松村沙友理による連載「さゆりかれんと 松村沙友理の大人学」。大人の学び直しをテーマに、相棒となる腕時計、自分を再発見するセルフメイクなど、さまざまなジャンルについて再び学んでいます。松村沙友理さんの大人への一歩を記録してきた、これまでの連載を一挙まとめてご紹介。
- 松村沙友理、30歳からの可愛いコンサバ学
- 松村沙友理「“30歳までに”の呪いがとけて、今の私を好きと思えるまでのこと」
- 松村沙友理の生活が一変した、愛犬との暮らし
- 松村沙友理、お酒ならワイン派。自然派ワインの化学反応は
- 松村沙友理の『私がなりたいヒロイン像』
- 松村沙友理の“今の私にちょうどいい”甘めコーデ
- 松村沙友理が「はじめてのピラティス」に挑戦!
- 松村沙友理の「感情表現とわたし」
- 松村沙友理の「自分を再発見するセルフメイク」大公開
- 松村沙友理の「素敵な場所に連れていってくれるいい靴」とは?
- 松村沙友理が語る「家のこと」。帰って寝るだけの場所から充実空間へ。
- 松村沙友理が語る「カルティエの時計」とともに刻むこれからの大人時間
- 松村沙友理さんがBAILAレギュラーモデルに加入! 29歳を迎えた心境とは?
松村沙友理、30歳からの可愛いコンサバ学
第11回は、年齢にしばられず「可愛い」を愛する大人のための新・コンサバ案内。
“不ぞろいなパールは最近の私の映し鏡みたい。「30歳だから」って整いすぎることなく、遊び心も忘れずにいたい、そう思っている今の私。”
重ねたネックレスは大小のパールが花びらのように並んだものと、大粒のバロックパールが連なったもの。コンサバで上品なイメージをあえてくずすようなデザインが光る。「バラバラな感じで整いすぎていないパールが、今の私にしっくりきました」と沙友理さん。大人っぽさはあるけれどそれだけじゃない、遊び心を備えたバランスこそが、可愛いコンサバ。
「30歳になって何かが似合わなくなる」そういう気づきや焦りよりも「何かが新しく似合うようになってきた」そんな発見を楽しみたい。
松村沙友理「“30歳までに”の呪いがとけて、今の私を好きと思えるまでのこと」
松村さんが30歳を迎えた今、思うことを語ってくれた。
30歳という節目を前にすると女性の心は大きく揺れるらしい。今まで何度か耳にしたことのある噂が「本当である」と実感したのは、まさに29歳を迎えたばかりの頃でした。乃木坂46を卒業して、ずっと止まっていた“自分の時間”が急に動き始めた、あの頃はそこに対する焦りや戸惑いもあったのかな。気づかぬうちに私は「30歳までに」の呪いにかかっていたんです。
仕事でも「20代のうちに少しでも多くキャリアを積んでおかないと、30歳からが大変だよ」という言葉をかけられたり。いろんな人がいろんな言葉を届けてくれた、私の29歳。それはありがたいことですが、その言葉に耳を傾けすぎるとパンクしてしまう……。誰かに何かを言われるたびに気持ちがあっちへこっちへ行ったり来たり。私の“呪い”が解けたのはそんな日々に疲れ果てた、30歳の誕生日の1カ月前。タイムリミットが目前に迫ったときに「頑張ったけど自分を変えることはできない‼」「もう無理だ‼」「もういいや‼」「私はこのままでいい‼」と開き直ったからなんです(笑)。
アイドル時代の私は「トマトが好きです」と一度言ったら「永遠にトマトが好きな自分でなくてはいけない」と思っていた。でも、今は「あの頃は好きだったけど、もう好きじゃない」と言える自分を大切にしたいと思う。理想の自分になりたいから、周りの期待にこたえたいから、同じ失敗を繰り返したくないから、人は皆「こうじゃなきゃいけない」という呪いを自分自身にかけてしまうことがある。でも、それは自分を幸せにするどころか苦しめてしまうこともある。それに気づけた今の私は自由に歩ける気がしている。30代の松村沙友理はより“私は私らしく”人生を楽しめる気がしています。
松村沙友理の生活が一変した、愛犬との暮らし
第10回のテーマは「犬との暮らし」。
仕事の日は家を出るギリギリまで寝て、休日は全然外に出ない…そうやって過ごしていた私を変えたのがわんこの存在でした。朝早く家を出る日も一緒に過ごす時間はちゃんと確保したい。ごはんをあげて、お世話をするのはもちろんだし一緒に遊ぶ時間も、ぎゅって抱きしめる時間も欲しい! 出発の1時間前には必ず起きるようになったし、時間があればお散歩に行くし、お休みの日はわんこと公園に行こうかな?って。私のわんこ、本当の名前は別にあるけど“いとし”って呼んでるんです。愛しすぎて、愛しさが止まらなくて、爆発するので、いとし♡
一人暮らしの家にいとしがやってきたのは2020年の春頃。今思えば、心配ごとの多いパピーの時期に家にいられてよかった。犬の先輩から「最初の1年は本当に大変」って聞いて覚悟していたけど、何も苦にならなかったし、楽しかった。前から調べていた仔犬の保育園にも張り切って通わせました。何も知らずに適当に飼って、いとしに我慢させるのは絶対に嫌だから。もちろん飼い主としての責任も感じているけど、それ以上に私のことを心から信頼して好きでいてくれるって、常に感じるしだからこそ私も愛を交換したい。
松村沙友理、お酒ならワイン派。自然派ワインの化学反応は
第9回のテーマは「ワイン」。映画撮影での出会いから、少しずつ縮めてきたワインとの距離。
単語としては耳にしていたけれど、ほかとの違いがわからなかった“自然派ワイン”。聞けばその土地の畑で育ったブドウを、なるべく人の手を介さずに造られたもの。今日はギャラリーみたいなワインショップの奥にある角打ちで赤や白、オレンジなど4種類のグラスワインを飲んでみました。エチケットのデザインが洒落ているものが多いし、香りは甘くて華やかなのに飲むと爽やかでギャップがあったり、味は深いのに体内にするするしみ込んでいったり……。それぞれ個性をキラキラ放ちながら、ワインの主役であるブドウどころか、ブドウの木全体やその土地の豊かな風土まで感じられる。うまみも強いので、実は家庭料理との相性もよいそう。鮎の塩焼きやクリームシチュー、白ご飯……大好物との化学反応を楽しんでみたいです。味わうほどもっと知りたくなる魅惑の存在だし、自然派ワインによって幅も広がった気がします。はぁ、幸せ♡
松村沙友理の『私がなりたいヒロイン像』
第8回のテーマは「私がなりたいヒロイン像」。
子どもの頃、初めて憧れた私のヒロインはダイアナ妃でした。彼女との出会いは図書室にあった伝記漫画。そこにロイヤルウエディングの写真が掲載されていて「うわあ、素敵‼」って。“プリンセス”のドレスやジュエリーが大好きで、宝石店のチラシを集めて眺めるのが趣味だった、あの頃の私はあの凜とした美しさに一瞬で魅せられてしまったんです。
大人になった今、「あなたのヒロインは誰ですか?」と尋ねられたら「二人いる」と答えます。一人目は映画『魔法にかけられて』のジゼル。おとぎの世界の住人だった彼女はひょんなことから現代のNYへ。普通なら「この世界になじもう」と努力すると思うんですけど、彼女は違う。自分が生きてきた世界や価値観をそのままNYに持ってきて、おとぎの世界と同じことをするんです。二人目は映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のデイジー。彼女は老人のような姿で生まれ、年を重ねるにつれ若返っていくベンジャミンと出会うのですが。まるで違う二人が、わずかに時間が重なったその瞬間、恋に落ちる……。必然でも偶然でもなく、運命としか言いようのないその瞬間が心にずっと残っているんです。
松村沙友理の“今の私にちょうどいい”甘めコーデ
第7回のテーマは「今の私にちょうどいい甘さ」。
甘い服は置いてあるだけでもかわいくて身にまとえば、落ち込んでいても疲れていてもたちまちスイッチが入って、オンの気分の私になれる。最近では、ゴテゴテにかわいすぎるものよりも色使いやシルエットに落ち着きのある、大人っぽいかわいさに惹かれることが増えた。
そんな変化はあっても、“好き”はずっと変わらない。
好きな服を一生着るって心に決めているし「甘い服は卒業すべき?」って考えたこともないくらいかわいい服への愛には絶対的な自信がある。その一方で、センスは?おしゃれは?となるととたんに自信がなくなってしまうのがこれまでの私。
でもね、いつもおしゃれで失敗と無縁に見える人も、誰かを参考にしたり、真似をしたりしてるんだって。新しい挑戦をしてみたり、失敗もしてるんだって。真似をするにも、挑戦するにも好きっていう入り口がなによりも大切なんだって。
失敗なく個性を出さなきゃ!って思い込んでいたけどおしゃれな人の“センスのよさ”をひもとくと“こだわり”があって、その“こだわり”をひもとけばそこにはきっと、“好き”がある。
私の“好き”は、もっと進化できるはず。
松村沙友理が「はじめてのピラティス」に挑戦!
第6回は、「体はもちろん、心まで整う」ときいて、ずっとトライしたかったピラティス。パーソナルトレーナーの先生から「まじめだよね。難しく考えすぎないで。緊張すると背中がピキッと固まるから、その集中力は素晴らしいけれど、少し力を抜いてみて。体の使い方には性格も出るんです」と言われた沙友理さん。“頑張る”意識を少しゆるめることは、気持ちの上でも大切。
初めてのピラティス体験は「不思議」と「すごい」の連続! 腕はここまでしか上がらない、前屈はここまでしかできない、体つきはこう……っていう、当たり前だと思っていた私自身のあれこれを、ピラティスで変えていけるということをレッスンの間に何度も実感できちゃいました!
これまでもジムに行くのは好きで、そこにはちゃんと達成感があったんです。「早起きして午前中からジムに行った」「体を動かして目が覚めた」「一日のモチベがアップした」って。でも、初めてのピラティス、星野先生とのセッションを終えて振り返ると、その達成感は“頑張った自分褒め”だったなって。今日はすごくキツイ瞬間も無理をした感覚もなかったんです。きれいな体をつくるという目標は一緒なはずなのに、感じたことは真逆で。レッスン中、たっぷりと自分の体に耳を傾けて、いたわることができた。
松村沙友理の「感情表現とわたし」
第5回のテーマは感情表現。周りから『何を考えているのかわからない』と言われることがたまにある。知り合って何年もたつ人から『いまだに壁を感じる』と言われたこともあれば、心を許しているつもりだった友達から『沙友理は人を寄せつけないよね。それを少し寂しく感じる』と打ち明けられたことも。
今日、その理由を考えていたら、スタッフさんから『さゆりんごは気をつかいすぎてしまうのかもしれないね』と言われた。確かに、姉と弟に挟まれた真ん中っ子ゆえか、私には周りの空気を読みすぎてしまう癖がある。その“癖”は乃木坂46のグループ活動でさらに加速したような気がする。団体行動だからこそ協調性が大事。自分一人の感情で周りを振り回したり、みんなの足を引っぱってはいけない……。そんな気持ちで毎日を過ごしてきたから。感情を出しすぎてもダメだし、感情を出さないのもまたダメと言われる。感情って本当に難しい‼
素直に自分の気持ちを表現できるような、あっという間に誰とでも仲よくなれるような、コミュニケーション上手の女性にはものすごく憧れる。少しでも、そんな女性に近づきたくて。引っ越しをするとき、私はいつも『今度こそ、友達を家に呼ぶんだ』と来客用のグッズを買いそろえる。だがしかし、4枚セットのお皿は自分用の1枚しか使われないまま。相変わらず『ごはんに行きましょうよ』『電話番号を交換してください』そんな言葉はうまく言えない。今年こそは、4枚のお皿をちゃんとセットで使う日が訪れることを……。心から祈る私なのです。
松村沙友理の「自分を再発見するセルフメイク」大公開
第4回のテーマはメイク。セルフメイクについて悩みがあるという松村沙友理さんに、ヘア&メイクアップアーティストの中野明海さんがアドバイス。
中野 アイドル時代の長い月日をかけて、自分らしくて似合うものを見つけてきたんだから、むしろ私が手を加える必要は本当にないと思うんだけどね。でも、今回はちょっとだけ、目標とする温泉の湯気っぽさを感じさせるように、メイクを足させてもらいました。
沙友理 私のセルフメイクをこんなに生かしてくれるなんて、すごい嬉しいです!ピンクの眉って生まれて初めてだったし、チークを足したら顔全体がぽわんと見えたり、目頭にくすんだピンクのアイラインを引いたら、突然目もとがちゅるんとしてびっくりしました!
中野 不思議と優しさが出るでしょ?ピンク眉も、眉マスカラよりパウダーで、ほんのりくらいが湯気っぽくていいと思う!ぜひ、やってみてね。
松村沙友理の「素敵な場所に連れていってくれるいい靴」とは?
第3回のテーマは靴。新しい、素敵な場所に連れていってくれる“いい靴”と、出会ってみました。
『高い靴が欲しい』と思っているわけじゃないんです。これまでの私にとって靴はどちらかというと脇役。主役の服と相性がよくて、単純に見た目が可愛い、なおかつ歩きやすい一足なら必要充分。たくさん履いて季節が変わって傷んできたら、次の新しい靴を買う……まるで消耗品のように。唯一そうじゃない靴といえば、数年前にイタリアで旅の記念に購入を決めた、とあるブランドのブーツ。何か特別なものを買いたくて、人生初のお高い、お靴。帰国後にはそれを履いて旅の余韻を楽しみました。そう、「思い出」とか、何か理由が必要なんです。
沙友理さんが履いたのは、19世紀終わりにフランス・リモージュで生まれた、歴史あるシューズメゾン「J.M. WESTON」のショートブーツ。「このパンツルックは、自分自身も成長して、なじませたい、少し背伸びなスタイル!」。職人の手仕事で一枚のレザーから仕立てたアッパーは格別の美しさ。
松村沙友理が語る「家のこと」。帰って寝るだけの場所から充実空間へ。
第2回のテーマは、見直したいと考えている家のこと。
一人での活動が始まって、大きく変わったのは家で過ごす時間が以前よりも増えたこと。上京して寮の個室からスタートした“一人暮らし”歴も気づけば10年。今初めて、自分の部屋を休むだけじゃない何かができる場所にしたいなと思っています。これまでは、玄関を入ると完全にスイッチオフ、気力ゼロで、部屋をどうこうしようと考える余裕がなかった。それが最近は、そこに少し気持ちを傾けられるようになりました。
すごくおしゃれな部屋に住みたい!とは思っていなくて、家具やインテリアのことも気になるのは「掃除がしにくくないかな?」「お手入れが難しくないかな?」って現実的なことばかり(笑)。憧れるのは、テーブルのまわりにたとえば4脚、全部違う椅子が置いてあるような部屋。同じ椅子をそろえて買うのでも、組み合わせてまとめ買いするのでもなく、気に入る椅子に出会ったら、1脚ずつ買い足す、そういう集め方をしていきたいです。そうして部屋が完成しても、きっと漫画読んで、ネットフリックス見て、アニメ見て、地上波見て……って、今と同じように過ごすと思います。だからこそ、背伸びした空間ではなくて自分らしく過ごせる、だけど生きるパワーをもらえる場所にしていけたらなって思います。
松村沙友理が語る「カルティエの時計」とともに刻むこれからの大人時間
連載第1回目のテーマは「カルティエ」の時計。
新しいスタート地点に立った心境を「7割不安、3割ワクワク(笑)」と語る。自分の足で歩き始めた彼女が今“大人の第一歩”として憧れるアイテムが「カルティエ」の腕時計。
スマホにも、街中の電光掲示板にも、時間は表示されている。どこからでも情報を得られるのに、あえて腕時計をつける。その手間をかける丁寧さに“大人”を感じます。いつか私も似合う女性になりたい!」 今まで「自分の腕時計を持ったことがない」と言う彼女が初めて身につけた“大人”の腕時計。その時計とともに、これからどんな時間を刻んでいくのだろう?
周りにいる同世代の女性と比べると、今の私は“足りないもの”がたくさんあると思うんです。でも、無理に背伸びをしたり、自分にプレッシャーをかけたり、そういうことはしなくていいのかなって。乃木坂46で私が学んだのは“ありのままの自分”でしか生きることができないということ。才能の塊に囲まれて、焦ったり、落ち込んだり、悩んだり、うらやましいと憧れる気持ちもずっとあったけれど。私は“ほかの誰か”になることはできないんですよね。あの子みたいになれなくても、自分にできることはきっとある。私は私。足りないなりに自分らしく、これから歩いていけたらいいなと思っています‼
松村沙友理さんがBAILAレギュラーモデルに加入! 29歳を迎えた心境とは?
乃木坂46で過ごした約10年は、私の誇り。でも、そこにすべてを注いできたからこそ、“松村沙友理”という一人の女性の時間はずっと止まっていたのかもしれない。
ふと、足を止めて周りを見渡してみると、学生時代の友達は仕事でキャリアを積んでいたり、すでに結婚をして家庭を持っていたり……。友達が自分より何歩も先を歩いているような気持ちになってしまうこともあったりして。
「もっと大人になっていると思っていた」それが、29歳を迎えたばかりの私の素直な感想。人生を時間にたとえるなら、今の私は何時なんだろう。皆さんに見える大きな時計の針は13時を指しているけれど自分だけに見える時計は8時に設定している気がする。
世の中に対しては「大人ですよ」の顔をしながら自分は「まだまだ」の意識をちゃんと持って「さあ、ここからちゃんと動かないと一日が無駄になるぞ」とその5時間の差を埋めるべくやっと動き始めた感じ。
多少の焦りを感じつつも、慌てず、無理せず、「自分のペースで進めばいいじゃん」って少し遅い朝食をモグモグ食べながら(笑)それがきっと、今の私なのかな。