『バチェラー・ジャパン』に出演し、4代目バチェラーを務めた実業家の黄皓(こうこう)さんの連載。
恋愛・結婚に仕事が関係しがちなBAILA世代。アンケートをもとにしたリアルなお悩み相談と、それに対する黄皓さんの回答をお届けします。
今回は、「結婚前の同棲がうまくいく方法」について一緒に考えていただきました。
【今回のお悩み】結婚前の同棲、なんだかうまくいきません!
「この人と本当に生活できるのかな?」「結婚前に彼のことをもっと深く知りたい」など、結婚前の最終確認のように同棲をする人も多いはず。ただ一緒に住むということは、今まで見えなかったお互いの悪い面もさらけ出すということ。
結婚につながる同棲をするためには何が必要か、黄皓さんと一緒に考えてみました。
同棲のお悩み CASE1
「同棲に向けて準備中です。住む場所や家賃など、数値や二人の中間が分かりやすい条件はなんとか決まりましたが、お互い部屋選びに関して細かいこだわりがあり、そこからがなかなか決められません」(35歳・公務員)
黄皓’s ANSWER1 同棲する部屋選びは、相手のために譲れる自分を発見するチャンス
これまで別々の環境で過ごしてきた二人が一緒に生活をするにはもちろん我慢が必要です。
同棲する部屋を選ぶという作業は、相手のために自分がどれだけ譲れる人間かを知る第一歩。ここで感情に任せて決定してしまうと、この先パートナー間で同様の摩擦が起きたときに、どちらか一方が「あのとき我慢したのは自分なのに」と、今回の事案を引きずってしまう可能性も。
だからこそ、冷静に客観的に話し合い、解決する必要があります! 極論、何を譲るかはじゃんけんやあみだくじなど、運に任せて決めてしまってもいいと思うんです。ただ、それだと自分にとって優先順位の高いものを譲らなくてはいけない状況になりうるので、「お互い譲れないこと」「条件が叶うなら譲れること」を仕事の資料のように書き出してみるのはいかがでしょうか?
たとえば、譲れない条件ランキングは、
1.セキュリティの高さ
2.築年数の浅さ
3.駅から近い物件
上記の条件が叶うのなら譲れる条件は、
1.家賃が上がってもいい(自分が多めに支払う)
2.多少狭くてもいい
3.会社へのアクセスがよくなくてもいい
上記のように、彼にも条件を書き出してもらい可視化させることで、感情論にならず「自分はここを譲るから、あなたもここは譲歩して」と話しやすくなります。
すでに家賃やだいたいの場所を決めていらっしゃるとは思うのですが、状況によっては決定済みの条件も譲れるという姿勢を示すとさらに選択肢が広がると思います。
もし、あなたが冷静に話し合いたいと提案しても彼が主導権を握りたがったり、自分は我慢をしたくないと意固地になったりするようであれば、無理に同棲をしなくてもいいと思います。
結婚をする前に、彼が一緒に考え話し合える人か、自分が大切な人のためにどれだけ柔軟になれるかを確かめてくださいね。
同棲のお悩み CASE2
「私は在宅で仕事をすることが多いフリーランス。彼は残業少なめの会社員。1LDKの部屋で同棲中です。多忙な時期に、リラックスしている彼と仕事に追われている自分を比較してしまってストレスが溜まるように……」(30歳・デザイナー)
黄皓’s ANSWER2 「これがイヤ」と伝えるだけではなく、いくつか改善案を提示し、彼に選択の幅をもたせてあげて
フリーランスだと、仕事量によって働く時間が不規則にもなりますから、相手が休日ゆっくりしているときや寝る準備などをしているときに自分だけ仕事をしないといけないとモヤモヤしますよね。
せっかく同棲をするのであれば、彼と一緒にいる時間はもちろんのこと、仕事や趣味など一人の時間も快適でありたい。それが金銭面などの状況で難しいのであれば、同棲という形でなく近くに住むなど対応を考えてもいいのかなと思います。
今回の状況のように、同棲する前は問題視していなかった違和感が、生活するうちに気になってくるということはよくある話です。仕事だと、コンスタントに会議や打ち合わせがあり、そのたびに“ズレ”を軌道修正するのですが、なぜか恋愛だとそのままにしてしまいがちですよね。
恋愛、結婚も人と人の関わり合いなので、モヤモヤをそのままにしないで仕事のように定期的に話し合ってみましょう。今回は、あなたの中で違和感が大きくなっている状況かと思いますが、同棲する前に「○カ月ごとに我慢していることがないか話し合わない?」と決めておくと、相手の違和感を放置することもなくなります。
話し合いの際にも注意事項が! それは、違和感だけを伝えるのではなくその改善案もしっかり相手に提示してあげること。そして改善案は、0か100の極端な2択にならないようにすることです。
現在1LDKにお住まいということなので、一番の理想は2LDKに引っ越すことですよね。ただ、2LDKでお互いの条件を擦り合わせるとなると、ToDoがかなり増えると思います。
いちばん寂しい形は、同棲を解消するということ。できれば避けたい選択肢です。
しかし「今の家の近くに事務所となる安価の物件を借りること」という選択肢も提示すると、あなたの「できれば一緒にいたい」という気持ちが相手により伝わるはずです。
どうしても一緒に仕事をしたい相手と交渉するつもりで! こういったシーンでも、恋愛脳ではなく仕事脳を引き出し、解決していってください。
同棲のお悩み CASE3
「同棲がうまくいかず一人暮らしに戻りました。同棲を解消してからは彼との関係も以前のように良好。好きだけど一緒に生活ができない彼とは、このまま別れた方がいい?」(31歳・販売員)
黄皓’s ANSWER3 完璧に相性がいい相手に出会えるなんて奇跡。どんな形なら一緒にいられるか折衷案を考えよう
このお悩みは、人類の進化ですね! というのも、これだけ多様性がうたわれ個人が自分に合ったライフスタイルを見つけている中、結婚の形だけを一つに絞ることに無理があると思うんです。
そもそも、一緒に生活ができなくともお互い相性がいいと思えるパートナーに出会えること自体が稀だと感じませんか? 同棲をしてもっと生活や幸福度がランクアップしたら最高ですが、それは奇跡に近いこと。
せっかくお互い居心地がよい相手に出会えたのであれば、「一緒に生活できないから」と別れてしまうのではなく、別居婚を選択するなど二人らしい関係を続けてほしいです。
もしかしたら、家族が増える将来を考えてこの選択を躊躇する夫婦がいるかもしれません。
一つの例ではありますが、僕の知人にもお子さんのいる別居婚夫婦がいます。お互い同じマンションの別のフロアに住み、子どもがごく小さいうちは忙しくない方が一緒に住む、子どもが自分の意見を持ち始めたら、どうしたいのかを聞いた上でベースの拠点を決定していたようです。
定期的に子どもの意見を聞くようにしたり、夫婦間で忙しさを共有したりし、仕事の状況によって子どもの気持ちを受け入れられないときはしっかりそのことを伝える。たとえ相手が幼い子どもであっても、親だけで結論を出さず子どもも家族チームの一員だからとみんなで話し合っています。
一緒に住むことでパートナーの嫌な部分ばかり見てしまい、関係が悪くなってしまうのであれば、お互いが冷静になれる生活スタイルの中で幸せになれる形を見つけていく方がいいのではないでしょうか?
それを成功させるためには、家族が増えた場合など、あらゆる可能性が到来した場合のルール決めも話し合わなくてはいけませんし、柔軟にルールを変えていく包容力の高さも必要。生活で気をつかわなくていい分、他の分野で相手を気づかう覚悟はしっかり持ってくださいね!
最後に、同棲を始めたものの結婚に踏み切れず、何年も一緒に住んだのに結局別れを選ぶカップルもいるかと思います。「CASE1」「CASE2」では仕事のように話し合うこと、ルールを決めることを提案しましたが、ビジネスシーンでは必ず「契約書」がありますよね?
契約書を作れとはいいませんが……お互い結婚したいと思っているならば「結婚をするために同棲するんだよね?」という念押しや、「同棲するなら○年後(○カ月後)に結婚しましょう!」という認識の一致は必要。約束をしたのにもかかわらず、彼が結婚に踏み切らずモヤモヤするのであれば、約束を守ってくれる人を新たに探すのも手です。
なんとなく流れで同棲するのではなく、共通の目的、意思を持ち同棲をスタートすると、結婚につながりやすい気がします。
撮影/田形千紘 ヘア&メイク/NADIA 取材・文/宮田彩加
1986年9月23日生まれ。「ミラーフィット株式会社」代表。
10代で中国から来日。早稲田大学を卒業後、大手商社での勤務を経て、独立・起業。オンラインフィットネスサービスを提供する会社や、サブスク型パーソナルジム・エステを運営する会社、上海を拠点に主にアパレル関係の貿易と物流の会社の3社の代表を務める。プライベートでは、『バチェラー・ジャパンシーズン4』に出演し、モデル・俳優として活躍する秋倉諒子さんと2023年3月に結婚。