より自分らしく輝くために、働き方を選択できる時代。連載第8回は、ベネッセコーポレーションの人財ソリューション部で働く森田真里さんにクローズアップ。一度離れた会社に再入社し、成長のために学び続ける森田さん。彼女の前向きな働き方には、学びを応援する会社の文化が反映されていました。
外に出てから見えたのは、ベネッセの魅力と働き方の軸
ベネッセコーポレーション 人財ソリューション部 採用課
森田真里さん
京都府出身、38歳。高校生のキャリアに関わる教材の編集をきっかけに、人事に関心を持つように。転職をして2社でキャリアを積み、事業に愛着のあったベネッセで再挑戦。
「ベネッセが祖業としてきた教育はもちろん、会社のDX化、事業変革を推進する各分野のスペシャリストを採用する、キャリア採用のグループリーダーを担っています。
実は私自身も、新卒で入社したベネッセを一度退職し、昨年、再入社しました。
自分のキャリアを模索していた3年間は、グローバルカンパニーとスタートアップ企業で広く人事を経験。働きながら大学院に進学しフランスへの短期留学も経験しました。
“誰もが一生、成長できる”という考えは、ベネッセならではのカルチャー。人事という役割を経営という大きな視点と結びつけて捉えられるようになったのは、大学院での学びのおかげです。これからもキャリアの手綱を自ら握り楽しく、能動的に学び続けていきたいです」
HISTORY
2009 | ベネッセコーポレーションに新卒入社 |
2014 | 社内公募で介護・保育・学童事業を担う |
2020 | 製造小売業のメーカーに転職 |
2021 | 早稲田大学の夜間大学院に入学 |
2022 | 人事関連のサービスを提供するIT系 |
2023 | 2年間の大学院課程を修了しMBAを取得 |
社員の学びを応援してくれるカルチャーが誇り
中途採用はもちろん再入社も歓迎する空気が
「こどもちゃれんじ」や「進研ゼミ」で知られるベネッセコーポレーションは、在籍している正社員のうち、中途採用の社員が46%(2023年度)と高い比率なのが特徴。人財ソリューション部で働く森田さんはキャリア採用を担当している。
「教育を祖業とし、ご家庭、学校等へ様々なサービスをお届けしているベネッセは、多様な学び方が生まれる時代のうねりの中で、事業変革期を迎えています。スピード感を持ってDX/IT化を進めるために、テクノロジーの最前線で活躍されている方の中途採用を積極的に行っているんです。一方で、私のように一度退職した人が再入社するケースも多く、中には退社後、瀬戸内でのプロジェクトに携ったのちに再入社した役員もいます。社内には経験を積んだ人のカムバックを歓迎する空気があると思います」
森田さんが別の企業への転職を経てベネッセへ再入社を決意したのは、教育や介護という、人生の長期視点に立ったビジネスにあらためて深く共感したから。そして、人の可能性を信じ、人を長く大切にするベネッセの採用に、人事として貢献できることに大きなやりがいを感じたから。
「新卒で入社した当時は高校生向けの小論文教材の編集を担当していました。その後、家族が祖母の介護を経験したことで、介護に対する当事者意識が生まれ、介護事業を担う当社への共感が強くなりました。教育と介護は人生に長く関わるテーマ。どこの会社でも人事の仕事は必要ですが、『腰を据えてキャリアを磨き上げたい』と考えたときに、自分自身が事業に共感できるかが重要だと思ったんです。当社では来年度からジョブ型人事制度がスタートしますが、それ以前から『公募制度』があり、未経験であっても違う職種に挑戦できるフィールドが当たり前にありました。おかげで私も、入社5年目に、教材の編集から興味のあった人事へ異動することができたんです」
充実した制度とラーニングカルチャー
ベネッセが掲げるパーパスの一部に「誰もが一生、成長できる」という印象的なワードがあるように、ラーニングカルチャーが会社全体に根付いている。
「能力開発やキャリア形成のための制度は全部で10個以上あり、私もよく活用しています。特に年間10万円の費用を会社がサポートしてくれる『能力開発ポイント』は、毎年欠かさず利用する制度。今年は国家資格であるキャリアコンサルタントの更新の費用に充てる予定で、計画的に研修を受講しています。当社が事業運営している社会人向けオンライン教育プラットフォーム『Udemy』も使い放題なので、過去には人事に応用できそうな“リーダーシップ”や“ネゴシエーション”などを受講しました」
リスキルのために年三日(分割取得も可能)まで取得できる「リスキル休暇」も嬉しい制度。
「社会人になると、仕事を休んで学習することに後ろめたさを感じる場面もあると思いますが、受講したい研修が平日に開講される際に活用できるので、本当に助かっています。上司も同僚もみんなが、学ぶことに対してポジティブに応援し、送り出してくれることが何よりも嬉しくて。毎日コツコツ学習している仲間もいるので、日々、刺激を受けつつ成長を感じながら働いています」
ある日のスケジュール
9:30 | 上司、同僚との朝会 |
10:00 | 社内外の人とミーティング |
12:00 | 昼食(出社の日は同僚とランチへ) |
13:00 | 採用候補の方と面談や面接 |
18:30 | 残務処理をしたのち、退勤 |
上司や同僚との1on1から業務スタート。候補者との面談だけでなく、外部のパートナーや事業部門を巻き込み、採用に関する相談やアドバイスをもらうことも大切にしている。月の約5割程度はリモートワークで、終業後はホットヨガで心身ともにリフレッシュ!
ON
ファシリテーターとして採用イベントを企画したり、出演したりすることも。ベネッセで働くイメージを明確に持ってもらうために、動画等を用いてわかりやすく伝えるよう心がけている
OFF
年に一度は長期休みをとり、海外旅行へ行くそう。短期留学で訪れたフランスは特に思い出深い地。「次に休暇がとれたら、パリに住むホストマザーに会いにいきたいです」
仕事のマストアイテム
1 仕事中は常にかたわらに本を積み、行き詰まったときに読んで元気をもらっている。ベネッセの企業理念をまとめた冊子は拠り所に
2 出社したときの楽しみはカフェで提供されるマンゴージュース
3 ミーティング中のメモやアイディアは“紙”に書くことがこだわり
ベネッセコーポレーションの「能力開発ポイント」とは?
社員自らキャリア開発に主体的に取り組むことを求め、会社が個人に期待する能力開発(外部研修・通信教育・各種資格試験など)を支援する制度(年間10万円。次年度まで繰り越し可)。年度始めに上司と話しあい、何にどのように使うか計画を立てる。ほかにもオンライン学習プラットフォーム「Udemy」が無料で利用できるなど、学習に励む環境が整備されている。
撮影/花村克彦〈Ajoite〉 ヘア&メイク/山口春菜 取材・原文/松山 梢 ※BAILA2024年10月号掲載