30代・40代の不妊治療のお悩みや疑問に医師が回答! 今回はタイミング法のクリニック通いと自己流の違いについて聞きました。
Q:自己流のタイミングで妊娠できません。クリニックで診てもらったら、どんな違いがありますか?
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30代&40代女性の「リアルな妊活・不妊治療悩み&疑問」!
・「生理日予測アプリはもちろん、排卵検査薬を使っての検査もバッチリ。おりものチェックなども行っているし、間違いのないタイミングで性交渉をしているのに、なかなか妊娠できません。夫は通院して超音波検査を受けてはどうかというけど、排卵日の把握は完璧なので正直時間のムダかなと思ってしまいます」
・「ネットであらゆる不妊ブログを熟読、排卵や子作りについて勉強。タイミングにチャレンジしていますがなかなかうまくいかなくて。もともとセックスレスぎみなので、性交渉の回数は増やしたくない。病院で診てもらったほうがいいでしょうか?」
医師が回答!
1975年生まれ。山形大学医学部卒業、山形大学大学院修了。大学病院の不妊外来で生殖医療の基礎を学び、生殖医療専門クリニックにて長年不妊治療に従事。2017年よりリプロダクションクリニック東京にて女性不妊外来を担当、現在診療部長を務める。リプロ東京公式ブログでは、生殖医療の最新情報の発信も。
公式ブログはこちら。
https://ameblo.jp/reproductionclinic/
【ANSWER】同じタイミング法でも、クリニック治療では効果が上がる可能性が
「体温を測ったり、排卵検査薬などを使ってご自身でタイミングをはかって妊娠を目指すのと、不妊治療のクリニックで医師に診てもらいながら行うタイミング法。ご夫婦、カップルで性交渉を行う点では一緒ですが、自己流とクリニックではまったく異なります。
クリニックでは超音波検査や血液検査、子宮卵管造影などの検査をまず行いますので、子宮内膜症や多嚢胞性卵巣症候群、卵管のつまりなど、タイミングで妊娠しにくい原因が見つかる可能性もあります。
検査結果は良好だった人でも、内服や注射の排卵誘発剤などの薬を少量使えば、質の良い卵子が得られ、それだけで効果が上がることもあります。
また、本人としては体温や検査薬できちんと排卵日を把握してタイミングをとっていたつもりでも、理想的な日程とはずれた日程で性交渉をしていたというケースも少なからずあるように思います。やはり超音波検査で卵の成長を見ながらタイミングの日程を予測するほうが確実です。
日本人の夫婦の性交渉の回数は月平均3〜4回で、先進国でも最下位とも言われています。本来は性交渉の数は多いほどよいですが、普段から高頻度で性交渉を持っているカップルではない場合、タイミングをとる日程の正しい見極めがより重要になります」
自己流でうまくいかないと感じたら、クリニックでの検査の検討を。
取材・文/櫻木えみ