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松村沙友理さんにとって“東京”とはどんな場所?【連載 松村沙友理の大人学】

さゆりかれんと 松村沙友里の大人学

大人の学び直し“リカレント教育”をもじって、松村沙友理さんの大人への一歩を記録する連載「松村沙友理の大人学」の最終回。29歳の誕生日から始まったBAILAでの時間。あれから2年が過ぎ、大人・松村沙友理が像を結びつつある今あらためて語る、東京という仕事の舞台について。さゆりかれんとはここでひと区切り。“大人として”幕開ける新章にご期待ください!

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今月のrecurrent【東京】

松村沙友理 東京

上京した19歳の頃東京が好きになれなかった

大阪で暮らしていた私にとって東京は遠い街でした。縁もゆかりもない東京をプライベートで訪れたのは一度だけ。小学生のときに家族旅行をしたのが最初で最後。はとバスツアーで観光名所を巡っていたあの頃は、まさか自分が東京に住む日がやってくるなんて想像もしていませんでした。

そんな私が上京したのは19歳の頃。乃木坂46のメンバーとして本格的に芸能活動を始めるためでした。初めて住んだのは、寮ではあるものの、マンションのワンルームのような部屋で。“自分だけのお城”を手に入れたのが嬉しくて「今日からここで新生活が始まるのか」と、何もない6畳ほどの小さな部屋をワクワクした気持ちで眺めたのを今でもよく覚えています。

でも、そのワクワクは最初だけ。私は東京の街をなかなか好きになることができませんでした。

電車に乗るたび、誰も話さない東京の静かな車内が冷たく思えて、にぎやかな会話が飛び交う大阪の電車が恋しくなったことも。大阪と東京では街の温度が違う。その違いを感じるたびに「ここは自分の居場所ではない」気がした‥…。言葉の違いも大きかったのかな。標準語が飛び交う東京で関西弁の私は自分だけ“違う国の人”のように思えた。メンバーと話しているときも私だけ仲間じゃないような感覚で。皆は優しく接してくれているのに、私自身が勝手にそう感じてしまって。いつまでも関西弁だと本当に仲間になれない気がして、それが怖くて……。振り返ると私ね、初期の頃ほど頑張って標準語を話しているんですよ。

東京の街を好きになれず、東京にいる自分も好きになれなかった、だからこそ「ここにいる理由」が欲しくて。あの頃は、レインボーブリッジをよく眺めた。夜景や海の反射、レインボーブリッジが彩るキラキラした景色を前に「私はこのきれいな景色を見るために東京にいるんだ」って心の中で何度もつぶやきながら。芸能界のお仕事をするためにやってきた東京は、私にとっては“戦いの場所”で。地元を離れ覚悟を決めてきたからこそ「しっかりしなきゃ」「頑張らなきゃ」って。ほだされるとやっていけない気がした。自分が凜としていないと、少しでも心を許すと、弱いところがあふれ出てしまいそうだった。それがすごく怖かった……。

私にとって“東京”は今も昔もずっと“戦いの場所”

上京してから約11年、昔に比べるとだいぶ強くなれたし、東京に仲間や友達もたくさんできた。今の私はレインボーブリッジを見なくても頑張れるようになりました。ただ、東京の街はやっぱりまだ好きにはなれない。どこにいても「自分の居場所じゃない」気がして、何度も引っ越しを繰り返してしまう。東京が“心落ち着く場所”にならない理由はきっと、今も昔も変わらず私にとって“戦いの場所”だからなんだと思う。でも、今ではそれが“私がここにいる理由”にもなっていて……。

東京は“この街にしかない”チャンスや出会いがあふれている。それを求めて全国各地から戦士たちが集まってくる。そんな戦場で戦い続けていたいから、私は東京にいるのだと思う。

戦うことに慣れた今だって、寂しくなったり、泣きたくなる日はあります。それでも、やっぱり「私はこの仕事が好き」。この気持ちがある限り、私は東京の街に住み続けるんだと思う。「ここじゃない」「ここでもない」と引っ越しを繰り返しながらね(笑)。

松村沙友理さんにとって“東京”とはどんな場所?【連載 松村沙友理の大人学】_3

【沙友理のcurrent】選んだ衣装は東京タワーみたいな赤いセットアップ

皆さんは覚えてくださっていますか? 連載第1回でも赤い服を着ていたこと。あの日から、表現力も美しさも成長しました!「“朝どれりんご”のようにフレッシュな気持ちは変わらないので今回も赤を着たくて。キラキラの目尻のメイクやジュエリーも涙みたいでお気に入り♡」

トップス¥35200・パンツ¥30800/ボウルズ(HYKE) シングルピアス¥27500・パールリング(3連)(右手人さし指)¥43450(ともにTOWAJE)・シルバーゴールド(右手中指)¥22000(スキャット)・シルバー(左手人さし指)¥15400(Kaméemon)・シルバー(左手中指)¥24200(カキ)・パール(左手中指)¥3740(シースキー)/ロードス

撮影/YUJI TAKEUCH〈I BALLPARK〉 ヘア&メイク/木部明美〈PEACE MONKEY〉 スタイリスト/石田 綾 取材・原文/石井美輪 ※BAILA2023年10月号掲載

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