30代・40代の不妊治療のお悩みや疑問に医師が回答! 今回は精子の質を高めるためにオススメの生活習慣について聞きました。
Q:精子の質を高めるためにオススメの生活習慣とは?
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30代&40代女性の「リアルな妊活・不妊治療悩み&疑問」!
・「夫はジムに通っていて、筋トレにハマっています。『ジムでの着替えのときにトランクスだと恥ずかしい』といって、ボクサーショーツをはきます。また、職場の服装が自由&カジュアルOKなので、タイトなズボンを好んではきます。下着やボトムはふんわりしているほうが妊娠にはいいという説を聞きましたが、大丈夫でしょうか?」
・「もうすぐ結婚する40代の彼は、サウナ男子。定期的にサウナに行き、テントサウナも持っています。サウナで精子が弱らないか心配です」
・「テレワークでは、太ももの上にノートPCを乗せて仕事するスタイルの夫。夏は特にPCが熱を持ち、ウィーンと鳴ったりしています……。デスクにもなるクッションを渡しても、『邪魔だからいい!』と拒否。もうすぐ治療で精液を採取するのに、大丈夫かなぁ」
医師が回答!
1975年生まれ。山形大学医学部卒業、山形大学大学院修了。大学病院の不妊外来で生殖医療の基礎を学び、生殖医療専門クリニックにて長年不妊治療に従事。2017年よりリプロダクションクリニック東京にて女性不妊外来を担当、現在診療部長を務める。リプロ東京公式ブログでは、生殖医療の最新情報の発信も。
公式ブログはこちら。
https://ameblo.jp/reproductionclinic/
【ANSWER】精巣のまわりは温めないように。男性の下着は緩めのトランクスが最適
「精子は熱に弱く、精巣が外に出た形状になっているのは放熱のため。せっかく放熱をしているのに、わざわざ熱がこもるようなことをするのは控えるようにしましょう。
妊活中の男性は、なるべく精巣まわりを温めないように気をつけるという方も多いようですね。最近のノートパソコンは発熱が少なくなっていますが、膝の上にノートパソコンを直接置くのではなく、バッグを置いてからその上にパソコンを置く。それだけでも熱が精巣に伝わりにくくなると思います。
また、体に密着するボクサーショーツやスパッツなどは、精巣に熱がこもりやすくなるので控えたいもの。運動するときだけなど限定ならよいと思いますが、普段はゆるいトランクスが理想です。
最近流行のサウナですが、妊活中は控えておいたほうがいいでしょう。
高熱=精子がいなくなると気にされる方も多いのですが、風邪やインフルエンザでの高熱は、適切な解熱剤を服用して熱を下げれば問題ないことがほとんど。40度以上の熱が3〜4日続いた後、一時的に精子の状態が悪くなることもあるかと思いますが、恒久的に無精子状態になってしまう例は、不妊治療の現場ではまずほとんどありません。最終的には元の状態に戻ると思いますので、高熱が出ても慌てずに、解熱剤等を使うようにしましょう。
太りすぎも精巣まわりの放熱が悪くなるので、注意が必要。不妊治療の一環で肥満解消をされるのもよいと思います」
放熱には、下着だけでなく体型も大事!と心得て。
取材・文/櫻木えみ