従来の婚姻スタイルにとらわれず、ライフスタイルに合った結婚生活を送る夫婦にインタビュー。それぞれが導き出したふたりらしい“結婚の形”とは!? 結婚への見えないプレッシャーから解放されるために「友情婚」を選んだ二人にフォーカス。
《友情婚》ともに“社会で生き抜くため”「交際0日婚」を選んだふたり
DATA
□出会い 専門学校時代の同級生
□交際期間 0日
□結婚 2024年
会社員
なかばさん(31歳)
会社員
たなかさん(31歳)
世間や社会から押しつけられる結婚への目に見えないプレッシャー。そこから解放されるために手を取る
関係をいつ解消してもいい。軽い心持ちでした友情婚
学生時代の友人であるふたりは、恋愛感情や性的なつながりを持たない婚姻の形「友情婚」を選択した。
なかば 世間と社会の両方から、“結婚していないこと”に対するプレッシャーを感じていました。それもあり婚活をしていましたが、しっくりくる人に出会えない。そんなときに、映画『正欲』を観て、「友情婚」というスタイルを知り、コレだ!と。学生時代の友人で、何でも気楽に話せた彼のことが思い浮かんで、10年ぶりにごはんに誘ってみたんです。
たなか 最初に連絡が来たときは、マルチ商法の勧誘かと思ったけれど(笑)、会って話していくうちに、「お互いに30歳まで独身だったら結婚するのもアリだよね」と過去に話していたことを思い出して。僕も、世間からの“結婚の圧力”に煩わしさを感じることがあり、恋愛には興味がないけれど友情婚なら挑戦してみてもいいなと思い、再会して5時間後には婚姻届を出しました。
なかば 同居もしませんし、もしうまくいかなければ、離婚して元に戻ればいい。それくらいの軽い気持ちでした。翌日には指輪を買いに行き、「月1回は会う」「世帯が一緒になるので、借入時などは事前に報告する」というルールだけは決めました。
自立した大人同士の協力関係が生む安心感
結婚をしたことで、生活やメンタルにポジティブな変化があったそう。
たなか 結婚をしているというだけで、あらゆる場面で信用を得やすくなりました。また、自分が倒れたときに病室に来てもらえる存在ができたことは安心感につながっています。
なかば 私は、親友に近い感覚の結婚相手がいるおかげで、将来や老後を考えて不安になることがなくなりましたし、仕事に対するモチベーションも上がった。今後もお互いの気持ちを尊重して、協力し合いたいです。
撮影/森川英里 取材・原文/海渡理恵 ※BAILA2024年8・9月合併号掲載