仕事の効率化もプライベートや趣味の満足度も、前向きな一歩を踏み出すために、先送り体質から抜け出さなくちゃ! メンタルコーチの大平朝子さんに、先送り体質を変える3つのポイントを教えてもらいました。
メンタルコーチ
大平朝子さん
国家公務員試験を主席合格。裁判所書記官として年間2000件の裁判記録を扱うなかで問題解決のある法則を見いだし独立。女性リーダーの問題解決などに携わる。
[まずはCHECKしたい!!]先送り体質あるある
□あれもこれもと欲張る
□準備も結果も100点を目指す
□今できない理由を探す
□“難しいこと”を前提としている
「上の『先送り体質あるある』をチェックして、当てはまってる!と気づいたあなた。だからといって、自己嫌悪に陥ることも、だらしない人間だなんて思う必要もありません。まじめに日々と向き合っているから、先送りに目がいくんです(フマジメな人は先送りしてる意識さえないですから!)。もしかすると、先送りをやめること自体をストレスだと思い込み、勝手にハードルを上げているのかも。ちょっとだけ目線と意識を変えてみましょう。先送り体質は誰でも改善できます! 難しいことじゃありませんよ」
ライフハック1.「ちゃんとする」より「楽にやる」方法を考える
「たとえば、英会話を習うなら『評判のいいスクールの先生に教えてもらいたい!』『テキストもいいものを見つけてから始めたい』と、準備の段階から100点を目指しがちではないですか? 始める前にあれもこれもと欲張っていると時間だけが過ぎてしまいます。今すぐ、スマホで無料の英会話アプリをダウンロードしてみましょう。まずは、英語に触れる時間をつくってみること。そこから、どんな勉強方法が向いているのかを見極めていけばいいのです」(大平さん、以下同)
ライフハック2.やることよりも時間で区切る
「時間で区切ることを意識すると、終わらないということがなく、無理をせず、自分の実力や状況に合わせた、今できることを選べるようになります。その最短単位が10秒! ダイエットのきっかけ作りなら『朝、ベッドで10秒のストレッチをする』。資格の勉強を始めるなら『テキストを開いて目次だけ眺めてみる』。10秒でできるのは小さなことですが、10秒でも成功体験を積み重ねましょう。これが着火剤となって、やることが楽しみになっていく流れができるはずです」
ライフハック3.やるべきことを大きな塊でなく小さく刻む
「始める前に、最初の一歩のハードルを下げることを意識するのが大切です。クローゼットの整理整頓をするぞ!と思うと、断捨離も衣替えもしたいから掃除道具や防虫剤も用意したい。と、すぐに始められない理由が浮かんでしまうことってよくあると思うんです。そんなときは『今日は引き出しの1段目だけきれいにしたらOK!』と、小さいパーツに切り分けるクセをつけると楽に始められます」
先送りをやめて幸せになれる人なれない人、何が違う?
自分にとってのプラス行動とゼロベース行動を把握することが重要
「プラス行動とは、自分の夢や目標を実現させたり、アクティビティを楽しんだり、人生を味わうための行動。そして、ゼロベース行動とは、マイナスの状態をプラスマイナスゼロに戻す、日常生活を維持するために必要な行動と定義しています。たとえば、たまった洗濯物を洗い干して、取り込み引き出しに戻すことですね。先送りをやめて幸せになれるのは、あいた時間でプラス行動を充実させる人なんです! あなたにとって、事務仕事=ゼロベース行動だとしたら、先送りを卒業して仕事を効率化できたとしても、あいた時間がまた事務仕事で埋まってしまったらむなしさを感じてしまうでしょう。“自分のしたいことをするために”先送りを改善することが幸せにつながるカギです」
イラスト/ボブ a.k.a えんちゃん 取材・原文/木村真悠子 ※BAILA2022年12月号掲載