クラシック音楽に魅了された各界の著名人に聞いた「MY BEST 3」を発表! 今回は小説家 須賀しのぶさんのお気に入りのナンバーをご紹介。
小説家
須賀しのぶ
1994年にコバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞し、『惑星童話』でデビュー。著作は『革命前夜』、『また、桜の国で』など多数。
① 「トリスタンとイゾルデ」 ワーグナー
【収録盤】
指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団『チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》&ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》第1幕前奏曲と愛の死』(ATS)
② 「ゴールトベルク変奏曲」 バッハ
【収録盤】
若き日のグレン・グールドを一躍有名にした、バッハ「ゴールトベルク変奏曲」を含む、全32曲を収録した2枚組み。演奏:グレン・グールド(ピアノ)『バッハ:ゴールドベルク変奏曲』(ソニーミュージック)
③ 「交響曲第9番」 ブルックナー
【収録盤】
シューリヒト指揮のブルックナー「交響曲第9番」を収録。指揮:カール・シューリヒト、演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団『交響曲第9番 シューリヒト指揮ウィーン・フィル』(ユニバーサルミュージック)
クラシックの沼にどっぷりハマり、絶賛推し活中
「中学生の頃、母に渋々ついて行ったコンサートで、ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』の前奏曲と愛の死を聴き、背徳感と官能性に衝撃を受けたことが沼にハマったきっかけ。それまでクラシック音楽は、ただきれいなものだと思っていたので本当に驚きました。あまりにもハマり、高校時代には演劇の脚本を書いたり、今の仕事に就いてからもモチーフにしたり。一年に一度は生で聴かないと調子が狂うので、若い頃はこの曲を聴くためだけに海外を飛び回るという推し活も。またスルメのようにかめばかむほどというのがバッハ『ゴールトベルク変奏曲』。聴いていると自分がだんだん曲に調和していく感じがし、そのまま寝落ちすることもよくあります。壮大で孤独で奥が深いブルックナー『交響曲第9番』は、宇宙の成り立ちを眺めているような気分になり、抱えている悩みがどうでもよくなります」
取材・原文/池田旭香 ※BAILA2024年10月号掲載