30歳の松村沙友理さんが選ぶ“大人のゆかた”【連載 松村沙友理の大人学】

大人の学び直し“リカレント教育”をもじって、松村沙友理さんの大人への一歩を記録する連載「松村沙友理の大人学」。季節を楽しむことも大人のたしなみ。今回は、きもの専門店が手がける「THE YARD（ザ ヤード）」へ。20代までの可愛らしさとは一線を画す、これからの自分に寄り添うゆかた選びに挑戦しました。藍色の絞りをすっきりと着こなす、沙友理さん30歳の夏です。

「有松鳴海絞り」の藍色のゆかたにこげ茶色の帯。落ち着いた組み合わせに夏らしい黄緑色の帯〆や半月モチーフの帯留、モダンなバスケットを。ゆかた￥79200・帯〆￥7700（ともにザ・ヤード）・帯留￥14300（コラットワークス）・かんざし￥22000（シリアルナンバー）・かごバッグ￥75900（シリシリ）／ザ・ヤード　半巾帯・下駄／参考商品　※ゆかたは注文から仕立て上がりまで約3週間ほど。選ぶ生地によって価格は異なりオリジナルの伊勢型ゆかたで￥42900～（仕立て代金含む）

今回着たのは“絞り”という伝統技法で白く染め抜いた柄が目を惹く藍色のゆかた。
ちょっと早いかな？って思いながらも鏡の前で合わせてみて自分で選びました。
この「有松鳴海絞り」は名古屋が産地で百種類以上の文様があるんですって。
それから、“絞り”や“縮（ちぢみ）”は、生地に凹凸がある分、肌との接地面が少なく夏でも涼しく着られるんだとか。
そういう知識を教わることも楽しい一方で「ルールや知識にしばられず、フィーリングで着たいものを選んでいい」という言葉に背中を押されて、ピンときたのがこのゆかた。
ハッとしたのは、ゆかたと帯との合わせ方。
いろいろな色や柄の帯や帯〆があってどの組み合わせも成立するし、素敵だった。
背伸びかな？と思う柄も着こなせる年頃だしお気に入りのゆかたを一枚持っていたら合わせ方を変えて何年でもずっと着ていけるんだなって想像ができました。

ゆかたといえばお祭りや花火のような夏のイベントに着るものというイメージだけど「今日は何を着ようかな？」と考える服選びの選択肢のひとつにゆかたがある、そんな大人になれたらかっこいいですよね。
女友達と一杯飲みに行くときにゆかた、なんてとっても粋♡
和服を着ると背すじがシューンと伸びて仕事が忙しくなる前に少しだけ習っていた日本舞踊のお稽古を思い出し、指をきれいにそろえておこうという気持ちになります。
最後にゆかたを着てお出かけしたのは、高校生の頃。地元のお祭りに友達みんなでうちの母と祖母にゆかたを着せてもらって。
大人になってからの夏は仕事が忙しかったりオフがあっても引きこもりがちだったり毎年「夏らしいことをしたい」っていうモチベの行き場がなかったけれど、ゆかたが私を連れ出してくれたら東京の花火大会に初めて行く日も近いかも⁉

きものやゆかたの生地をジェンダーレスに提案している「THE YARD」。家族と選びにきたい、という撮影スタッフの話に大きくうなずいた沙友理さん。「男女どちらでも選べるっていうのがすごく素敵。私も将来、子どもと旦那さんとおそろいでゆかたを着て出かけてみたい！」

THE YARD
日常の延長で着るきものを提案するブランドとして2015年にスタート。オリジナルの生地からオーダーが可能で、春夏と秋冬の年に二度新作が登場。着る人のニーズに合ったアドバイスも受けられ、和装初心者でも安心な着付けレッスン（女性向け90分￥3300）やメンテナンスサービスも行う。
SHOP DATA
東京都渋谷区神宮前3-36-26 ヴィラ内川103号室
営業時間：11時～19時　火・水曜定休
Instagram（@theyard_jp）

撮影／宮下昌生〈hannah〉　ヘア＆メイク／森野友香子〈Perle management〉　スタイリスト／山﨑静香　着付け／枝比呂子　※BAILA2023年8・9月合併号掲載