プレーンなクルーネックニットはスタイリングのベースになる。ボトムやジャケットを主役にしたり、アクセサリーを盛ったりする時の、いわば無地のキャンバスみたいなもの。だから余計なデザインのない、ごくシンプルなものがいい。トレンドやブランドイメージを主張しないものがいちばん着回しやすいはず。それなら、ファストブランドで適当に選んでもいいかというと、そうはいかないのが、30代からの日常のおしゃれの難しさ。
フランスのニット&カットソーブランド、ルトロワのシンプルな定番ニット「クロード クラシック」。ニット¥19,000/八木通商(ルトロワ)
”なんてことのない”アイテムこそ、ものの良質さは伝わりやすい。シルエットの美しさや、見えない部分での丁寧な仕事は、その人のスタイルとなって滲み出るからだ。「土台」がしっかりしていれば、おしゃれはずっと自由に、素敵になるはず。特に、ロングセラーの定番なら、これからずっと頼れるおしゃれのベースとして、リピート買いすることもできる。この先を見据えて、自分のユニフォームのように長く付き合える一枚に投資してみて。
・インでもアウトでも映える、無駄を省いたミニマムなデザインを
自分だけの上質なユニフォームに。クルーネックニットの名品5
知っているとさらに愛着がわく、人気ブランドのヒストリー【ジョン スメドレー】
イギリスを代表するマニファクチュアブランドのひとつ、ジョン スメドレーは、1784年創業。小さな紡績工場から始まり、18世紀に入ってからは最上級の原料を用い、一貫したラインで製品作りを行うニットメーカーへと発展。現在は創業者のひとりジョン・スメドレーからスメドレー一家が引き継ぎ、235年の歴史で築き上げたニットづくりの職人技を守り続けている。
創業235周年を記念して制作されたブリティッシュウールニット
極細の撚糸で丹念に編まれたハイゲージニットに関しては、パイオニアともいえるジョン スメドレー。コットンは、「シーアイランドコットン」というシルクのような光沢の天然素材。また、ウールは畜産農家の選定からこだわりぬいたエキストラファインウールを使用している。最高級の素材を使用し、伝統と革新の技術を積み重ねるブランドの1着は、まるで工芸品のように、長く愛せるぬくもりを持ち続けている。