自分の「好き」を追求できる趣味も人生の喜びには大事なファクター。今回は、「好き」を仕事につなげたり、「趣味」と「仕事」を上手にかけあわせた女性のライフスタイルを紹介。ダンスと広報の二足の草鞋をはく「踊る広報」柴田菜々子さん。週3は正社員勤務、週4はダンス活動という斬新な働き方に注目です!
ビースタイル「踊る広報」
柴田菜々子さん
31歳。桜美林大学でダンスを学び、TABATHAメンバーとして活動。卒業後はビースタイル入社。2015年より週3勤務にし週4日はダンスに充てるほか、副業でフリー広報としても活動。
ダンスに夢中!
Q.ダンスに出会ったきっかけは?
A. 小2から新体操クラブに通い始め、中学卒業まで続けていました。一度はダンスから離れたものの高2のとき初めてコンテンポラリーダンスを見てから魅了され、静岡から東京までワークショップに参加したりしました。
Q.ダンスの魅力って?
A. とにかくダンスをしているときがいちばん嬉しい。人生でそれが最も幸せな瞬間。コンテンポラリーダンサーとして、自分の身体を使って、作者の意図をいかに表現するか、理解力、表現力、そして体の機能を磨く日々です。
Q.仕事とのバランスは?
A. 就職した当初は仕事で手いっぱいでダンスはお休みをしていましたが、このままダンスから離れるのは嫌だと思い、退職を希望したところ、正社員のまま週3勤務というオプションを提示され、今は週3広報、週4ダンサー。
好きなことをしている、という充実が仕事のパフォーマンスも高めてくれます
ダンスのため、正社員のまま週3勤務に雇用変更!
夢中をかなえるために、会社の人事制度を変えてしまった人がいる! 柴田さんは現在、正社員として週3で勤務しながら、週4日はダンサーとして活動しているのだ。大学でダンスを専攻していた柴田さんは、卒業後、人材サービス会社「ビースタイル」に入社。ダンスユニットの活動は続けるつもりだったが、最初の1年は仕事で精いっぱいで、ユニットは活動休眠状態に。
「仕事は面白かったけれど、ダンスを続けるならガンガン活動できるのは若いうちだけだから、今やらないでいつやるんだと思い、退職することにしたんです」。ところが社長から意外な反応が。「ダンサーになるにしてもどうせアルバイトするなら、キャリアを積んだほうがよくない? “OR”じゃなくて“AND”を実現する方法を考えよう」と週3勤務を提案してくれたのだ。入社2年目の自分のために新たな人事制度をつくってくれた会社に、“週3で週5の成果を出します!”と宣言し、二重生活がスタート。「好きなことをやっているという事実から、仕事に対するモチベーションもうんと高まりました。とはいえ体はひとつ。苦手なリリース作成はあきらめて(笑)トークで頑張ったり、他社と合同のプレスイベントを開催して集客力を高めたり、工夫しました。勤務時間が限られている分、優先順位のつけ方にシビアになったと思います」。同期に後れをとらないよう、経験値を高めるために副業でフリー広報の仕事もスタート。病気やケガをして共倒れしては元も子もない、と体の声に敏感になり、以前より健康管理も重視するようになったという。
また柴田さんの勤務するビースタイルはパートタイム型人材派遣に特化した会社。広報自らが自社のサービスに近い働き方を取り入れていることが、取引先や新卒のリクルーティングにもいい影響を及ぼしているという。
優先順位とアウトソーシングで4足のわらじを履きこなす
仕事がダンスにもいい影響を及ぼしている。「将来ダンスとどう関わっていくか、なかなかイメージができなかったのですが、仕事で得た企画や広報の経験を通して、ダンスの魅力を多くの人に伝えることが、ダンスへの恩返しかもしれないと気づいたんです」
現在は7カ月の息子さんもいて、本業は育休中。フリーの仕事はオンライン中心に再開していて、ダンスは12月にステージを控えているそう。「広報のコミュニティに入ってインプットを増やすなど、復帰に向けてパワーアップ中。家事は苦手なので、作りおきサービスなどを活用しつつ得意なことに注力しています(笑)」。本業・副業・ダンス・母と4足のわらじを軽やかに履きこなしている秘密はきっと、中心に「夢中!」なものがあるから!
夢中は…『会社の制度まで変え人生の喜びを数倍に!』
好きなことをできている分、仕事ももっと楽しくなる!
2018年から、全国の銭湯でパフォーマンスを行う「踊る銭湯P」を運営
今年出産し、現在ビースタイルは育休中、フリーの仕事はオンライン中心に再開
ビースタイルの名刺も「踊る広報」。人材サービス会社として、多様な働き方の提案になっている
撮影/山下みどり 取材・原文/吉野ユリ子 ※BAILA2022年1月号掲載