「人生100年時代」といわれると、まだまだ先は長い。不確定な未来のお金ってどうやってプランニングするべき!? そんな不安も、数字で見える化すれば少しは和らぐはず。30代の"今、知りたい"が詰まったライフ&マネーシュミレーションをお届け!

ファイナンシャルプランナー
高山一恵先生
Money&You取締役。お金の知識を伝えるための講演や執筆、ラジオやテレビ出演など幅広く活躍。41万部超えのヒット作『はじめての新NISA&iDeCo』(頼藤太希氏との共著・成美堂出版)のほか著書多数。
CONTENTS




30代のお金のもやもや聞いてみた!
結婚、出産、転職、住宅購入などライフイベントが何かと多い私たちの年代。とは言え、服も買いたいし旅行もしたい! 今、お金の不安とどう向き合ってる?
Q 将来のお金にまつわる不安はありますか?

YES 98%
「このままインフレが続いたら、実際にどれくらいのお金が必要に? 未来の不透明さに不安を感じます」(30歳・接客業)
「ライフステージごとに必要な貯金やローン、老後資金……。どれも試算したことがない。今の稼ぎで足りるかな? 貯金ペースが問題ないかなと混乱中」(36歳・メーカー営業)
「今のお給料だと思ったほど貯金ができていない。これから子どもができたり、引越しなどを考えると、お金は足りるのか?」(33歳・旅行代理店)
「年齢が上がるにつれて、美容医療など私生活で必要な出費も増えていき、思うように貯金が増えません……」(37歳・受付事務)
Q 将来のお金にまつわることで、いちばん不安なことは?
1位 ライフステージの変化(結婚・妊娠・出産・子育てなど) 37.1%
2位 貯金の不足 25.7%
3位 老後資金 20.1%
4位 住居に関する支出(住宅ローン・家賃など) 17.1%
Q 現在の貯金額は?
0〜100万円 17.8%
101万〜300万円 22.2%
301万〜500万円 17.8%
501万〜1000万円 17.8%
1001万〜1500万円 13.3%
1501万円〜 11.1%
Q 貯金以外で対策はしていますか?

YES 87.2%
NO 12.8%
●投資(NISA) 34.1%
●生命保険への加入 22.0%
●投資(iDeCo) 14.3%
●投資(NISA、iDeCo以外) 16.8%
Q 今後のライフプランについてどのくらい考えていますか?

10年先〜老後・60歳まで考えている 18.9%
ここ数年分は考えている 40.6%
考えていない 40.5%
Q 目標としている貯金額は?

1位 2000万円
2位 1000万円
3位 3000万円
インフレ時代を受けて貯金以外の対策をしてる人は8割以上。目標の貯金額が決まっている人も多い。その上で「60歳までは働くつもりでマネープランを立てている」(37歳・広報)というしっかり者もいたものの、「長くて数年先の見通ししか立ててない。今も将来もどれくらい貯めて、使っていいのかわからない」という声も多数。
(30代女性にアンケート、集計期間2026年6月30日〜7月7日、回答者47人)
今の生活費から見えてくる!? 老後までに必要なお金プラン



\書き込んでみよう!/
【使うお金(月額)】
生活費(家賃を除く)
¥[ ] × 7割 = ¥[ ]
住宅費(賃貸・60歳以降もローン残高がある場合)
¥[ ]
+αの娯楽費
¥[ ]
合計 A
¥[ ]
【もらえるお金】
年金/毎月 B
¥[ ]
退職金(企業型DCなど) C
¥[ ]
【老後に必要なお金】
(A − B)× 12カ月 × 25年 − C
= ¥[ ]
使うお金−もらえるお金で必要な額を可視化しよう
「退職年齢は65歳と仮定します。企業型DCに加入している人は、退職時の受給額を算出してみて。年金を65歳で受給したとすると、平均受給額は月に10万円ほど。老後の生活費の平均は約15万円というデータもありますが都内ならもっとかかるはずなので、現在の生活費から考えるのがベストです」(高山先生、以下同)
老後にかかるお金は?
「生活費は現在の約7がけぐらいと思っておくと◎。日本人の平均健康年齢寿命は75歳。この年齢前後になると全体的な生活がミニマムになる傾向に。ただし65歳以降のローン残高や旅行などの趣味代といった+αは削らず、組み込んでおいたほうがいいです」
老後にもらえるお金は?
「退職金、と言いたいところですが、BAILA世代は『もらえたらラッキー』ぐらいに思っておいたほうがいいでしょう。具体的な額は、会社の人事部に確認すればわかるはず。確実にもらえるのは年金で、額は日本年金機構の『ねんきんネット』で試算できますが、将来減額の可能性も。30代のうちから月数万円でもつみたて投資をしておけば、まとまった額が手に入る可能性は高いはず」

Q ある程度老後も自由にお金を使いたいけど+で貯めるべき?
「もちろん貯めておくのがベストですが、これからの時代は“退職後もゆるく働く”選択肢も視野に入れて。健康でさえいれば70歳ぐらいまで労働は可能。必要な老後資金はキープしつつ、バイト等でおこづかい稼ぎをするという手も」
Q 都内に住み続けたいけど、家を買うべき?
「買える人は買ったほうがいいかもしれませんね。理想は定年の65歳までにローン完済で、現役なら繰り上げ返済も可能です。持ち家があれば住み続ける、人に貸す、売却するなど選択肢が広がりますし、精神的な安定感も生まれます」
Q 今からフリーランスになると、もらえるお金はどう変わる?
「まず“年金は減る!”と思ってください。フリーランスの人の国民年金の平均受給額は約5万円ほど! 70歳まで受給を繰り下げ、もらえる額を増やす、別に資産運用&形成をしておく、健康な限り働ける環境を維持するなど自己防衛を」

CASE_1 病気やケガなどで働けなくなったら?
働き盛りの30代と言えども、急な病気やケガをしないとは限らない! もし一時的な休職を余儀なくされた場合、どんな補助を受けられる? 用意しておいたほうがいいお金は?
今から備えておくべきことは?
手元に生活費×6カ月分の預金を残そう!
「日本は公的医療保険制度が充実していますが、傷病手当金の中からも社会保険料は引かれるので、全額を受け取れるわけではありません。またフリーランスの人は国民健康保険なので、傷病手当金はなし。若くても急に盲腸になって短期入院した!なんて例もあります。何が起きても対処できるよう、生活費×6カ月分の現金は貯めて。投資している人も、この金額を目安にキャッシュは残しておいて」
医療保険に加入しておけばいざというときも安心
「民間の保険に入っておけば、さらに自己負担を減らすことができます。30代はシンプルなもので大丈夫。自分の収入に合わせた、医療と就業不能中心の掛け捨て型保険でいいでしょう。お守り的な気持ちで払っておけば、とっさの病気やケガをフォローしてくれる可能性が大きいです。これはレアな例ですが『保険会社からの支払いが、療養・治療費よりも少しだけプラスになった』ということも」
健康への投資や、各種の定期検診を受ける
「まず最初にやってほしいのは、検診や健康への投資かもしれません! スポーツジムに行くなど運動習慣をつける、会社の検診だけに甘んじず、自分でも健康診断や定期健診を受ける……。30代からこうした習慣をつくっておくことが、のちの健康寿命を伸ばすことにも。特に女性は二人に一人が90代まで生きると言われている時代。健康への意識を高めることが、いちばんの医療費の節約になります」
かかるお金ともらえるお金は?
「現在、一般的に病気やケガ等で一時的に働けなくなった場合は、高額療養費制度や傷病手当金などの制度を利用することが可能。年齢や収入等により受け取れる額は変わってきますが、自己負担額は平均で約9万円と言われています。ただしこの金額は最低ライン。入院時に部屋を変えたい場合の差額ベッド代、食事代などは自分でその都度支払うことになるので、実際にはもう少しかかると考えて」
活用したい制度
高額療養費制度
その人の家計の中で医療費が負担にならないようにする制度。70歳未満で年収約370万〜約770万円の人が100万円の治療を受けると、自己負担は約8.7万円。長期療養はさらに軽減される。
傷病手当金
病気やケガで3日連続で休業し、給料が支給されない場合、4日目以降に健康保険から支給される給付金。最長1年半受給可能。会社が加入している保険により規定が異なるので確認を。
CASE_2 親の介護が必要になったら?
まだまだ元気だと思っていても、突然訪れるのが親の介護。公的支援を活用したとしてもいくらぐらいかかるの? 備えておくべきことや親とのコミュニケーションもチェック。
自己負担額はどれぐらいになる?
在宅介護で¥53000 施設介護で¥138000
「介護のレベルや年数にもよりますが、約8割の方が親自身の年金や貯金から捻出できるとみられています。ただ、貯金がない場合などは厚生労働省のHPに『介護サービス概算料金の試算』というツールがあるので、費用を確認をしておくといいですね。在宅介護と施設に入るのとでは金額にかなり差があるので、要検討です」
お金以外のサポートが必要な場合はどんな制度を活用すべき?
「地域包括支援センターを利用してみてください。介護にまつわることなら何でも相談に乗ってくれます。『どんな介護の方法がありますか?』『仕事と介護を両立させるには?』など、気になることがあれば聞いておきましょう。実際に自分が介護をする場合、介護休暇の制度がある会社も多く、合計93日間まで取得できます」
親とのコミュニケーションのコツは?
「『自宅で介護してほしい』『施設に入りたい』など、親側にも何らかの老後の希望はあるはずですが、聞き出すのって難しいですよね『○○ちゃんの親が〜』と他人事として切り出すのもいいですし、おすすめは終活系の感動映画作品を観ること。感動もののあとでは、親のほうから本音を話してくれる場合が多いようです」
CASE_3 離別・死別で一人になったら?
結婚をしている、あるいは今後結婚をする場合には、離別・死別などの予期せぬ事態があることも。いざというときにもらえるお金、住宅ローンなどで気をつけておくべきことは?
もらえるお金はあるの?
「離別の場合は共有名義の財産、婚姻中に築いた財産は折半。これに年金分割が加わります。年金分割は収入が高い人から低い人に行われます。死別の場合、妻は必ず法定相続人になるので、夫の遺産を受け取ることに。子がいる場合は、自身が1/2、残りは子の数だけ1/2ずつ分割するのが基本と考えてください」
家やローンのことなど、気をつけるべきことは?
流行りのペアローンは離別時にリスクが!
「まずは離別リスクから。近年、問題になっているのがペアローン。これは夫婦が別々に住宅ローンを組みますが、離別後にマンションを売却して損失が出たら、残りのローンはお互いが払い続けなくてはなりません。金利上昇方向の今、ペアローンの借入額は極力抑える、売却益が出る都心の物件を選ぶなど事前対策を」
死別時の「ペア団信」。実は税金がかかる!
「ペアローンを組んでいる人で、死別の場合に問題になるのが“団信”。団信とは住宅ローン契約者の生命保険で、ペア団信の場合夫婦の一方が亡くなっても、双方のローン残高が0円になるのが魅力的ですが、生きている側の残高は一時所得となり、税金がかかるのが落とし穴。数千万円の課税対象になり、大きな支出になることも」

イラスト/サレンダー橋本 取材・原文/石井絵里 ※BAILA2026年10月号掲載

BAILA編集部
30代の働く女性のためのメディア「BAILA」。ファッションを中心にメイク、ライフスタイルなど素敵な情報をWEBサイトで日々発信。プリント版は毎月28日頃発売。

























































