仕事は忙しいし、なんだかんだ予定は詰まっている…まだ寒さが残る日々で体力も気力もダウンしがち。そんなときにおすすめなのが長谷川あかりさんのレシピ。食材も手間も調味料もミニマムなのに、うまみはしっかり。あなたを“救う”レシピをチェックして。
俳優やアイドルの間でも「簡単なのにおいしい」とバズるレシピを発信するツイッター(@akari_hasegawa)のフォロワーは20万以上! 近著は『クタクタな心と体をおいしく満たすいたわりごはん』(KADOKAWA)。
1.クタクタな胃と私にやさしい時短レシピ
主役は栄養豊富で消化がよい低カロリー食材。市販のだしを使わず、食材の組み合わせでうまみを最大限引き出す!
鮭とせん切りキャベツのスープ煮
●材料(2人分)
生鮭 2切れ
片栗粉 小さじ2
(A)
だし 400ml
塩 小さじ2/3
しょうゆ・みりん・柚子こしょう 各小さじ1/2
せん切りキャベツ(市販品) 150g
ごま油 適量
●作り方
①鮭の表面全体に片栗粉をまぶす。
②鍋に(A)を入れたら火にかけて沸騰させ、鮭を入れる。煮汁をかけながら、弱めの中火で5分煮る。
③キャベツを加え、少ししんなりしたら火を止める。器に盛り、ごま油をたらす。
“やさしい”のPOINT!
焼いたり揚げるより、さらに健康的な調理法の煮つけに挑戦。疲労回復を期待できる鮭には、片栗粉をまぶすのがコツ。とろみがつき、食材同士がよくからみ合う♡
鶏肉とカリフラワーのリゾット
白色のカリフラワーをたっぷり&レモンの酸味が加わり、奥行きはあるのにあっさりした味わい。カリフラワーの代わりにじゃがいもでも可。
●材料(2人分)
生米 100g
鶏もも肉 100g
カリフラワー 1/2房
にんにく 1かけ
バター 10g
(A)
塩 小さじ1/2
粉チーズ 小さじ2
レモン汁 大さじ1
レモンの輪切り 2枚
●作り方
①鶏もも肉は2㎝角に切る。カリフラワーは小房に分け、にんにくはみじん切りにする。
②鍋にバターを溶かし、にんにくと鶏肉を入れ、中火で炒める。鶏肉の色が変わったら生米を加え、透明になるまで炒める。カリフラワーとお湯200ml、塩ひとつまみ(分量外)を加えてかるく混ぜ、弱めの中火で煮込む。水量が減ってきたらお湯200mlを2回に分けて加え、15分煮込んだら火を止める。
③(A)を加え混ぜたら器に盛り、レモンをのせる。
“やさしい”のPOINT!
リゾットの半分以上はカリフラワーなので、とってもヘルシー。脂質が高いバターや生クリームなどの乳製品を極力減らしているのもポイントです
たらとベーコンのおろしれんこん煮
さっと煮ただけなのに驚くほどねっとりした食感で、うまみもしっかり。たらの代わりに、さわらや鮭でもおいしい。
●材料(2人分)
塩だら 2切れ
れんこん 100g
ベーコン 1枚
にんにく 1かけ
料理酒 50ml
米油(なければサラダ油) 小さじ1
塩・黒こしょう 各少々
パセリ(みじん切り)
適量
●作り方
①れんこんは皮をむいてすりおろし、ベーコンとにんにくはみじん切りにする。
②深めのフライパンに米油をひいて弱火で熱し、ベーコンとにんにくを炒める。香りがたったら水100mlと料理酒、塩だらを加え、ふたをして弱めの中火で4分蒸し煮にする。
③①のおろしれんこんを加えて混ぜたら、ふたをして弱火で3分煮込む。塩で味をととのえたら器に盛り、パセリと黒こしょうをふる。
“やさしい”のPOINT!
魚の中でも脂質が低く消化がよいたらを使用。れんこんはすりおろして加熱すると、つなぎなしでもモチッ&とろっとした食感に。炭水化物不使用のボリューム満点レシピ
2.遅い時間にやさしいローカロリーレシピ
満足感がありつつも翌日に胃もたれしないレシピは? 目からウロコの発想で、うまみ200%のヘルシー料理を提案。
かぶあんかけ丼
水溶き片栗粉で作るあんの効果で、たった5分だけなのに、ゆっくり時間をかけて煮込んだような奥深い味に。お好みであんにたらこを加えてもおいしい。
●材料(2人分)
かぶ 小2個
だし 200ml
(A)
塩 小さじ1/4
薄口しょうゆ 小さじ1と1/2
三つ葉 約5本
水溶き片栗粉(片栗粉小さじ2+水大さじ1)
ご飯 2膳分
すりおろししょうが 適量
●作り方
①かぶの白い部分の外皮をむき、スライサーなどで薄切りにする。三つ葉は2㎝幅に切っておく。
②鍋にだしを入れて火にかけ、沸騰したらかぶを加える。ふたをして弱めの中火で5分煮たら(A)を加える。三つ葉を入れたらすぐに火を止め、混ぜながら水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。再び火にかけ、ひと煮立ちさせたら火を止める。
③器にご飯を入れ、②をかける。しょうがをのせる。
“やさしい”のPOINT!
消化酵素が豊富なかぶが主役。極薄にスライスし、水溶き片栗粉でとじれば、湯葉のごとく繊細かつエレガントな味わいに。低カロリーなのも嬉しい♪
豆腐と菜の花、しらすのオイル蒸し
うまみ成分の強いしらすが調味料に。オリーブ油を加えて蒸すので、腹もちもグッド。菜の花の代わりにブロッコリーやキャベツでも。
●材料(2人分)
絹ごし豆腐 1丁(300g)
菜の花 1/2束(100g)
しらす 40g
昆布 1枚(5×10㎝)
(A)
料理 酒1/4カップ
オリーブ油 小さじ2
塩 ひとつまみ
●作り方
①豆腐は4等分に、菜の花は食べやすい大きさに切る。
②フライパンに昆布を入れ、その上に菜の花と豆腐を並べ入れる。(A)と水100mlを加えたらしらすをのせてふたをし、弱めの中火で5分蒸す。
③器に盛り、お好みで塩やポン酢をかけて食べる。
“やさしい”のPOINT!
脂溶性ビタミンが豊富な菜の花は、オイルと摂取すると、より栄養素の吸収率がアップ。蒸し器ではなくフライパンで作れるのもポイント。お酒のおつまみにしても♪
3.食べすぎ飲みすぎにやさしい消化にいいレシピ
外食が続いて胃腸が疲れたら、消化がよい麺類が最適解。わざわざだしをとらずに作れる、お手軽レシピを紹介。
まろやか白スンドゥブ
植物性のたんぱく質がメインのヘルシーな韓国料理。お好みで豚肉を加えたり、あさりの代わりに帆立ての缶詰を使っても。
●材料(2人分)
絹ごし豆腐 1丁(300g)
無調整豆乳 100ml
えのきだけ 1/2袋
あさりの水煮缶 1缶(130g)
すりおろしにんにく 1かけ分
塩 ひとつまみ
白いりごま 適量
ご飯 2膳分
●作り方
①えのきだけは根元を切り落とし、3等分に切る。
②鍋に水200mlを入れ、中火にかける。沸騰したらあさりの水煮缶(汁ごと)とにんにく、豆腐を手でくずしながら加え、ひと煮立ちさせる。
③豆乳と①を加え、弱火で2~3分煮たら、塩で味をととのえる。器に盛り、白いりごまをふる。ご飯を添える。
“やさしい”のPOINT!
消化がよい豆腐や豆乳が主役のレシピです。今回は、スンドゥブ特有の辛み成分を省いてやさしい味つけに。あさり缶やにんにくが最高のうまみになる!
豚しゃぶとほうれん草の梅うどん
二日酔いの回復を助ける梅干しをほぐして加えて(甘くないものを選んで)。ローリエの代わりにセロリの葉っぱ、野菜は水菜や小松菜を使っても。
●材料(2人分)
うどん 2玉
豚バラ肉しゃぶしゃぶ用 100g
梅干し 大2粒
ほうれん草 1/2束
ローリエ 1枚
料理酒 大さじ2
薄口しょうゆ 大さじ1
塩 小さじ1/4〜
●作り方
①ほうれん草は根元を切り落としたら食べやすい大きさに切り、水を張ったボウルに約10分浸し、水気をよくきる。うどんは、鍋にたっぷりの湯で袋の表示どおりにゆで、ざるに上げて水気をきる。
②鍋に水500mlと料理酒を入れ、沸騰したら肉を一枚ずつ入れてアクを取る。ローリエ、手でほぐした梅干し(種ごと)、薄口しょうゆを加え、ふたをして5分煮込む。ほうれん草と塩を加えて火を止める。
③①のうどんを器に盛り、②のスープを注ぐ。
“やさしい”のPOINT!
市販のだしを使わず、調味料とローリエで作れるお手軽うどん。隠し味の梅干しは肝機能をよくし、ビタミンCやカリウムを多く含むほうれん草は、むくみ解消にも
白菜漬けとツナのエスニック風にゅうめん
使い切らずに余ってしまいがちなエスニック系の調味料を使わずにタイやベトナムの味を再現。ライムの香りと酸味が食欲増進に!
●材料(2人分)
そうめん 3束
白菜漬け(市販品) 120g
ツナ缶(フレーク・オイル漬け) 1缶(70g)
すりおろしにんにく 1/2かけ分
塩 小さじ1/2
ライムの輪切り 2枚
パクチー・黒こしょう 各適量
●作り方
①そうめんをゆで、水気をきる。白菜漬けは水気をきってみじん切りにしておく。
②鍋に水600mlを入れて火にかける。沸騰したら白菜漬け、ツナ缶(オイルごと)、にんにく、塩を入れてひと煮立ちさせる。味をみて塩でととのえる。
③器に①を盛り、②のスープを注ぐ。ライム、黒こしょう、パクチーをトッピングする。
“やさしい”のPOINT!
白菜漬けの酸味とツナのうまみ、にんにくが合わさると、絶品エスニックテイストに。現地ではおなじみの米麺のブンを思わせるにゅうめんで作るのがポイント☆
4.風邪ひきそうな弱った私にやさしい滋養レシピ2選
とにかく体を休めたい! そんな日は、工程が少なくて煮込むだけででき上がる具だくさんスープの力を借りよう!
牛肉ととろろの韓国風スープ
牛肉のうまみに、にんにくとしょうがを効かせるスタミナ系。長いものぬめり成分が適度なとろみ&牛肉の消化を促進してくれる。
●材料(2人分)
(A)
牛小間切れ肉 140g
料理酒 大さじ1
砂糖 小さじ1
しょうゆ 小さじ1
すりおろししょうが 1かけ分
すりおろしにんにく 1かけ分
長いも 100g
ねぎ(白い部分) 1本分
ごま油 小さじ1
塩 小さじ1/3
(あれば)糸唐辛子 適量
万能ねぎ 適量
●作り方
①密閉式の保存袋に(A)を入れてよくもみ、約10分おいて下味をつける。その間に長いもをすりおろし、ねぎは3㎝に切る。
②鍋にごま油をひいて中火にかけ、①の牛肉とねぎを炒める。ねぎがしんなりしたら水400mlを加えて強火にし、ひと煮立ちしたら火を弱める。アクを取り、長いもを加えたら、ふたをせずに弱火で10分煮込む。
③塩で味をととのえたら器に盛り、小口切りにした万能ねぎと糸唐辛子を飾る。
“やさしい”のPOINT!
弱った心身に元気をくれるスタミナスープは、牛肉にさっと下味をつけて水と煮込むだけ。長いもに含まれる多糖類が胃の粘膜を保護するから免疫力アップにも
手羽元の昆布バターポトフ
市販のコンソメを使わずとも、昆布で至極やさしい和風ポトフに。消化のよい白菜やじゃがいもを使用。手羽元の代わりにベーコンやウインナーでも。
●材料(2人分)
手羽元 4本
白菜 1/4個
じゃがいも 大1個
昆布 1枚(5×10cm)
料理酒 50ml
バター 10g
塩 小さじ1/2
●作り方
①手羽元に塩ふたつまみ(分量外)をよくすり込む。白菜は根元を切り落とし、じゃがいもは皮をむいて2等分にする。
②鍋(またはフライパン)に①と昆布、水500ml、料理酒、バター、塩を入れ、ふたをして中火にかける。煮立ったら弱めの中火にし、20分煮込む。お好みでからしを添えても。
“やさしい”のPOINT!
ポトフといえばコンソメですが昆布とバターの組み合わせでモダンなおでん風に。骨つき肉をコトコト煮込むと骨からおいしいだしが出ます
撮影/清水奈緒 スタイリスト/曲田有子 調理/長谷川あかり 取材・原文/広沢幸乃 構成/渡辺敦子 ※BAILA2023年4月号掲載