族との時間や趣味、仕事など、本当に守りたいものが見えると、断るべき場面で迷いにくくなります。また、自分のキャパシティを把握しておくことも不可欠です。“部屋が散らかる”“ミスが増える”“郵便物がたまる”など、疲れがたまると現れるサインを知っておきましょう。危険度をサインごとにパーセンテージで分けておくと、より自分の状態に気づきやすくなります。心身が限界を迎える前に客観的な指標で気づけるようになれば、無理なお願いを断る判断もしやすくなるでしょう。

実際に頼まれたときは、その場ですぐに返事をせず、“少し考えてからお返事します”と一度持ち帰ることも有効です。断る際は、“私は今、余裕がありません”“私は家族との時間を優先したいです”と、“私”を主語にして自分の事情として伝えることで、相手との関係も保ちやすくなります。

断ることが苦手な人は、ゼロか百かで考えず、“今日は難しいですが来週ならできます”“一部なら対応できます”と、小さく断ることから始めてみるのもよいです。もし、断ったあとに罪悪感を抱いても、相手がどう感じるかは相手の領域です。自分の責任として背負う必要はないことを覚えておいてください」(藤野先生)

脳内の考えを外へ。冷静になって判断を

断り上手になるためには、まず頭の中だけで考え込まず、気持ちや出来事を紙やスマホに書き出して“外在化”することが有効です。前頭前野が担う脳のメモ帳である“ワーキングメモリー”には容量に限りがあるため、不安や悩みを頭の外に出すことで脳の負担が減り、状況を整理しながら冷静に断る判断をしやすくなります。

実際に断る際は説明しすぎないことが大切です。理由を長く伝えるほど、相手に“まだ交渉できる”と受け取られることがあります。“お声がけありがとうございます。ただ今回は難しいです”と、相手への敬意と自分の意思を簡潔に伝えれば充分です。

断ったあとに罪悪感が出てきても、それは悪いことをした証拠ではありません。罪悪感は、人とのつながりを大切にするために備わった脳のアラームであり、それが鳴ったからといって、間違った選択をしたわけではありません。断る経験を少しずつ重ね、“断っても関係は壊れなかった”という成功体験を積むことで、脳は新しい学習をしていきます。そうした積み重ねによって、断ることへの苦手意識は少しずつ和らいでいくでしょう」(篠原先生)

\さっそく実践!/断り上手な自分を育てるためのステップ

いざ「断り上手」になるにはどうしたらいい? 藤野先生に教わったステップを編集Kが実践してみました!

編集K

編集K


頼まれると断れない性格。仕事でもプライベートでも予定を詰め込みがちで、気づけばキャパオーバーになることもしばしば。

【日頃のケア編】1ジャーナリングで優先順位を知る

ジャーナリング

「ノートに”失いたくないもの”を書き出して順位づけ。①『最低でも週1回は友人と出かける』②『7時間睡眠(0時就寝、7時起床が理想)』③『4カ月に1回は地元へ帰省』のように、できるだけ具体的に書いたほうが断る基準が見えやすく!」(編集K、以下同)

【日頃のケア編】2自分のキャパシティ・限界サインを知る

限界

「頼み事を断れずキャパオーバーしていた頃を振り返ると、『毎日テイクアウトで自炊ゼロ』『部屋が片づけられない』『入浴はシャワーのみ』といった共通のパターンがあることが発覚。最近は、こういった限界サインが出たら『断るタイミング』と考えるようになりました」

【いざ断る編】START

一度時間をもらう

一度時間をもらう
「ある仕事で、年上のメンバーから急な資料作成のお願いが。これまでは『断ったら今後の関係が不安』『寝ずに頑張ればいいだけ』と思い、頼まれたらすぐに引き受けていました。でも今回は、『一度スケジュールを確認させてください』と返答。すぐに答えを出さなくていいと思えただけで、心がすっと軽くなりました」

自分の中の優先順位を確認する

自分の中の優先順位を確認する
「一度立ち止まって予定を見直すと、その資料作成を引き受けることで、優先順位1位の『友人との時間』を守れないことが判明。今回は断ることを選びました。明確な判断基準があるだけで、迷う時間が半減!」

断る

断る
「先輩に『すみません。今ある仕事がまだ片づいておらず、締め切りを一週間延ばしていただけるなら可能です』と、状況と条件を添えてお断り。これまでは申し訳なさから必要以上に言葉を重ねていましたが、お詫びと状況、条件を伝えるだけで充分だと気づきました」

相手の反応を受け止める

相手の反応を受け止める
「断った際、先輩は『OK! 今回は大丈夫』と言ってくれたものの、『嫌われたかな』『申し訳ない』と急に不安に。でも、相手の気持ちは相手にしかわからないもの。勝手に想像するのではなく、『OKと言ってくれた』という事実だけに目を向けるようにしたら、罪悪感に振り回されずにすみました」

【いざ断る編】GOAL

成功体験を少しずつ積む

成功体験を少しずつ積む
「一度断れたものの、苦手意識はまだ残ったまま。そこで、日常の小さな場面で断る練習をスタート。ショップ店員さんに『今回は大丈夫です』と伝えたり、友人からの誘いに『今日は疲れているから、また今度誘って』と返したり。こうした断る機会を4〜5回ほど経験すると『断っても人間関係は変わらない』と実感。断ることへの抵抗感が減ってきたかも!?」

BAILA編集部

BAILA編集部


30代の働く女性のためのメディア「BAILA」。ファッションを中心にメイク、ライフスタイルなど素敵な情報をWEBサイトで日々発信。プリント版は毎月28日頃発売。

イラスト/JOY HIKARI 取材・原文/海渡理恵 ※BAILA2026年10月号掲載

Feature特集

0114

INSTAGRAMインスタグラム

0130

Feature特集

0114

Ranking ランキング

  • ALL
  • FASHION
  • BEAUTY
  • LIFESTYLE
  • EDITOR'S PICK

Magazineマガジン