ムーブメントが定着しつつあるナチュラルワイン「ナチュール」。とは言っても何を選び、どう味わうのが最適解か、イマイチわからない人も多いのでは? そんなあなたに、稀少な銘柄が良心価格で飲め、購入もできる“角打ち”スタイルのお店をご紹介します。

ナチュールとは?
日本では“極力自然に近い形で栽培したぶどうを用いてワインを醸造したい”という造り手の考えや手法を反映したワインをさすことが多い。個性的かつ“生きた飲み物”ゆえ、ワインのストーリーや飲み頃を的確に教えてくれるお店を選びたいもの。英語では「ナチュラルワイン」とも言う。
1.【Soif Tokyo(ソワフ トウキョウ)@神保町】“本の街”にできた通好みの角打ち

ハンドメイドの「ザルト」のグラスで至高の一杯を

ワイン、そして食へのたぎる思いがそこかしこに
ワイン愛好家がわざわざ通う山梨県北杜市にある「Soif」の2号店は角打ちスタイル。店主の窪田裕介さんは、自然とともに生きる生産者の哲学を伝えながらワインを楽しむ空間を設けた。毎年ヨーロッパの生産者を訪ね、直接話を聞いた造り手のワインを中心にセレクト。飲み頃まで寝かせた“今日”が飲み頃のグラスワイン¥1100〜はまるで生き物のようなみずみずしさ。北杜市の有機栽培農家の野菜や「AKITO COFFEE」ほか、食道楽の店主が太鼓判を押す食材もそろう。


DATA
東京都千代田区神田神保町1の42の15 1B
☎03(6803)3203
営業時間:13時〜21時
定休日:土日月+不定休
@soif.tokyo
2.【wineshop lulu(ワインショップ ルル)@学芸大学】造り手の個性や人間性も教えてもらえる

優しい、けれど骨太な銘柄がズラリ

世界各地のワイナリーを巡って探求し続ける
ワインのインポーターや酒屋の卸売業を経た江本真亜耶さんが「ナチュールを気軽に飲んだり、魅力を直に伝えたい」という思いからオープン。今も生産者に会いに行ったり、ときにはワイナリーで働くこともある彼女が選ぶのは、フランスを中心に真摯にワイン造りと向き合う造り手の銘柄ばかり。洒落た立ち飲みスペースでは、約10種のグラスワイン¥1000〜とともに「LAMMAS」から仕入れるチーズ1人前¥400〜やレストラン「kabi」のチーズケーキも味わえる。


DATA
東京都目黒区鷹番3の18の3 1F
営業時間:15時〜22時(日曜12時〜18時)
定休日:月曜
@wineshop_lulu
3.【Però(ペロウ)@下北沢】カルチャーが交錯する「reload」で一杯

肩ひじ張らずに成熟したワインに出会える

飲み心地がきれいなイタリアンナチュールの宝庫
レストラン「ブリッカ」の姉妹店。9割以上はイタリア産で、マネージャーの森田雅人さんいわく「収穫を“待つ”、完全醗酵を“待つ”、ボトリングのタイミングを“待つ”……イタリアらしいおおらかな気質を体現した、成熟していてポテンシャルが高いワインが多い」そう。基軸となるアロマティックでしなやかな飲み心地の「ヴィドピーヴェッツ」のオレンジワインに加え約10種のグラスワイン¥880〜がそろう。「岩中豚のパテ」¥1100、「玉井屋のあられ」¥440などのおつまみも。


DATA
東京都世田谷区北沢3の19の20 reload 1F
☎03(6407)8125
営業時間:15時〜22時、日祝13時〜19時
定休日:木+不定休
@pero_shimokita
4.【NUPURI(ヌプリ)@三軒茶屋】ショップには美しい飲み心地のワインが

センスのいいフレンチとのペアリングに舌鼓

レストランも備えた新スタイルの角打ち
レストラン、ワインショップ、ワインスタンドの3つが融合した新名店。ワインはヨーロッパ各国を中心に「THE WINE SHOP.TOKYO」がセレクト。中央にある購入目的のセラーには、状態が安定していて家でも美味しく飲める銘柄がそろう。一方レストランではユニークで飲み頃の見極めが難しい銘柄をグラスワイン¥1000〜でサーブ。繊細かつこだわりに満ちた自家製「レバーパテとパンデピス」¥1000や「ラムハンバーグ」¥3000との新鮮なマリアージュに感動。


DATA
東京都世田谷区三軒茶屋1の9の9
☎080(7937)4906
営業時間:18時〜24時(23時LO)、日曜のみ22時(20時30分LO)
定休日:不定休
@nupli_sancha
※ワインショップと角打ちは15時〜、サービス料10%、キャッシュレス
撮影/千鶴 取材・原文/広沢幸乃 構成/渡辺敦子 ※BAILA2024年7月号掲載