話題の新NISAがいよいよスタート。このタイミングでお金について向き合おう! 今回のテーマは「財形貯蓄」。そこそこ貯まってきたらどうすべき? 財形貯蓄のメリットを確認しながら、それを上回る安全でお金が増える置き場所をリサーチ。
貯まってきた「財形貯蓄」はどうすべき?
ファイナンシャル プランナー
高山一恵さん
Money&You取締役。女性向けWebメディア「FP Cafe」「Mocha」やYouTube「Money&You TV」の運営、女性にお金の知識を伝えるための講演や執筆など幅広く活躍。近著に『1日1分読むだけで身につくお金大全100』(頼藤太希氏との共著・自由国民社)など著書多数。
編集T
つみたてNISAを始めて3カ月。早くも成長投資枠で、応援している企業の株を買ってみたい願望が。
入ったままになっていた財形貯蓄と向き合う
財形貯蓄は自動的に先取り貯蓄ができ、簡単に引き出せないのでお金が貯まりやすい
財形貯蓄は、毎月の給与やボーナスからお金を天引きし、積立で貯めることができる制度。「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3種類あります。毎月の給与から指定した額を先に取り分けてくれ、引き出す際には会社での手続きが必要になるなど手間がかかるので、お金が貯まりやすいのがメリット。
財形貯蓄は全部で3種類!
一般財形貯蓄
利用できる人:サラリーマン・公務員
資金の使い道:自由
積立期間:原則3年以上
利息の税制優遇:なし (課税される)
備考:積立限度額なし、複数契約することもできる
財形年金貯蓄
利用できる人:満55歳未満の サラリーマン・公務員
資金の使い道:年金:年金以外の払い出しは利息に課税される
積立期間:原則5年以上
利息の税制優遇:「財形年金貯蓄」と「財形住宅貯蓄」あわせて元利合計550万円まで非課税
備考:受取期間は満60歳以降、5年以上20年以内 (保険商品の場合 終身受け取りも可能)。積立終了から 年金受取開始まで、5年以上据置期間を設定可能
財形住宅貯蓄
利用できる人:満55歳未満のサラリーマン・公務員
資金の使い道:住宅建設・購入・ リフォーム:住まいの資金以外の 払い出しは利息に課税される
積立期間:原則5年以上
利息の税制優遇:「財形年金貯蓄」と「財形住宅貯蓄」 あわせて元利合計550万円まで非課税
備考:建設・購入する住宅の要件
◦床面積50㎡以上※
◦一定の耐震基準を満たす
◦勤労者自身が住む
リフォームの要件
◦工事費用の総額が75万円を超える など
※2023年12月末までに建築確認を受けた新築住宅の場合は40㎡以上
ある程度貯まったお金の置き場所を選ぶ
元本保証があるなかで最も金利の高い場所を選ぶのが賢い選択
日本は預金保険制度に基づいて、銀行の円預金の場合「元本1000万円とその利息まで」が保証されています。1000万円以下であれば、ネット銀行の定期預金など、金利の高い銀行にまとめておいてOK。また、最近は個人向け国債の金利が上昇中。元本割れがなく、金利の下限が0.05%、1万円から購入できるといったメリットから人気です。発行から1年経過すれば元本割れなく中途換金をすることもできるので、選択肢のひとつに入れてもいいかもしれません。
Q.総資産における理想の預金:投資のバランスは?
A.30代の場合、預金3:投資7を目安に
これからお金を増やしていくことを考えた30代の目安から、年代が上がるにつれて預金の割合を増やすといいですね。投資は値動きがあるので、急な病気など予期せぬ事態に備えて、まず6カ月分の生活費の預金を確保しましょう。そのあとにバランスを意識するといいと思います。
イラスト/サレンダー橋本 取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2024年2・3月合併号掲載