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辻井伸行×三浦文彰対談《後編》「気軽に楽しめるクラシック音楽イベントを今年も開催」【クラシック音楽を聴いてみませんか?】

今年7年目を迎える大人気の音楽祭「サントリーホール ARKクラシックス」でアーティスティック・リーダーを務めるピアニストの辻井伸行さんとヴァイオリニストの三浦文彰さん。世界で活躍するバイラ世代の音楽家であるお二人の出会い、サントリーホール ARKクラシックスの魅力について伺いました。

※辻井伸行さんの「辻」は公式の表記では「 辶 」(しんにょう)の点が一つです。

言葉で話すよりも音で会話。自然に演奏できる理想の相手

ピアニストの辻井伸行さん ヴァイオリニストの三浦文彰さん

2023年「サントリーホール ARKクラシックス」公演画像
©N.Ikegami

三浦 辻井君との出会いは、2016年の「究極の協奏曲コンサート」。それぞれ別の協奏曲のソリストだったのですが、アンコールに一曲デュオ演奏をしたのをきっかけに、その後、NHKの大河ドラマ「真田丸」のアルバムやサントリーホールARKクラシックスのアーティスティック・リーダーを務めるなど、長く一緒に仕事をしています。

辻井 初めて会ったときから音楽が本当に素晴らしく、すごい集中力でした。出会いの公演後に一緒に食事をしたんですが、僕と同じで食べることや飲むことも大好きで初めて話したときから息が合って。僕にとっては音楽仲間でもありプライベートでもいろんなことを言い合える友達で本当にいい出会いでした。

三浦 そんな風に言ってくれて嬉しいです。出会う前から辻井君の演奏を聴いていましたが、実際に会うと人柄が明るくて皆がハッピーになるような人。そこにすごく惹かれました。

辻井 二人で演奏しているとお互いに自然に演奏できるんです。言葉で話すより音で会話し合って、合わせていて楽しい。

三浦 理想的なんですよね。今こういうサウンドが欲しいとか、ここの流れはこういう風にいきたいというのが、なぜか辻井君とは合うんです。

ARKクラシックスはリラックスして楽しんでほしい

――二人がアーティスティック・リーダーを務めるサントリーホール ARKクラシックスは、今年7年目。サントリーホールを中心に、アークヒルズ周辺が音楽で盛り上がる“まちの音楽祭”「アークヒルズミュージックウィーク」の大人気オープニングイベントだ。音楽祭の期間中はアークヒルズや近隣の美術館や飲食店、大使館などの施設でも数多くのコンサートが展開される。

三浦 今年の9月27日から10月1日に行われるサントリーホール ARKクラシックスでは、大ホールとブルーローズ(小ホール)で、僕たちと世界で活躍する音楽仲間が一緒に5日間で11公演を開催します。辻井君のピアノソロコンサートもありますし、辻井君と僕のデュオ、そのほかにも多彩な室内楽、協奏曲、交響曲などバラエティに富んだプログラムをお届けする予定です。

辻井 初めていらっしゃる方にも気軽にお楽しみいただけるように、サントリーホールの外のアーク・カラヤン広場にある大スクリーンで全公演のライブ・ビューイングが無料で見られたり、そこでちょっとしたピアノライブがあったりも。僕も昨年は公演の合間にカラヤン広場でお酒を飲んだり、食事をしながら、ほかの方の演奏を聴いたりしていました。子どもたちが遊びながら音楽を聴いたり、大人の方も食事をしたりしながら聴いてくださっていて。ホールで聴くのももちろんいいですし、初めてでどうしようと思われる方は外でリラックスしてごはんを食べながらBGMとしても聴いてもらえるので、色々な楽しみ方ができていいなと思っています。

三浦 今年7年目を迎えるのですが、本当にあっという間でした。僕はサントリーホールを日本一のホールだと思っていて、この贅沢な空間で毎年素晴らしい時間を皆で過ごせてるので、これからも長く続けて東京の中心から世界に音楽を発信する音楽祭にできたらと思っています。まだまだ序盤のような気持ちでもありますね。

辻井 三浦さんは最近ではヴァイオリンだけでなく指揮者としても大活躍をしているんです。何年も見ていますけれどどんどん成長している姿がすごく嬉しいです。ARKクラシックスでは二人でオーケストラをつくったりも。色々な挑戦をさせてもらえて、若い方たちと一緒に演奏することも楽しみのひとつです。

三浦 もともとは通常のオーケストラよりも小さい編成の室内オーケストラとして「ARKシンフォニエッタ」という名前でスタートしたのですが、レパートリーが広がるにつれて編成が大きくなり、今ではフルオーケストラを表す「ARKフィルハーモニック」に名前が変わりました。ARKクラシックスもARKフィルハーモニックもさらに大きくしていくことが目標です。指揮は僕にとって大変難しく、まだまだ時間がかかりますが、自分の音楽に生きてくると思って学び続けています。ヴァイオリンのソロ活動がもちろん自分のコアにありますが、前半に弾き振り、後半に指揮で作品を演奏するようなプログラムにも挑戦していきたいです。

辻井 ピアノ曲って本当にもうキリがないほどあって、一生かかっても全部を弾くのは無理な話ではありますが、僕もレパートリーを増やしてもっと世界で活躍できるような、演奏家になりたいです。また、ARKクラシックスのほかに「富士山河口湖ピアノフェスティバル」にも参加していて、そのなかで地元の小学校に行って、子どもたちと一緒に音楽ってこんなに楽しいんだよということを教えたり体験してもらったりしているので、そういった子どもたちに音楽の素晴らしさを伝える活動も続けていきたいです。

三浦 クラシック音楽の魅力を多くの人に伝えられるよう一緒に頑張ろう!

ピアニストの辻井伸行さん ヴァイオリニストの三浦文彰さん 2

「クラシック音楽の生の演奏をぜひ気軽に聴きにいらしてください」(三浦)

「サントリーホール ARKクラシックスはホールの外でライブ・ビューイングも楽しめます」(辻井)

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好きなクラシック曲

モーツァルト:交響曲第41番

モーツァルト:交響曲第41番
「僕のなかで完璧な曲といえばこれ」(三浦さん)。レナード・バーンスタイン&ウィーン・フィル『モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」、第35番「ハフナー」』(ユニバーサルミュージック)

起きるときに聴きたいクラシック曲

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番
「毎朝、僕がルーティンで音階とセットで練習している曲です」(三浦さん)。ギドン・クレーメル『J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』(ユニバーサルミュージック)

寝るときに聴きたいクラシック曲

モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番

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「第2楽章のような緩やかな楽章を聴きながら、赤ちゃんのように寝たいですね」(三浦さん)。アンドラーシュ・シフ『モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番&第21番』(ユニバーサルミュージック)

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尾崎豊:僕が僕であるために

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「クラシック以外の音楽をあまり聴かないのですが、尾崎豊が好きです。昭和の音楽が聴いていて心地いいですね」(三浦さん)。尾崎豊『十七歳の地図』(ソニー・ミュージックレーベルズ)

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フランク:ヴァイオリン・ソナタ

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「辻井君と初めて共演した曲。ピアノとヴァイオリンの掛け合いをぜひ聴いてください」(三浦さん)。『フランク:ヴァイオリン・ソナタ/ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番』(avex-CLASSICS)

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好きなクラシック曲

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「4歳の頃、発表会でほかの人が弾いてるのを聴いて『爽やかでいい曲だな』と思い、自分も練習しました」(辻井さん)。『ドビュッシー:アラベスク第1番/第2番/組曲「子供の領分」他』(ユニバーサルミュージック)

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井上陽水:少年時代

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「最近はあまりないですが、以前はカラオケに行ったりしたことも。この曲や『マツケンサンバ』を歌いました」(辻井さん)。井上陽水『ハンサムボーイ』(FOR LIFE MUSIC ENTERTAINMENT)

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ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番
「僕たちのデュオCD。二人で自然に演奏できたとてもいいカップリングの2曲です」(辻井さん)。『フランク:ヴァイオリン・ソナタ/ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番』(avex-CLASSICS)

辻井伸行

ピアニスト

辻井伸行


1988年生まれ、東京都出身。2009年にアメリカのヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールにて日本人として初優勝。以来、世界的なピアニストの一人として活躍。ニューヨークのカーネギーホールの主催公演や、イギリス最大の音楽祭「BBCプロムス」に出演し大成功を収める。2018年よりサントリーホール ARKクラシックスのアーティスティック・リーダーを務める。

三浦文彰

ヴァイオリニスト

三浦文彰


1993年生まれ、東京都出身。2009年にドイツのハノーファー国際コンクールにて史上最年少の16歳で優勝。以来、国際舞台でヴァイオリニストとして、近年は指揮者としても活躍している。2018年よりサントリーホール ARKクラシックスのアーティスティック・リーダーに就任。21/22シーズンにロイヤル・フィルのアーティスト・イン・レジデンスを務める。’23年にウィーン、パリ、日本、ソウルでリサイタルを開催。

サントリーホール ARKクラシックス
開催日:2024年9月27日(金)~10月1日(火)
辻井伸行さんと三浦文彰さんをアーティスティック・リーダーに迎え、素晴らしい音楽仲間が集結する豪華な音楽祭。サントリーホールの大ホールとブルーローズ(小ホール)を舞台に、5日間で多彩な11公演を開催し、ホール前のアーク・カラヤン広場では全公演を大スクリーンで無料鑑賞できるライブ・ビューイングを実施予定。
https://avex.jp/classics/arkclassics2024/

撮影/曽根将樹〈PEACE MONKEY〉 取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2024年10月号掲載

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