スマートフォンひとつでなんでも事足りる時代に、「時間を知る」という機能ひとつしかない腕時計を身につける。実はとても贅沢なことだ。そしてその行為は、身につけている人をひとつ上のステージに昇らせるように、魅力を高めてくれる。ユニセックスで機能的な美を持ったデザインも魅力的だけれど、格調の高さを感じさせるフェミニンな腕時計は、ドレスアップした時にひときわ華麗な存在感を発揮するもの。シンプルなコーディネートに合わせた時も、ジュエリーと同じように女性らしさを引き出してくれる。カジュアル好きが、より大人にふさわしいエレガンスをそのスタイルに取り入れるのにもぴったりな存在だ。
小ぶりのフェイスがレディライクなシャネルのアイコンウォッチ「プルミエール」に新作が。ヴェルヴェットタッチのラバーストラップで、よりつけ心地よく、かつエレガントに。ダイヤルにダイヤモンドを敷き詰め、華やかな存在感を発揮。時計「プルミエール ヴェルヴェット」¥1,012,500/シャネル
仕事での成功、結婚や出産など……何かを成し遂げた時、清水買いするならそんなジュエリーライクな時計がおすすめだ。アートピースのような煌めきにあふれた名品は、身につけるだけで誇らしく思える、人生のトロフィーになってくれるはず。30代からこの先、あと半世紀以上を見据えて手に入れるなら、繊細な美を誇るレディウォッチにこそ、大きな価値がある。
【select point】
格調の高い美しさ。レディなリストウォッチの名品5
知っているとさらに愛着がわく、人気ブランドのヒストリー【ブシュロン】
1858年、フレデリック・ブシュロンにより創業し、パリのヴァンドーム広場に最初にブティックを構えることとなったハイジュエラー、ブシュロン。ウォッチ制作は1860年代にスタートし、宝飾の技術を取り入れたラグジュアリーなアイテムが人気を博した。アイコンウォッチの「リフレ」は1947年発表、モダンなレクタンギュラーのケース、ダブルゴドロンの彫刻を施したウォッチは、クラシックかつ端正な美しさを誇り、幾度かのマイナーチェンジを経て、世代や性別を超えて愛され続けている。
1950年頃の「リフレ」フランスを代表するシャンソン歌手、エディット・ピアフがこよなく愛し、生涯で21個ものこの時計を購入、最愛の人へも送っていたというエピソードも。
卓越した彫金技術を誇るブシュロン。「キャトル コレクション」は、メゾンを象徴する4つのモチーフを繊細にカットし、グラフィカルに配したタイムレスなコレクションだ。クラフツマンシップに溢れる物作りに、パリのエスプリが随所に光るジュエリーと時計は、いつでも身につける人の意志と洗練を際立たせてくれる。
同コレクションのランウェイでは、大胆なプリントドレスも登場。