韓国ドラマ大好き! なライターが、ぜひおすすめしたい作品を紹介する連載コラム.
35歳のエリート証券監督官ホン・グムボ(パク・シネ)が、1997年のハンミン証券の不正資金を暴くため、20歳(!)の新入社員“ホン・ジャンミ”として潜入捜査を開始するドタバタレトロ・オフィスコメディ『Missホンは潜入捜査中』を紹介します。
CONTENTS
1.『Missホンは潜入捜査中』作品概要
『Missホンは潜入捜査中』
全16話
出演: パク・シネ、コ・ギョンピョ、ハ・ユンギョン、チョ・ハンギョル、キム・ウォネほか
Netflixシリーズ「Missホンは潜入調査中」独占配信中
【あらすじ】
巨大な証券不正を暴くため、固い決意を胸に企業への潜入捜査に挑んだ情熱的な金融監督官ホン・グムボ(パク・シネ)。だが、調査先の会社で新しくCEOに就任した人物が、彼女の元恋人だと判明し、任務は予測不能な混迷へと突入するのだが――。
2.パク・シネ×コ・ギョンピョ×ハ・ユンギョンが“世紀末ドラマ”で競演
今回紹介するのは、1990年代の“世紀末”を舞台に、30代のエリート証券監督官ホン・グムボ(パク・シネ)が、不審な動きがみられる証券会社に新入社員として偽装就職する、ドタバタレトロ・オフィスコメディ。
主演は、あの伝説の名作『美男<イケメン>ですね』や『ドクタースランプ』、『悪魔なカノジョは裁判官』でおなじみのパク・シネ、『恋のスケッチ~応答せよ1988~』や『正直にお伝えします!?』のコ・ギョンピョ、そして『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』や“賢い医師生活”シリーズでおなじみのハ・ユンギョン!
主演のラインナップを観るだけでも惹かれると思うんですが、どっこい初回放送時は低調な滑り出しだったんですよね……。ところが、回を重ねるごとにストーリーのおもしろさが認められ、最高視聴率13.6%を記録、見事ヒット作に。
右肩上がりの人気を見せつけた、本作の見どころを紹介します。
ここからネタバレがあります。
3.35歳エリートが20歳の平社員として潜入捜査!?
まずは、くわしいあらすじを説明しますね。
証券監督院初の女性監督官であるホン・グムボは、不正を許さぬ厳しい姿勢から“汝矣島の魔女”と呼ばれていました。自分の仕事にプライドを持って働くグムボ。しかし、35歳という年齢のせいで両親からは結婚を急かされ、辟易する日々。
ある日、カン・ビルボム会長(イ・ドックァ)が率いる、トップ企業のハンイル証券が長期的な相場操作を行っているとの疑いをもったグムボは、とある人物からハンイル証券の裏帳簿を入手する機会を得る。しかし、直前でその人物が事故死してしまいます。
そこでグムボは、“20歳の高卒新入社員、ホン・ジャンミ”として、ハンイル証券に潜入することに。はじめは社長専任秘書であるコ・ボクヒ(ハ・ユンギョン)に取り入ろうとするも失敗……。そんなとき、新社長のシン・ジョンウ(コ・ギョンピョ)の着任を知ったグムボは息を飲みます。ジョンウは大学の先輩であり、ともに公認会計士を夢見て支え合った元カレだったのです! はたしてグムボは正体を隠したまま、ハンイル証券の不正を暴くことができるのか!?

劇中の舞台が1997年ということで、フロッピーディスクやオーバーヘッドプロジェクター、アンテナ付の携帯電話といったレトロな品々の登場が、逆に新鮮。また、サスペンス要素やIMF危機といった重いテーマもあるんですが、ベースがコミカルなので、とっても見やすい流れになっています。
何がおもしろいって、35歳のクールな監察官グムボが「老け顔だ」とまわりに疑われながらも、20歳らしくあるため、涙ぐましい努力を重ねる姿をコミカルに描いているところ。声のトーンを高くしたり(ドレミファソラシドの“ソ”の音階が適当とのこと)、ピンク色のグッズを多用したり、ファンシーなヘアピンを付けたり(☆や♡などのキラキラ系)、へそ出しTシャツを着て親に怒られたり……体を張っています(笑)。
そして、35歳のエリートであっても「女のくせに」とあてこすられ、20歳の平社員になったら、お茶くみやらコピーという雑用ばかりを頼まれ、陰険な上司に目をつけられて、イライラを募らせていくグムボに共感。そして波風立てぬよう怒りを抑えていたのに、中堅社員以上に仕事がデキすぎて、逆に目立ってしまうグムボ、最高です!
また、潜入捜査モノといえば、男性メインのノワール作品が多く、女性主人公のものは珍しいなと思ったのですが、脚本家のコメントを読んで納得。「本作は(1997年を舞台にしたレトロなオフィスコメディだけど)過去を懐かしむ物語ではなく、前へ進んでいく物語を描きたかった」と。
1990年代は、職場での女性蔑視が今よりも激しい時代。その中で、不正や権力が蔓延する社会において弱者が泣かされる理不尽さに抗い、相手が誰であってもひるまずに立ち向かう、グムボに惚れ惚れ。彼女のブレない強い姿は勇気をくれますし、今を生きる女性たちへのエールにも思えました。
4.1990年代における女性たちの連帯がアツい
また、301号室のルームメイトたちが紡ぐ物語も、またよくて。
グムボは新入社員として独身寮へ入寮。4人部屋の末っ子ルームメイトとして生活することになるのですが、ほかの3人もなかなかのワケアリばかり。
301号室の古株であり、秘書課勤務のボクヒは、したたかで気が強い。しかし、不遇な家庭環境で育っていて、暴力的な兄に怯えながら暮らしていて……。カン・ウンジュ(チェ・ジス)は、会長の一人娘。娘を後継者争いに食い込ませたい母親の思惑で強制的に素性を隠して入社させられています。そして、キム・ミスク(カン・チェヨン)は、妊娠を知った彼氏に捨てられた未婚のシングルマザー。
事情を抱え、正体を隠していた4人が、だんだんと手を取り合い、お互いのために連携して強い絆を築いていく姿に涙……。たとえば、4人で夜遊びに行くシーンで「落ちこんだ時、こっそり泣く秘密の場所」についてのガールズトーク。それぞれの答えはこうでした。
「会社から遠いハンバーガーショップ」
「金庫」
「最終のバス」
「図書館の地下2階の女子トイレ」
家族にすら見せられない、決して表には出せない気持ちを隠しておく場所を、ぽつりぽつりと打ち明けていく4人。その姿は切ないけれど、どこかすがすがしく、あたたかいのです。かといって、お互いベタベタしたり、慣れ合うというわけじゃない。でも、確かに繋がり合っている彼女たちの姿に共感する人って多いのでは?
彼女たちの連帯と成長によって、冷徹なエリートにしか見えなかったグムボが、だんだんと人間味を帯びていく様子は、本作の大きな見どころです。
本作は単なる潜入捜査やオフィスコメディに留まらず、現代にも通じる“女性のエンパワーメント”を力強く描いています。それが不寛容な時代を生きる人々の心に刺さったのかも。ちなみに「さすがに20歳設定は無理なんじゃ……」という世論の意見を逆手に取って、学生スタイルを着こなし、縦横無尽に走り回る、実年齢36歳(2026年5月現在)のパク・シネの堂々とした演技は必見です!
5.作品に笑いを与える名バイプレイヤーに注目
毎回登場しては笑わせてくれるのが、本作の癒しキャラ、キム・ウォネです。『恋の通訳、できますか?』では、ホジン(キム・ソンホ)の知り合いの小説家、『アイドルアイ』ではセナ(少女時代のスヨン)の勤務先である弁護士事務所の代表、『CASHERO』では人間を越えた(?)超能力者を演じるなど、マルチすぎる名バイプレイヤーとして大活躍の彼です!
どの作品も印象に残る役を演じているので、「一体、この方はいつ休んでいるんだろう?」「アドリブなのか、本気なのか」と心配になるくらいドラマ出演頻度&爆笑度が高いんですけど、それは今回も。
本作では、グムボの上司ユン・ジェボム役を担当。典型的な“口うるさい上司”でして、「おい、この野郎!」という平凡なセリフを様々なイントネーションで使い分けるという唯一無二の“罵倒芸”を披露しています。彼とグムボのやりとりは、ほぼショートコントなので、どうぞお楽しみください。
6.ドラマを盛り上げるOSTもチェック!
いい作品には、よい音楽がつきもの。最後に本作を盛り上げるOST3曲紹介します。3曲ともすべて、本作の映像とともに聴くことができるので、「作品を観ようかどうか迷ってる」「次に観る作品がまだ決まってないんだよね」と言う方は、こちらで確認ください♡
・ソン・ハヨン(SONG HA YOUNG)(fromis_9) :「The Shape of Memories」
この曲を歌っているのは、fromis_9のメインボーカル&メインダンサーで活躍中のソン・ハヨン。清涼感のあるボーカルと安定した高音域、そして豊かな表現力を持つアーティストとして高い評価を受けています。繊細なメロディと壮大なアレンジからストーリーを盛り上げるケミストリーは、ドラマの世界観をグッと引き立てています♪
・ジェイコブ(JACOB) (THE BOYZ) :「Endlessly」
甘く透き通るような歌声が際立ったこの曲を歌っているのは、ボーイズグループTHE BOYZで、リードボーカルを務めているジェイコブ。こちらの映像では、高校生に扮したパク・シネと、のちに上司となるアルバート(チョ・ハンギョル)の出会いのシーンを観ることができます。人が恋に落ちる瞬間の表情って、なぜあんなに無防備で、守ってあげたくなるんでしょうね♡
・Sondia:「Dance Tonight」
こちらを担当したのは、『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』の「Grown Ups」や、『梨泰院クラス』の「私たちの夜」を代表作に持つ、歌手Sondia。ドラマの舞台90年代をほうふつとさせる、シンセベース、リズミカルなドラム、そしてクラシックなディスコ要素が絶妙に融合されたダンスナンバー。Sondiaのソウルフルな歌声は、聴くだけで思わず体を動いちゃうような曲です♪
「女性たちの連帯」を思わせるようなOST映像も、またよき。




















































