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33歳で支配人へ昇格。星野リゾートの「立候補制度」とは【私と会社の新しい働き方】

より自分らしく輝くために、働き方を選択できる時代。連載第11回は、星野リゾート 星のや軽井沢 サービスチームで働く北村有里さんにクローズアップ。働く上での明確な信念を持ち、ユニークな会社の制度を活用してきた北村さん。主体的にデザインしてきたその働き方とは。

チームのサポート役として、仲間と一緒に成長したい

北村有里さん

星野リゾート 星のや軽井沢 サービスチーム

北村有里さん


長野県出身、33歳。大学時代にイギリスへ1年留学経験が。結婚を機に転職し、今年12月から星のや軽井沢のサービスチームをまとめる支配人(ユニットディレクター)に就任。

北村有里さん

「星野リゾートでは各業務を分業にせずマルチタスクな働き方を取り入れています。

フロント業務や客室の清掃、朝食の調理補助や夕食のサービスなど、シフトに合わせて一日に複数の業務を担当し、色々な場面でお客さまに接する機会に恵まれています。

食事中に暑そうにしているお客さまにいち早くお水をお出ししたり、旅の思い出にお写真を撮ってさし上げるなど、言葉だけでなく表情からもニーズをキャッチできることが私の強み。

ご病気で『旅行はこれが最後になるかも』とおっしゃっていたシンガポールからのお客さまが、チェックアウト時に『有里のおかげで楽しい滞在だった。また絶対に星のや軽井沢に来るね』とおっしゃってくださったときは、この仕事をしていて本当によかったと思いました」

HISTORY

2014

 衣料小売会社に新卒入社
 現場勤務、店長を経て本部でスタッフのスキルサポート部門へ
 

2020

 星野リゾート入社
 星のや軽井沢 サービスチーム着任
 

2021

 長男を出産
 育児休業開始
 

2022

 サービスチームに復帰
 

2024

 立候補プレゼン大会に参加し
 星のや軽井沢 ユニットディレクターへ立候補
 

チームに貢献したいと思い、支配人に立候補しました

立候補プレゼン大会に参加し支配人への昇格が決定

ホテルに一歩足を踏み入れた瞬間、野生のムササビが生息するという豊かな森と心地よい川のせせらぎに包まれる星のや軽井沢。サービスチームで働く北村有里さんは、12月から支配人(ユニットディレクター)に就任する。星野リゾートには昇格や降格という概念が存在せず、立候補制度によって決定する仕組みが。北村さんは9月に行われた「立候補プレゼン大会」に参加して選出された。

「私がプレゼンしたのは、スタッフ一人ひとりが自由な発想でお客さまの滞在を演出できるアイディア。星のや軽井沢は19年の歴史があるため、リピートしてくださったお客さまに対するチェックインの手続きや施設のご紹介を省略し、すぐにお部屋にご案内してくつろいでいただけるプランなどを提案しました。チェックインをして、決められた時間に食事やチェックアウトをする……といった定番の流れを壊したいと思ったんです」

ユニークな制度に立候補を決意したのには、社内ビジネススクール「麓村塾(ろくそんじゅく)」での経験が大きく影響していた。

「働く上で私が大切にしている軸は、日本のよさを海外に伝えることと、誰かの成長をサポートすることの二つ。色々な角度から星のや軽井沢を見る中で、さらにサービスを極めたい、もっとチームに貢献したいと思いマネジメントに興味を抱きました。支配人に相談したところ、『麓村塾』でマネジメントを目指す人に向けたスクールが開催されることを知ったんです。全国から集まったスタッフと詳細な数値の分析をしながら議論をする中で、自分の実現したいことが徐々に言語化されていきました」

2021年には約10カ月の産前産後休業と育児休業を取得。3歳の息子を育てながら働く現在は、未就学児を養育するスタッフに対し、労働時間に応じて一定の割増が支給される「経済サポート制度」を利用している。

「出産や育児中でもキャリアを継続できる会社の手厚いフォローがありますし、子育て中の私の状況を理解してくれるスタッフの存在もとてもありがたいです。子どもが急に熱を出して保育園に迎えに行かなければいけないときでも、嫌な顔を一切せず『息子さんが待ってますよ』と送り出してくれるスタッフばかり。子どもの成長を見守ってくれるような社内の風土には、すごく助けられています」

学びを続け、いずれは海外の事業にも参画できたら

支配人として北村さんがまとめることになるサービスチームは約150人。「お客さまに満足していただくため、スタッフ一人ひとりが生き生きと働ける環境をつくっていきたい」と直近の目標を示しつつ、さらに先の未来も見据えている。

「日本だけでなくバリや台湾にも展開をしている星野リゾートは、2028年にアメリカのニューヨーク州で温泉旅館を開業予定です。『麓村塾』ではクリティカルシンキングをはじめ、新たな施設の開業までの流れを学ぶことができるスクールが開催中で、私も月1回の課題に取り組んでいます。働く上で大切にしている二つの軸をさらに実現させるべく、将来的には海外の事業にも参画できたらと考えています」

北村有里さん 2

ある日のスケジュール

  8:00 

出勤
朝食会場にて
配膳などのサービス業務
 

11:00 

休憩
 

12:00 

当日の運営状況を調整
(人員配置・ゲスト情報の読み込みなど)
 

13:00 

フロントマネージャーとしてチェックイン、フロント応対
 

17:00 

退勤

シフトに従って、一日のなかで異なる複数の業務に携わる。マネージャーは役職ではなく役割というイメージで、年次にかかわらずいつでも立候補することができる。北村さんはスタッフと面談をしてチャレンジを後押しするキャリアサポート業務も担当

ON

ON

幼少期には複数回の転校で初対面の人と接する機会が多かったため、人の心情を読み取ることが得意に。どんなに忙しくても相手の立場に立って接する一貫した誠実さと優しさは、スタッフからの信頼も厚い

OFF

(OFF)

独身時代には半年に一度休みを取って海外に行っていたという旅行好き。スタッフ全員が休暇を取れる9月の休館日には、家族全員で初めて東京ディズニーランドへ行き、息子ファーストの旅行を楽しんだ

仕事のマストアイテム

1 フリーアドレスのため 荷物は最小限にしている ものの、お気に入りのコ ーン茶はマスト 2 自分 好みにブレンドしたコー ヒーをドリップし、1 と 合わせて毎日2 本水筒を 持参している 3入社時 にお世話になった方から いただいた名刺入れは、今 も大切に使い続けている

1 心構えなどが記されている「星のや手帳」を常に携帯
2 送迎や食事の時間をすぐにメモできるよう、お客さまに見せても恥ずかしくないシックなノック式のペンを愛用中
3 前職の上司から贈られた名刺入れの中には、ゲストからもらった思い出のメッセージカードも

星野リゾートの「立候補制度」とは?

各部門の責任者であるユニットディレクターや施設の最高責任者である総支配人にチャレンジできる立候補制度。年2回開催される大会で施設や組織の戦略をプレゼンテーションし、その様子はオンラインで視聴することができる。約5000人いる全国の社員のアンケート結果によって選出される。9月の大会には84人が立候補した。

撮影/木村 敦〈Ajoite〉 取材・原文/松山 梢 ※BAILA2025年1月号掲載

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