演奏を聴きに行くだけでなく、ファッションを楽しむ場にもなるコンサート。おしゃれのプロ・三條場夏海さんが、クラシックを聴きに行く日の楽しみ方をナビ。
ディレクター、デザイナー
三條場夏海
「Gajess」のディレクター兼デザイナー。ベーシックの中に女っぽさをプラスするアイテムづくりを得意とし、業界内でもファンが多いブランド。中高時代の吹奏楽部での活動がクラシックを好きになったきっかけ。
JOBA流クラシックの楽しみ方
「クラシックのコンサートは、演奏を聴くだけでなく生の楽器が奏でる音圧に感動したり、ホールの荘厳な雰囲気に高揚したり、その空間に足を運ぶこと自体に魅力があります。いつもより厳かで非日常な場所だからこそとっておきのお洋服を着て、おしゃれに気合を入れるのも楽しさのひとつ。私がクラシックを聴きに行く日は、普段はいているパンツはそのまま、肌見せやフリルがついたドレッシーなトップスを合わせてグッと特別感を引き上げるコーディネートが定番です」
「客席がヴィンヤード形式のサントリーホールは、座席の位置によってステージの見え方ががらりと変わるので、クラシック好きにはたまらない! 公演前後にドリンクコーナーへ立ち寄るのもお気に入り」
「ヘア&メイクはファッションに合わせる。デコルテの肌見せとバランスをとってタイトなヘアとナチュラルなメイクに」
「コンサートが終わったあとにホールから出るとクラシカルな空間が迎えてくれるから夢のような余韻が、より持続する」
メンズ服のデザインをベースにつくったワイドパンツに、レザーバッグやローファーを合わせてクラシックにまとめる。ブラウス¥27500・パンツ¥34100/ガジェス バッグ・シューズ/本人私物
「30歳になるまでにウィーンでオーケストラを聴きに行きたい!」をかなえたJOBA'sウィーン旅行記
「30歳になるまでにウィーンでオーケストラを聴きに行きたい」という夢は、高校時代の吹奏楽部の仲間と話しているときに生まれたものです。社会人になってからも毎月のように会っていて、コンサートへも頻繁に足を運んでいました。公演時に配られるチラシの中から「次はどれに行く?」と、その場で予定を決めて、また行って、を繰り返し。そんな流れで「いつか本場のウィーンに行きたくない⁉」と軽いノリで話していたものが、いつしかみんなの共通の目標になっていました。高校時代をともに過ごした仲がいいメンバーと、特別な旅行に行きたい、という気持ちも。
そして、ちょうど30歳を迎えた今年のGWに、友人たちと念願のウィーン・楽友協会へ。到着したときから「ついに目標を達成した!」と終始夢見心地でした。ウィーンといえばモーツァルトゆかりの地なので、すべてモーツァルトの楽曲で構成されたプログラムをセレクト。正直、あまりの嬉しさにそのとき起きたことはあまり覚えていないのですが、歴史のある空間で聴いた生演奏の素晴らしさは今も鮮明に思い出せます。大人になり、お互い働いている友人と長期のスケジュールを合わせるのは本当に難しいことですが、青春をともに過ごしたメンバーと、音楽をきっかけに夢をかなえられたことが嬉しくて。そんな仲間がいることにも感動してしまいました。
ウィーン滞在中に次の目標も決めたんです。「アメリカでジョン・ウィリアムズの音楽を生演奏で聴く」。今回は音楽の都で古典的なオーケストラを聴いたので、次はポップ・クラシックを堪能したいです。あわよくばジョン・ウィリアムズ本人の指揮で!
「ウィーンを象徴するコンサートホールである楽友協会。普段はラフな服装で会うことが多い私たちですが、この日は全員ドレスアップしたのもいい思い出」
撮影/宮下昌生〈hannah〉 ヘア&メイク/本岡明浩 イラスト/KOTOMI FUJIWARA 撮影協力/サントリーホール ※BAILA2024年10月号掲載