韓国ドラマ大好き! なライターが、ぜひおすすめしたい作品を紹介する連載コラム。
二人だけの世界を共有していた若者たちが、互いの信頼となり、人生の方向を照らす「光」そのものになっていく過程を描いた青春ロマンス『愛の光』を紹介します。
CONTENTS
1.『愛の光』作品概要
『愛の光』
全10話
出演: パク・ジニョン、キム・ミンジュ、シン・ジェハほか
Netflixシリーズ「愛の光」独占配信中
【あらすじ】
10代のころ恋に落ちたヨン・テソ(パク・ジニョン)とモ・ウナ(キム・ミンジュ)は、やがて別の道を歩み、大人になっていく。10年後、偶然再会した二人は、それぞれの心の痛みや成長、新たな試練に向き合うことになる。
2.恋愛濃度高めの人生ドラマ
今作は、二人だけの世界を共有していた青春時代の若者たちが、互いを信頼し、人生の進むべき道を照らす“光”そのものになっていく過程を描いた青春ロマンス作品。主演は、2025年のヒット作『未知のソウル』の“ロマンス職人”として名を馳せたパク・ジニョン。
彼が演じるのは、30歳の地下鉄運転士ヨン・テソ。
そしてヒロインは、キム・ミンジュ演じる、元ホテリアーで現在はソウルの古民家ステイのマネージャーのモ・ウナ。高校時代から続く二人の縁は、10年以上の時を経ても繋がっています。本作は、初恋のときめきから、大人になってからの再会までを丁寧に描き出す青春ロマンスです。
青春ロマンスといっても、本作はかなり滋味深いです。『その年、私たちは』(2021)、『二十五、二十一』(2022)、『ヒーローではないけれど』(2024)、『恋するムービー』(2025)のように、恋愛模様だけでなく、キャラクターそれぞれの生きてきた背景がきめ細かく描かれていて、恋愛の分量多めの人生ドラマに仕上がっています。
恋愛が人生を決めるのか。人生が恋愛のあり方を変えるのか。恋愛って、絶望にも、希望にもなりうる、博打のようなものですよね。だからこそ多くの人は、恋愛ごときに左右されない穏やかな人生を送ろうと願いつつも振り回されるのですが……本作のテソとウナも、まさにそんな感じ。二人がどんなふうに出会い、別れ、再会し、どんな気づきを得るのかをずっと見守っている、そんな作品です。
ここからネタバレがあります。
3.ありふれたすれ違いがリアルすぎて刺さる
さて、テセとウナの物語の説明をしていきましょう。
二人は高3の夏に出会い、恋に落ちて、別れ、10年後に再会。そして、再び動き始めるロマンスを描いていくのですが……彼らの青春がエモーい! 主人公たちの青春ストーリーが淡々と描かれていくだけなのに、彼らの背負っているものが重くて、切なくて。その一挙一動に、何度も胸をぎゅっと掴まれるんです……!
テソは、高3の夏、ある事情からソウルから祖父母が暮らす田舎町に、弟とともに移り住みます。祖父母の家はあまりに狭く、進学志望のテソは夏休みのあいだ、転校したての高校の図書館で受験勉強を開始。エアコンもない図書館で、たった二人の自主学習(エモい)。夏休み中、誰もいない中、受験勉強を始めた二人は、勉強したり、夢や悩みを語り合ったりしながら、淡い恋に落ちていきます。
美しく素朴な田舎町をバックに、二人が一緒に過ごす季節を淡々と、しかし鮮やかに映し出していきます。二人の日常を追ううちに彼らの事情が少しずつ見えてきます。テソは、交通事故で両親を亡くし、弟もその事故でケガし、兄弟を引き取った優しい祖父母は経済的に苦しいんだな、と。事情については特段の説明もなく物語は進むのですが、“視聴者が察する”ことで、青春のきらめきが哀しさによって彩られ、胸がギュッと掴まれるのです。
一方のウナですが、両親は離婚(6歳の時)。脱サラして田舎町に越してきた父親が自宅で始めたオーガニック料理の仕事を手伝いつつ、学校へ。これだけ聞くと「全然苦労人じゃ、ないじゃない」と思うのですが、彼女の父はうつ病を患っていて、過去には自殺未遂も。父を見守ることが最優先で生きてきたウナは、自分の将来を余裕もなく過ごしてきた、という経緯が。
そんな二人が出会い、会話し、自分が何をやりたいのか考え始めて、お互いを意識するようになり、当然のように恋人同士になっていく様子がエモーい!
しかし、ただ好きなだけでは、人生は進まないもの。大学進学で状況が一変。やらなければならないことだけを考えていた心優しいテソ。テソと出会いをキッカケに自分のやりたいことを考えるようになった情熱的なウナ。それぞれ、別の方向へと人生の舵を切り、二人の恋物語は終わりを迎えるのですが、二人のありふれたすれ違いが、リアルすぎて胸に刺さります……。
そして10年後、ソウルでの再会を通して二人の時間はまた動き出すのですが、はたして思いは共鳴するのか!? それは本編で確認してください。

これで実年齢31歳(2026年6月現在)なんですってよ!
4.愛の形はひとつじゃない
水彩画のような美しい映像美と繊細な感性描写に心を掴まれる本作を、より色鮮やかに彩っているのが“演技ドル”の二人。テソ役のパク・ジニョンはGOT7ですし、ウナを演じるキム・ミンジュは、IZ*ONE出身です。
2025年のヒット作『未知のソウル』で“ロマンス職人”の称号を手にしたパク・ジニョンが、高校生のフレッシュな制服姿から、都会で働く30代のほろ苦さまでを一人で体現。今回も優等生役ではあるんですけど、清潔感と爽やかさはそのままに、大企業を辞めて海辺を走る列車の運転手に転職するという、自分における「小さいけれど、確かな幸せ」を実行している感じが、もうたまらなく尊いんです。しかも、仕事を終えて、漢江の橋を渡りながら夕日を眺め、家に帰ったら趣味の木工で額縁を作ってるし(号泣)。尊いけれど、どこか物悲しく感じるのは、ウナとの別れが原因なのか、それが余計に尊くて。泣きの演技も素晴らしいです!
そして、ウナ役のIZ*ONE出身のキム・ミンジュは、本作がドラマ初主演。『禁婚令 ー朝鮮婚姻禁止令ー』での世子嬪キャラがハマっていただけに、現代劇の青春ロマンスはどうなるのかなと思っていたのですが、明るくて、前向きで、グイッとリードしながらも、どこか危うさもあって。初恋相手として十分すぎるほどの魅力を放っていました。そして、アラサーになってからの演技もよかったです。周囲が求める自分と、自分がこうありたいと思う自分とが嚙み合わないもとかしさと息苦しさで疲弊していく様子を、絶妙に表現していました。言いたいことが言えず、胸にたまった想いが大渋滞して堂々巡り……。大人になり切れていない感じが、とてもリアルで。
お二人の演技から、アイドルと俳優に垣根はないことを、再確認させていただきました。
そして。
本作では、状況を分かりやすくする直接的なセリフは少ないですが、その分、主人公たちの感情を、美しい風景に重ね合わせながら、とても丁寧に描いています。湖の水面の反射する自転車に乗った二人の姿、田んぼのあぜ道で自転車に乗ったテソと彼を追いかけるウナのロングショット、屋台でテソにタンムジ(たくさん)を食べさせてあげるウナと、自然な手つきでウナの口元を拭いてあげるテソ、図書館で勉強する二人の絶妙な間など、ひとつひとつのショットが、二人の距離感、愛情や切実な思いを雄弁に伝えてくれます。余白の美学とでもいうのでしょうか、あえて説明せず、視聴者に委ねているのが本作の特徴であり、一番の見どころかもしれません。
心に残った記憶と思い出は“それだけで輝く”こと。そして、“愛の形はひとつじゃない”ということ。
そんなメッセージを本作から受け取ることができて、心が洗われるようでした。
5.イヤフォン必携のOSTには珠玉の名曲がズラリ
映像美と、パク・ジニョン&キム・ミンジュのエモすぎる演技を後押しするのは、シーンを彩る音楽。今作の音楽監督は、『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(2016)『その年、私たちは』(2021)、『愛していると言ってくれ』(2023)、『涙の女王』(2024)などを手掛けたナム・へスン。
ドラマ視聴の際は、ぜひイヤフォンでどうぞ。琴線に触れるどころか、かき鳴らされて、きゅーんと胸がしめつけられます(涙)。ちなみに、TOMORROW X TOGETHERのSOOBINも参加。透明感あふれる歌声を披露していますよ。
それでは初恋を呼び起こさせるOSTを4曲紹介します。
・JEONG SEWOON「First Love」
・O.WHEN「Love Spark」
・SOOBIN(TOMORROW X TOGETHER) 「Rekindling Memories」
・KIM PUREUM「Shining」
本作からあふれる“初恋”の清涼感で、熱い夏を乗り切りましょう!





















































































