韓国ドラマ大好き! なライターが、ぜひおすすめしたい作品を紹介する連載コラム。
激動の1970年代韓国を舞台に、裏社会を操るエリート諜報員ペク・ギテ(ヒョンビン)と正義を追求する検事チャン・ゴニョン(チョン・ウソン)の攻防を描いたノンストップ・チェイス・エンタテイメント『メイド・イン・コリア』を紹介します。
CONTENTS
1.『メイド・イン・コリア』作品概要
『メイド・イン・コリア』
全6話
出演: ヒョンビン、チョン・ウソン、ウ・ドファン、チョ・ヨジョン、ソ・ウンス、ウォン・ジアンほか
ディズニープラスのスターにて全話独占配信中
(c) 2026 Disney and its related entities
【あらすじ】
舞台は1970 年代の韓国と日本。裏社会を牛耳る男ペク・ギテ(ヒョンビン)は富と権力に溺れ、闇の取引を巧みに操るエリート諜報員として暗躍していた。そんなギテの前に立ちはだかるのは、不正を嗅ぎつけると犯人を執念深く追いつめる、正義感に燃える検事チャン・ゴニョン(チョン・ウソン)。相反する二人の追跡劇の結末とはーー。
2.緊張感でヒリヒリする本格ノワールが時間を溶かす

ストーブを挟んで対面するゴニョン(チョン・ウソン)とギテ(ヒョンビン)
韓国の2大スター、ヒョンビンとチョン・ウソンが初共演した本作。みなさんはもうご覧になりましたか?
爆発的ヒット作『愛の不時着』で演じたリ・ジョンヒョクをはじめ、正義感あふれるキャラクターの印象が強いヒョンビンですが、今回そのイメージとはガラッと変わって、富と権力を渇望する闇の諜報員、ペク・ギテを演じています。ヒョンビン史上最もダーティーな役柄、そして、正義感あふれるクセつよ検事チャン・ゴニョン(チョン・ウソン、『ソウルの春』『愛していると言ってくれ』)との、体を張った攻防が、ヤケドしそうなほどに熱い!

ヒョンビンのカッコよさはパスポートなんかじゃ隠せない

チョン・ウソン、クラシカルなメガネが似合います
のめり込むようにイッキ見してしまったんですが、見終わった感想が、「え? 全6話しかなかったっけ?」と驚くほど時間が溶ける濃い作品でした。どのシーンをとっても、緊張感でヒリヒリするような本格ノワール。まるで読めない展開に、出演者ひとりひとりがとんでもない熱量を放っていて、画面越しの視聴者にまで熱さが伝わってくる画面構成。映画クオリティの素晴らしいドラマだったと思います。
ここから一部ネタバレがあります。
3.陰謀・欲望・寝返り・犠牲の中で生き残りをかける人々
いろんなことが、現代よりも遥かにゆるく、そして胡散くさかった1970年代の韓国が舞台。主人公ギテが所属するのは「韓国中央情報部(KCIA)」。かつては、韓国大統領直属の機関として絶大な権力を振るっていた情報機関で、表向きは国家安全保障や対北朝鮮の情報収集が目的でしたが、実際には政権維持のために国民の監視や政治工作を行う恐ろしい機関でした。本作では、権力と欲にまみれた人々が「国家のため」という美しい免罪符を振りかざしながら謀略を使って誰かを陥れる組織として描かれています。
それを踏まえて、あらすじをもう少し詳しく紹介しますね。
裏社会を操るエリート諜報員と、正義を追求する検事の攻防を描く本作の始まりは、1970年代の日本から。“ビジネスマン”を名乗る謎の男(ヒョンビン)が、飛行機で羽田から福岡へ向かいます。男の任務は、あるブツが入ったアタッシュケースを取引相手に届けること。ところが、乗り込んだ飛行機がテロリストにハイジャックされ、大混乱に巻き込まれてしまい……。
このビジネスマンは、麻薬の一大シンジケートを作って巨万の富を得ようとするKCIAの課長ギテでした。彼は「権力さえあれば何でもできる」と信じて、「力」を異常なまでに渇望する人間。日本のヤクザと組み、日本での麻薬の販路開拓をもくろみます。そこで、日本のヤクザの大親分イケダ(リリー・フランキー)の養子にあたる女性ユウジ(ウォン・ジアン)に交渉を持ちかけるのですが……。

美形(ウォン・ジアン)×美形(ヒョンビン)は魅力∞
国家というシステムを利用して富と権力をつかむためには、目の上のたんこぶ的な存在の検事相手に、ギリギリの駆け引きを重ねるギテ。彼と対峙するのが、肉体派・現場派の検事ゴニョンでした。青年時代のトラウマから麻薬犯罪を徹底的に憎んでいるゴニョンゆえに「KCIAには絶対に関わるな」という上からの命令をガン無視。悪の根絶をモットーに、とんでもない熱量で動き回ります。
この二人の対立を中心に、「国家のため」という美しい建前の水面下でうごめく陰謀・欲望・寝返り・犠牲をあぶり出し、誰がどう裏切るのか、本当の味方は誰なのか、二人はどう決着をつけるのか、何もかもが一切わからないまま、物語は突き進みます。まるで行先不明の暴走トラックに問答無用で閉じ込められ、何のアナウンスもないまま運ばれるかのようにスリリング!

メガネなし&カジュアル姿のチョン・ウソンは確かにイケメン
ようやく暴走トラックが止まった……とほっとした瞬間、さらなるどんでん返しが視聴者を、“困惑”と“期待”の“シーズン2”入口へと連れていくことでしょう。
なるべくネタバレなしであらすじを書いたため、「ここ真っ直ぐブワァ~って行ったら、デーンと公園が出てくる。そこを左に曲がって道をズズ~って行ったら、シュッとしたん見えてくるわ~」という、関西の方っぽい道案内のような説明になって申し訳ありません。 気になる結末は本編で確かめてください!
4.13キロ増! 俳優人生の中で最も“大きな”ヒョンビンに気圧される

13キロ増量しても、現実離れした美しさが!
本来、スラッとした細マッチョなヒョンビン。しかし、本作ではガッチガチムックムクの顔・からだに作り変え、そこに佇んでいるだけで周囲を威圧します。ただアップで映っているだけにもかかわらず、「次の瞬間、誰かをやってそう」な殺気をデフォルト装備したヒョンビンは、人の命などつゆほどにも気にかけない冷酷で自己中心な男を、13キロもバルクアップした体で表現。「触る者みな傷つける」どころか「完膚なきまでに叩きつぶす」という物騒極まりない氷のハンマーのような雰囲気を、無表情で纏うヒョンビンがホラー。
実際には、彼が誰かに手を下すのは稀なんですけども(大体は手下にやらせます)、「次は、いつやるんだろう」という潜在的恐怖は、静かに、しかし確かに視聴者の中で蓄積され、回を追うごとに脳内ヒョンビンのバケモノ濃度が増幅されます。「ヒョンビンなの? バケモノなの?」という究極の二択が目の前にぶら下がり続ける緊張感は、体験する価値アリ!
いや~体の大きなイケメンの無表情って、本当に怖いんですね。

怖いけど、美しい。
対するイケオジ代表チョン・ウソンといえば……笑い方が唐突すぎる! 彼が演じるゴニョンは悪にまみれたギテを捕まえるために執念で追う正義のキャラクター。両親を亡くした子供の将来を案じて胸を痛めるという、真っ当な人なのに、何かの拍子でスイッチが入った途端、笑い袋のようにけたたましい声で笑うので、ギテとは違う意味で怖いです。監督によると、これはトラウマを抱えたゴニョンが心理的に身を守るための演出なんだとか。だから貼り付けたような不自然な笑顔なのね、と納得すると同時に「次はいつ、笑い出すんだろう」と、地雷のようなゴニョンの笑顔におっかなびっくり……というのも見どころのひとつと言えるでしょう。
また、チョン・ウソンといえば、大ヒット映画『私の頭の中の消しゴム』で、現在はヒョンビンの妻となったソン・イェジン演じるヒロインに尽くし、愛し抜く男を演じたのですが、今作での独特すぎる笑いのせいで、同一人物が演じていることを1ミリも思い出せませんでした。カメレオン俳優という意味では、チョン・ウソンもすごいんだと思います。

このゴニョンの笑いは控えめ。怖いけど!
5、メインキャスト以外のキャストも完璧に仕上がってます
無表情な悪役ヒョンビン×不自然な笑顔がクセになるチョン・ウソンという、イケオジ二人が魅力の新機軸を打ち立てただけじゃありません。主人公たちを支えるキャスティングも抜かりなし。

ギテの弟ギヒョン(ウ・ドファン)。シーズン2では出番が増えらしい⁉
ギテの弟役は、『ブラッドハウンド2』で魅せる色気と肉体美で世間を惑わせているウ・ドファンだし、ギテの同僚には『イカゲーム』シーズン2&3で狂気を見せたノ・ジェウォンだし、『イカゲーム』シーズン2でのセミ姉さんを演じて知名度が爆上がりしたウォン・ジアンは、日本のヤクザの親分の養女として、これまで以上にブリリアントな輝きを光ってますし。ギテとユウジの交渉中の会話も、「それは告白ですか?」「あなたが気になるの」など、いろんな意味合いを持つ腹の探り合いにハラハラドキドキ。日本語での長セリフもあるので、不意打ちギャップにキュン♡ とさせられるはず。

ギテの同僚を演じたノ・ジェウォン。『イカゲーム』シーズン2&3ではクスリ中毒者を演じていたけど、本作ではシラフでぶっ飛びがち(笑)

クールビューティー、ウォン・ジアン!
ちなみに、個人的に印象に残ったキャストは、第1話でハイジャックされる飛行機のベテラン機長・本田邦彦役を古舘寛治が演じていたこと。「彼がヒョンビンと……?」と、古舘×ヒョンビンが共演する世界線に、一瞬のけぞりました。ほかにも、森山運輸大臣役に矢島健一、夏目運輸政務次官には信太昌之、そして伝説のヤクザの大親分に扮するリリー・フランキーまで! 日本のイケオジたちも大活躍していました。

ヤクザの親分っぷりが板についているリリー・フランキー
6、シーズン2を待ちきれない方におススメの2作品
今年後半にシーズン2として戻ってくることが発表されているとはいえ、配信はまだまだ先。
「もう少し、悪党ヒョンピンとクセ強めなウソンの世界に浸りたいのに」と、お嘆きの方におすすめしたいのが、韓国映画『グッドニュース』と『麻薬王』です。
『グッドニュース』は、本作にも取り上げられている1970年に起きた日航機「よど号」ハイジャック事件がベースにある作品。また、椎名桔平に山田孝之、近年、韓国でめちゃめちゃ人気の高い笠松将など、日本俳優も多数出演しているので、日韓俳優の夢の饗宴としても楽しめます。
そして『麻薬王』も本作同様、1970年代の麻薬事件をモチーフにした作品。韓国経済が成長していく中で、わきまえない小悪党のイ・ドゥサム(ソン・ガンホ)が、麻薬の新ルートを確立させる過程で巻き起こるあれこれを描いたもの。両作品とも本作と世界観が似ています。とくに『麻薬王』と本作の制作陣はかぶっておりまして(監督のウ・ミンホ、音楽担当はチョ・ヨンウクなど)、『麻薬王』に登場する麻薬のブランド名も“メイド・イン・コリア”ですし、スピンオフ的な作品として楽しめると思いますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
『メイド・イン・コリア』の視聴はこちら























































