30代・40代の妊娠のお悩みや疑問に医師が回答! 今回は妊娠中の自慰行為(オナニー)について。妊娠継続や赤ちゃんに悪い影響があったら困るけど、本当のところは?
Q:妊娠中の自慰行為って大丈夫ですか?
30代&40代女性の「リアルな妊娠悩み&疑問」!
・「ベビ待ち中の35歳。夫とは子作りのため排卵日あたりにセックスをするだけ。義務的な行為という感じで気持ちよさは感じないので、こっそり自慰をするのが習慣になっています。ほんの短時間だけですが、ストレス解消に役立ち、安眠できている気がするのですが、妊娠しても続けて問題ないでしょうか? 流産や早産につながるならやめなきゃいけない?と今から不安になってます」
・「もともとPMSの症状が酷く、生理前のイライラを解消する手段としてオナニーをしていました。妊娠超初期〜初期はPMSをはるかに超えるイライラが来てしまい、オナニーで発散していました。安定期と呼ばれる時期に入ってからはイライラがおさまり、したい気持ちも消え失せたのですが……。胎児の体を作る大切な時期に自慰をして、産まれてくる子どもの健康に悪影響がないか今すごく心配です。後悔して泣いてしまうこともあるくらい……」
医師が回答!
通常の婦人科診療のみならず、最新の脳科学×心理学×医学を総合的に駆使した診療を行うコーチング医。認知行動療法をベースに、トランスフォーメーショナルコーチのテクニックを日常診療に取り入れ、健康管理だけではなく、育児の悩みや親子関係・夫婦関係の改善など、幅広い分野で同テクニックを活用する。
※“妊娠超初期”という表現について……排卵日から月経予定日の期間を、“妊娠超初期”や、“妊娠2〜3週”と呼ぶ人もいますが、これは医学用語ではありません。この時期はまだ妊娠が成立していないため、妊娠とは呼べない段階です。記事でも読者からの悩みなどに登場しますが、便宜上“妊娠超初期”、“妊娠2〜3週”を「排卵日から月経予定日」と捉えた上で解説しています。
【ANSWER】妊娠中の自慰行為では、オーガズムや雑菌の感染に気をつけて!
「妊娠成立前の自慰行為は、まったく問題ありません。相談者の2人目の方が“妊娠超初期”と表現している“排卵日から月経予定日前まで”の期間でしたら、自慰行為を行っても妊娠成立には影響がないと言われています。
妊娠成立後に行う場合は、強い刺激は避けるようにしましょう。具体的には、道具の使用や、乳首に刺激を与える行為など、オーガズムを感じる行為が厳禁。オーガズムは子宮の収縮を促し、流産、早産などを引き起こす可能性があります。
また、膣内に何かを入れることも控えましょう。雑菌が入り、膣炎を起こすことで流産や早産につながるおそれがあります。
膣内の雑菌、バイ菌というと、いわゆる性感染症を連想する方が多いのですが、妊婦さんの場合はもっと弱い菌でも深刻なトラブルにつながることも多いため、注意が必要です。以前は妊婦健診で膣の中に医師が指を入れる内診も普通に行われていましたが、最近では、妊婦さんのバイ菌への感染リスクを下げるために「内診はできるだけしない」という見解の医師が増えています。これは要するに、妊娠中は膣の中にできるだけ何も入れないように、ということ。妊娠中の感染リスクをあげないためにも、不要な刺激は避けることが重要です」
妊娠前、習慣的に自慰行為を行ってきたという人も、一度やり方を見直して!
取材・文/櫻木えみ