シンプルでベーシックなものだけが、タイムレスな名品というわけではない。30代になったなら、他にはないただひとつの個性を持つアイテムを、ずっと長く愛する楽しみというものを見出せるはず。憧れブランドのアイコニックなモチーフジュエリーには、美しく洗練されたデザインに加えて、それが生み出された背景にドラマがある。その”物語”を選んだ女性のセンスと個性を映しとって、いっそう輝きを増すものだから、自分のための時を超える名品にふさわしい。
古代ローマ時代から”人生を謳歌するパッションの象徴”として親しまれた四弁の花をモチーフにしたブルガリの「フィオレヴァー」。ペンダント¥208,000/ブルガリ ジャパン(ブルガリ)
フラワーやレタードなどのおなじみのものから、モダンなシェイプのアーティスティックなタイプまで、モチーフジュエリーは身につける人の”意志”を感じさせる。それがシンプルなコーディネートの上に映えて、全身のスタイリングをより魅力的に見せてくれるのだ。ジュエリーの存在感、美しさに一目ぼれしたら、そのデザインが生まれたストーリーを探ってみて。知るほどに愛着が深まり、誰かに伝えてみたくなるはずだから。
・デザインが生まれた歴史や、インスピレーションの源を知ること。
ストーリーを身につける。モチーフジュエリーの名品5
知っているとさらに愛着がわく、人気ブランドのヒストリー【ブルガリ】
古都ローマに、1884年に誕生したブルガリ。創業者のソティリオ・ブルガリは、ギリシャの銀細工を営む家に生まれ、当時イタリア王国の首都として栄えていたローマへと渡った。当時ジュエリーデザインの主流とされたアールデコ調を取り入れながら、徐々にイタリアン・エクセレンスによる独自のクリエイションでハイジュエリーの世界に台頭。1950年代以降には大胆な色と異素材の組み合わせをが特徴的な「ブルガリ・スタイル」を確立した。
イタリア庭園に咲き誇る花々をジュエリーにしたヘリテージジュエリーは、ローマの自然の美しさを映しとったコレクション
ローマの街に最初の店舗を構えてから130年以上、ブルガリのインスピレーションの源は、この街に息づく芸術、自然、歴史的建造物の美と色彩である。栄華をきわめた古代ローマ文明の歴史を背景に、数々のアイコニックな名品ジュエリーが生まれた。例えばコロッセオ遺跡をモダンなフォルムに落とし込んだ「ビー・セロワン」、古代のアンティークコインがあしらわれた「モネーテ」、そしてカラカラ浴場のモザイク画から着想を得た「ディーヴァ・ドリーム」など……。ブルガリのジュエリーには、知るほどにロマンティックな想像がふくらむ物語が秘められている。身につけることでタイムトラベルに誘われるような、そんな気分で唯一無二の美しさを楽しみたい。
カラカラ遺跡は、古代ローマ時代に市民に愛された浴場。その壁を彩ったモザイクタイルから着想を得た「ディーヴァ ドリーム」コレクション。古代ローマ人たちも、この美しさを前に憩っただろうか