30代・40代の不妊治療のお悩みや疑問に医師が回答! 今回は不妊治療中のイライラを夫にぶつけてしまうつらさについての解決策を聞きました。
Q:不妊治療中、夫へのイライラが止まりません。このままじゃ夫婦仲が……。
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30代&40代女性の「リアルな妊活・不妊治療悩み&疑問」!
・「不妊治療を始めてから、夫へのイライラがものすごいことに。初の採卵のために毎朝自己注射をしているときも、夫は家事を手伝ってくれることもなく、自分の身支度だけして会社へ。なんで私だけがこんなに苦労しなきゃいけないの!? と頭に来て、涙が止まらず……朝からケンカが増えてしまいました」
・「私が2歳年上で先に40代になったので、私から不妊治療がしたいと夫に言いました。私が探し出してきたクリニックに通い、予約も何もかも私が主導。費用も私が出しています。自分のほうが年上なので妊娠しづらいのは自分のせい?という思いがあり、全部私が背負ってきました。着床せずに生理がきてしまい、私が泣いていたときも、夫はノーダメージ。仕方ないとはわかっていても、許せない気持ちでいっぱいです」
医師が回答!
神戸大学文学部心理学科、兵庫医科大学卒業
兵庫医科大学、西宮市立中央市民病院、パルモア病院を経て医療法人オーク会へ。
エジンバラ大学で未成熟卵の培養法などを学んだ技術と自らの不妊体験を生かし、診療にあたる。また、早くから不妊と肥満の関係性に着目し、2ヶ月で14kgの減量に成功した患者様の排卵障害が改善したことから、ダイエット・プログラムを発案。国内外の学会発表多数あり。
【ANSWER】男性も医師と直接話して、治療を“自分ごと”に
「不妊治療でイライラして、夫に当たってしまう……私自身も不妊治療で経験したことですので、よくわかります。当たれる相手といえば、治療を一緒に経験している夫しかいないですからね。そうは言っても、夫に当たり続ける状態が続いては、夫婦仲も心配です。
不妊治療は『夫婦・カップルで乗り越える』ものですが、男性側は『今どんな治療を行っているか理解できていない』という場合が多いのも現実。男性側にも不妊治療への知識がしっかりあれば、イライラしている女性を理解し、受け止めやすくなるように思います。
男性側にオススメしたいのは、積極的にドクターの話を聞くこと。女性を通して聞くより、ドクターと直接話したほうが男性が不妊治療を自分ごとと捉えられると思います。
コロナ禍では通院も女性だけになりがちでしたが、不妊治療の保険診療が始まった今は、男性もドクターと直接話すことを求められるようになりました。ドクターとの面談で、受ける治療の詳細や流れ、ホルモンバランスの崩れなどの理屈を男性も理解しやすくなったといえそうです」
不妊治療への正しい理解で、女性のイライラも受け止めやすく。
取材・文/櫻木えみ