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【 #上戸彩 さんインタビュー】大人の友人関係について、上戸さんはどう考える?

10代の頃から芸能界の第一線を駆け抜けてきた上戸彩さん。BAILA8月号の表紙を飾ってくれた上戸さんが、バイラ読者の友人関係についてのお悩みに答えてくれました。

上戸彩

Q 大人になってからの友達のつくり方とは?

生まれも育ちも東京で、2年前に30歳で結婚して大阪に引っ越しました。仲のいい友達はみんな東京にいるので、以前のように会って遊ぶこともできず。どうしたら大人になってから新しい友達をつくれますか?(32歳・派遣)

A 年齢は上から下まで様々な人が集まる撮影現場。そんな現場のあき時間で盛り上がるのは“ごはんの話題”なんです。食は誰しもが生きていく上で必ず関わる万人共通の話題。「何が好きですか?」「昼は何を食べましたか?」「美味しいお店、ご存じですか?」そんな話題が「今度、一緒に食事に行きましょう」と親交を深めるきっかけになることもとても多いんです。

最近では子どもや家族の話が“共通の話題”になることも。子どもができてからは日常生活で接する人の数もグンと増えました。それこそ、子どもを通じて“ママ友”もたくさんできましたしね。

そこで、私が「仲よくなりたい」と思うのは壁のない人。「ここは触れられたくないんだな」という地雷をいくつも持つ人はやっぱり親しくなりにくいし、一緒にいると疲れてしまうのが本音。私自身も壁はつくらず“なんでも話せる人”でありたいなと思っています。結婚する前は狭く深くの人間関係が理想で「深い友達が数人いればそれだけでいい」と思っていたけれど、今はもう「友達の多い少ないはどうでもいい」と思うように。”親友”や”知り合い”という言葉を使い親しさを区別する必要もないし、深い友達がいるのは素敵なことだけど、その時々、気の合う人と仲よくなったっていいんですよね。

お互いの興味や価値観が変わるたびに友達と疎遠になってしまうこともある。昔はそれが寂しくて、いちいち傷ついていたけれど、今は「そういうタイミングなのね」と受け止められるようになりました。ついつい重く難しく考えてしまいがちな「友達づくり」。もっと軽やかにとらえることができたら、友達の輪はグンと広がるのかもしれませんね。

Q 友達に嫉妬してしまいます

容姿にも恋人にも仕事にも恵まれている友達。彼女のSNSを見ていると「ずるい」「うらやましい」「なんで彼女ばっかり」と、ネガティブな気持ちがわき上がってしまいます……。(33歳・デザイン系)

A SNSの世界には素敵な生活を送っている人たちがたくさん存在しますよね。でも、私は素敵な写真を見るたびにいつも思うんです。「またまた〜、それ本当?(笑)」って。だって、私たちが見ているのはたった数枚の写真で、どの写真にも必ず“外側の世界”が存在するんですよね。もしかしたら、“素敵な朝食”の写真の外側には忙しくて散らかったままの部屋が隠れているのかもしれない。“素敵な家族旅行”の写真の外側には、クタクタに疲れ果てたお母さんの姿が隠れているのかもしれない……。写っていない部分にこそ真実が存在する気がするし、そう思ったほうが自分もラクじゃないですか?(笑)

誰かをうらやましく思ったり、やっかんだり、嫉妬したり、「いいな」「いいな」が積み重なると自分を嫌いになってしまうことがある。だったら、それはさっさと手放したほうがいい。一緒にいると卑屈な気持ちになってしまう、それがつらいと感じているのならば、その友達とは距離をおいてもいいと私は思います。自分に自信を持てるようになったときにまた距離を縮めればいいんだから。

Q ライフステージの変化とともに変わり始める友情のカタチ

既婚、独身。子あり、子なし。専業主婦、会社勤務……。全員が横並びだった学生時代とは異なり、今はそれぞれのライフステージが変化。価値観が異なり始めた友達とどうつきあっていくべきなのでしょうか?(34歳・商社)

A 友達とは常にわかり合っていなければいけない。常に一緒でなければいけない。環境や価値観が変わっていく友達に対して寂しさを覚えるのは自分の中にそんな思いがあるからなのかもしれませんね。

でも、環境やパートナーが変わればその人の価値観や思考も変わる。それは当たり前だし自然なこと。友達との間にズレを感じたならば、そのときは「そういうタイミングなのね」と受け止める。多少の距離が生まれても気にしなくていいと思うんです。独身の友達もいずれ結婚して家庭を持つ日が来るかもしれない、家庭に入った友達もいつか働きだす日が来るかもしれない、今は違う場所にいるような感じがするけれど、また同じ場所で楽しめるときが来るかもしれない。会いたくなったそのときにまた会えばいいんです。

離れていた時間があったとしても、会えばまた昔のように笑い合える、それが本当の友達だとも思うしね。ちなみに、私自身はライフステージの変化で友情が変化したと感じた経験はないんです。それはきっと、子どもの頃からずっと一緒にいる仲のいい地元の友達は個性も考え方もバラバラな仲間が集まっているからなのかもしれない。だからこそ、相手のことを否定しないというか。自分と異なる考えも「そういう意見もあるよね」と受け止める。みんな、いい意味で人に無関心なんだと思う(笑)。友達を大切にするし、思いやるし、どんなときも手を差し伸ばす、友情に厚いのは大事なこと。でも、全部が全部「自分と同じ」じゃなくていい。相手を尊重する“ほどよい無関心さ”も友情には必要なんじゃないかな。

Tシャツ¥24200/マッキントッシュ青山店(マッキントッシュ) パンツ¥24200/ヴェルメイユ パー イエナ 青山店(ヴェルメイユ パー イエナ) バードネックレス¥502700/ロンハーマン(サン メイア) チェーンネックレス¥26400/ルーム3138(ローラ ロンバルディ) リング¥101200/ヒロタカ 表参道ヒルズ(ヒロタカ) バングル¥63800/ショールーム セッション(マリハ)

上戸 彩

上戸 彩


うえと あや●1985年9月14日生まれ。「第7回全日本国民的美少女コンテスト」をきっかけにこの世界へ。ドラマ「絶対零度」や「半沢直樹」シリーズ、映画『あずみ』や『テルマエ・ロマエ』など代表作を多数持つ人気女優。7月16日から開催される『特別展アリス』にて展覧会用の音声ガイドに初挑戦。私生活では2児の母でもある。

撮影/中村和孝 ヘア&メイク/中谷圭子〈AVGVST〉 スタイリスト/青木千加子 取材・原文/石井美輪 ※BAILA2022年8月号掲載

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