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マンガで学ぶ多様性。『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』

ジェンダー、オタクカルチャー。様々な多様性が認められる社会になりました。

みなさまこんにちは、スーパーバイラーズ清水まやです。

13歳くらいの頃からずっと『オタク』と言われる存在で、高校も専門学校もクリエイティブ端だったため、たぶん人よりも早い段階で様々な人の多様性に触れる機会が多い人生でした。

オタク、腐女子はもちろん、LGBTQも当たり前に多くいる環境だったため、それらをお話しされても「スタバの新作今日から変わったんだよね~」くらいの感覚です。

だって、それらによってその人の価値が急に変わるものでもないじゃないですか。

でも、世の中はそうは行かないらしく『ダイバーシティーを受け入れよう』という仰々しい意識や風潮がないと世論動かないことが私にとってはとっても疑問で。
でも、この漫画に出会って『知らないことを知る』ということにも勇気と理解が必要なのだと気づかされました。そうですよね、みんなマイノリティーが常に隣り合わせであったり、当事者ではないんです。だからこそマイノリティーなのですよね。
そういった時にどうしても『受け入れていこう』というプロセスが必要なんですよね。


当事者、近くにいる人間、これから学んでいこうという全ての人に勉強になる本作

『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!
主人公の堅物のおっさんがアップデートしていく様子は、自身の振り返りにもなります。

それではどうぞ。

目次

  1. 沖田誠(48歳)、新しい常識をアップデートして生まれ変わることが出来るのか!?
  2. 『理解しようとする』のではなく、『それが当たり前』になれば良い

沖田誠(48歳)、新しい常識をアップデートして生まれ変わることが出来るのか!?

カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義 表紙

『趣味・家族』のおっさんが常識をアップデートするため奮闘。


沖田誠48歳。世間の常識・偏見で凝り固まった彼には“最近の若者”が理解できない。
上司にお茶を注がない女性、メンズブラ愛用の部下、そして引きこもりの息子…。 そんなある日、ゲイの青年・大地に出会う。
初めてのセクシュアリティに思わず拒絶してしまうが、次第に彼の魅力に気付き、友達になることに。 そして知る、「その人の趣味や指向を他人が干渉するのはナンセンスだ」と。 そう正に、おっさんのパンツがなんだっていいように!“人として”の成長を誓うおっさんは、無事に“自分の中の常識”をアップデートできるのか!?



主人公の沖田誠の趣味は家族。

しかし、最近どうしてか上手くいかない。あまり直接話さなくなった妻、何を考えているかよくわからない娘、萌。特に頭を悩ませているのは引きこもりの息子、翔の存在。

愛するがゆえにコミュニケーションを取りたいのにすべてが裏目に出てしまいます。しかし自分ではどうしてか分からない。
そんな時、ひょんなことから出会ったのは息子が連れてきた友人のゲイの青年・大地。
自らの周りにいないセクシュアリティを目の当たりにした誠は思わず「ゲイがうつる」と吐き捨ててしまいます。

そう、誠は典型的な『ひと昔前の価値観で止まっている人間』なのでした。


そんな誠に対し、明るく接する大地。彼と接するうちに、自分がいかに無知で小さな世界で生きていたかを知った誠は、愛する家族のためにも『自らの価値観のアップデート』を誓ったのでした。


とにかく、知らないことを新しく知ることにも勇気がいるのだと気づかされる。しかし、その先には楽しさが待っているのだという希望をコミカルに描写している本作。

引きこもりの息子は、本当は可愛いものが好きな「ジェンダーレス男子」。
しかし、男らしさを良しとする父にはそのことを打ち明けることが出来ず、付き合い方に悩んでいました。
しかし、父のアップデートを通じて本当の自分を打ち明け、本当の自分のまま学校にも行けるようになります。

何より素晴らしいのは誠ことおっさんの「新しいことを受け入れる姿勢」。

真面目がゆえに堅物である彼ですが、真面目がゆえに自分の非を受け入れ改めることにも柔軟です。

根本が素直なため、大地との交流を経て日々自分をアップデートしていきます。

上手くいかなくなった愛する家族ともう一度楽しく笑いあいたいという願いが大前提にありますが、新しいものを『良い』と捉え、ポジティブに受け入れていく姿勢は学ぶものがあります。

本作にも描かれていますが、LGBTQの人数は10人に1人ほど。学生時代にクラスに1人はいたくらいの認識になります。
「身の回りにいない」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、言えないだけできっといたのでしょう、そう仰々しく珍しいものではないのです。

世論が『ダイバーシティー』に向かっていく中、きっとマイノリティーに出会うことが増えていくのかなと考えています。そういった時対応を間違えないためにも勉強になるので読んで頂きたいです。

『理解しようとする』のではなく、『それが当たり前』になれば良い

今月ハマっているおすすめの漫画でした。
長くマイノリティーと接してきた側の人間のため(自身も根っからのオタクですし)、こういった問題が、それこそ「スタバの新作」くらいの感覚でお話しできる世の中が来れば良いのにと考えています。
別に、大きな問題ではなく、「好きになった人の性別が多くの人とは少し違った」「好きになったコンテンツが多くの人とは違った」「身体や心の問題で、人よりも出来ることと出来ないことがある」たったそれだけで、人の価値は揺るがないものです。

そもそも「世間一般」や「多く」とは何なのでしょうか。
それらに明確な基準はなく、定められた法律ではないふわっとした、形のないものに対して怯える必要なんてないんです。
もし、あなたが「世間一般」と言う基準を持っているのだとしたら、その基準は、いつ、どのタイミングで、どうしてそう思ったのかを一度考えてほしいです。

そして、もしあなたが「世間一般」という見えない敵に怯えているのだとしたら、それらは形のないお化けのようなもので、形のあるものに比べてよほど怖いものではなく、怯える存在ではないとエールを送ります。

また来月おススメの漫画ご紹介させてください。
それではまたお会いしましょう~!

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