まだまだ寒いこの時季に、ぴったりなのが「温野菜」。栄養が豊富なうえ、温めることによる美容・健康効果も。いいことずくめの温野菜がたっぷりとれるレシピをご紹介！
1.「温野菜」には美容にいい効果がたくさんあるってホント!?
教えてくれたのは…
野菜ソムリエ上級プロ 西村有加さん
野菜ソムリエ上級プロ。ベジフルビューティーアドバイザー。講演やメニュー開発、野菜のブランディングなど幅広く活動。
Q なぜ“温”のほうがいいの？
A.内臓を冷やさず、量も多くとれるから
寒い季節は特に、野菜を生でとると体が冷えやすい。冷えは免疫力の低下や不調を招きます。野菜＝サラダやスムージーという考えからいったん離れて、ぜひ火を通して食べる習慣を。また、加熱するとカサが減るので量をたくさんとれ、結果的に栄養も多く摂取できます
Q ゆでる、蒸す、煮る、焼く…火が通ればどれも同じ温野菜？
A.広義でどれも温野菜と言えます
温野菜というと、温野菜サラダだけをイメージするかもしれませんが、ゆでても、蒸しても、煮ても、焼いても、加熱すれば広い意味で温野菜。飽きずに続けられるように、いろいろな調理法で温野菜を楽しみましょう
Q “野菜を先に食べる”ことにはどんな意味があるのですか？
A.血糖値の急上昇を防いでダイエットの味方になる
野菜から先に食べる“ベジファースト”がはやっていますが、これは食物繊維を最初にとると血糖値の急上昇が抑えられ太りにくくなるから。ダイエットにつながるのでおすすめ
Q 美肌効果は期待できますか？
A.食物繊維が豊富な根菜類がおすすめ
温野菜で食物繊維をたくさんとると、便秘の改善が期待できるので体の内側から肌の調子が整います。根菜類に特に多いのでおすすめ
Q いも類は太りますか？
A.糖質は含んでいるけれど栄養が多いので避けないで
いも類は糖質は多いとはいえ、体に必要なほかの栄養素も含まれています。間食するなら、おやつにおいもをおすすめします!
Q 風邪予防のためには？
A.バランスよく、継続して食べることがいちばん！
日ごろから免疫力を高めておくことが大切。野菜を選ぶときに赤・黄・緑さまざまな色を入れることと、葉・根・実など部位を入れることを意識すると自然と栄養価のバランスがとれます
Q 温野菜にダイエット効果はある？
A.「これを食べればやせる」というわけではないけれど、ダイエットにつながります
食べれば必ずやせるわけではありませんが、血糖値の急上昇が防げるうえ、自然とかむ回数が増えるので少量で満腹感を感じ、食べすぎが抑えられます
Q 温野菜と一緒に食べるとよいものは？
A.タンパク質、オイル、香味野菜、香辛料と合わせてとるのが◎
肉や魚、卵などのタンパク質、オリーブオイルなど良質の油を組み合わせて。塩分をとりすぎないよう香辛料やスパイスで風味づけをするのもおすすめ
Q 温野菜に不向きな野菜はありますか？
A.特にNGな野菜はありません
加熱すると外に逃げてしまうビタミンが豊富な野菜を熱するときは、スープやお鍋など、汁ごと食べられるお料理にするとよいです。“温”がNGな野菜はないと思って大丈夫。甘みやうまみが増すので、特に旬な野菜を温野菜にして食べましょう
Q 冷えに効く野菜と食べ方は？
A.しょうがを1かけ、毎日食べる
意識的に1カ月間毎日食べると、変化がわかるはず。スライスして肉にのせたり、ご飯に混ぜて炊いたり、どんなかたちでもよいのでぜひトライして
2．たっぷり食べて体も温まる「温野菜おなべ」レシピ3選
レシピを教えてくれたのは…
料理研究家 堤 人美さん
身近な食材にひと工夫を加え、センスよく仕上げるレシピが人気。テレビ、書籍、雑誌でのレシピ紹介や広告などまで幅広く活躍中。
【温野菜おなべレシピ①】温め野菜とキムチで、体が芯からポカポカに「豆もやしと納豆のチゲ」
●材料（2人分）
煮干し…10尾（頭とはらわたを除く）
ごま油…大さじ1
にんにく…1かけ（薄切り）
キムチ…100g（ざく切り）
豚バラ薄切り肉…150g
（A）水…4カップ
（A）しょうゆ…小さじ2
（A）みそ…大さじ1
にんじん…3cm（30gせん切り）
豆もやし…1/2袋（100g）
ひきわり納豆…2パック（90g）
にら…1束（100g5cm長さに切る）
●作り方
①鍋に煮干しを入れ、弱火でからいりし、香りが出てきたら、ごま油を熱し、にんにくとキムチをキムチの色が濃くなるまで2分ほど炒める。続いて豚肉を色が変わる程度炒め、（A）とにんじんともやしを加える。
②ひと煮立ちしたらアクを取り、納豆とにらを加えさっと煮て、器に盛る。
〆はこれ「ラーメン」
〆にインスタントラーメンをスープに加え、袋の表示どおりに煮込んで食べるのもおすすめ
【温野菜おなべレシピ②】シャキシャキ野菜が美味しい「チンゲン菜のグリーンカレー鍋 」
●材料（2人分）
手羽元…4本（切り込みを入れる）
塩・こしょう…各少々
オリーブ油…小さじ2
水…2カップ
（A）ココナッツミルク…2カップ
（A）グリーカレーペースト…大さじ1と1/2
チンゲン菜…2株（縦6等分のくし形切り）
紫玉ねぎ…1/2個（1㎝幅のくし形切り）
レモン（好みで）
●作り方
①手羽元に塩・こしょうをふり、鍋にオリーブ油を入れ中火で熱し、転がしながら2分ほど焼く。
②①に水を加え煮立て、アクが出たら取る。5分ほど煮て、（A）を加えよく溶かす。
③チンゲン菜と紫玉ねぎを加えさらに3分ほど煮込む。お好みでレモンを搾る。
【温野菜おなべレシピ③】ゆず香るやさしい味わい「白菜の柚子塩オリーブ油鍋」
●材料（2人分）
鶏もも肉…小2枚（400g一口大に切る）
塩…小さじ1/2
（A）水…4カップ
（A）酒…1/4カップ
白菜…300g（葉はざく切りにし芯の部分はそぎ切り）
ゆず…1個（皮を薄くそぐ）
オリーブ油…大さじ2
●作り方（2人分）
①鶏もも肉は塩で下味をつける。鍋に（A）を加え鶏肉とともに水からゆっくり煮る。煮立ってきたら弱めの中火にし、アクを取り、10分ほど煮込む。
②白菜の芯と葉を加え、ゆずの皮、オリーブ油を加えて火を止める。
3．1肉1野菜でつくる「温野菜サラダ」レシピ4選
【温野菜サラダレシピ①】深い味わいに感動「スナップえんどうとベーコンのオリーブ油蒸し」
●材料（2人分）
スナップえんどう…14〜16個（約130gすじを取る）
ベーコン（かたまり）…150g（1㎝幅棒状に切る）
（A）白ワイン・オリーブ油…各大さじ1
（B）玉ねぎ…1/4個（50g粗みじん切りにし水にさらす）
オリーブ油・酢…各小さじ2
塩・こしょう…各少々
モッツァレラチーズ…1個（100g）
●作り方
①フライパンにスナップえんどうを入れ、ベーコンをのせる。（A）をふり、ふたをし、蒸気が出るまで中火にかけ、蒸気が出たら弱火で3分蒸す。
②（B）を混ぜ、①に加えてさっと混ぜ、モッツァレラチーズをちぎってのせる。
【温野菜サラダレシピ②】うまみが凝縮！「焼きトマトとポークソテーのサラダ 」
●材料（2人分）
にんにく…1/2かけ（つぶす）
オリーブ油…小さじ2
（A）塩…小さじ1/3
（A）こしょう…適量
豚ロースとんカツ用肉…2枚（240gすじ切りをする）トマト…小2個（横半分に切る）
塩・こしょう…各少々
（B）はちみつ・しょうゆ…各小さじ1
（B）バルサミコ酢・オリーブ油…各大さじ1/2
ベビーリーフ…1/2袋
●作り方
①フライパンににんにくとオリーブ油を入れ、弱火で炒める。香りが出たら中火にし、（A）で下味をつけた豚肉を2分焼き、端に寄せ、トマトを加えて塩・こしょうしながら皮がはじけるまで2分焼く。（B）を混ぜる。
②豚肉は焼けたら取り出し、一口大に切り、トマトとともに器に盛り、ベビーリーフを散らし、（B）をかける。
【温野菜サラダレシピ③】自然な甘み＆爽やかソース「かぼちゃと豚肉のミントクリームソース 」
●材料（2人分）
豚バラ焼き肉用…150g
塩…小さじ1/3
こしょう…適量
かぼちゃ…250g（正味わたと種を取り、1.5cm厚さにくし形切り）
粒マスタード…小さじ2
酒…大さじ1
（A）ヨーグルト…1/4カップ
（A）塩…小さじ1/3
（A）ミント…適量（ちぎる）
（A）オリーブ油…大さじ1
●作り方
①豚肉には塩・こしょうで下味をつけ、オーブンペーパーを敷いたせいろの上にかぼちゃ、豚肉を交互に並べ、粒マスタードをかけて酒をふる。
②鍋に湯を沸かし、せいろをのせてふたをして15分蒸す（または耐熱容器に入れてラップをし、600Ｗのレンジで8分ほど加熱）。
③（A）を混ぜる。
④かぼちゃに竹串がすっと刺さるようになったら器に盛り、（A）をかける。
【温野菜サラダレシピ④】美しい彩りと自然な甘さ「紫キャベツとささみの温かいマリネ 」
●材料（2人分）
オリーブ油…大さじ1
ささみ…2本（120gそぎ切り）
紫キャベツ…1/4個（200gせん切り）
玉ねぎ…1/4個（50g薄切り）
りんご（あれば紅玉）…1/2個（いちょう切りにして薄切り）
にんにく…1かけ（みじん切り）
塩・砂糖…各少々
（A）酢…大さじ2
（A）塩…小さじ1/4
（A）こしょう…適量
●作り方
①フライパンにオリーブ油を熱し、ささみを1分ほど炒め、紫キャベツ、玉ねぎ、りんご、にんにくを加え、塩・砂糖をふり、しんなりするまで3分ほど中火で炒め合わせる。
②混ぜ合わせた（A）を①に加え、
4．朝一番でも胃にやさしい「温野菜スープ」レシピ6選
【温野菜スープレシピ①】うまみたっぷり「玉ねぎと鶏ひき肉の塩スープ」
●材料（2人分）
（A）酒…大さじ2
（A）水…2と1/2カップ
（A）塩…小さじ1/3
（A）しょうゆ…小さじ1
鶏ひき肉…120g
玉ねぎ…1/2個（100g薄切り）
豆苗…1/3袋（50g根元を切り落とし3等分に切る）
ごま油…小さじ2
こしょう…少々
●作り方
①（A）を鍋に入れ、鶏ひき肉と玉ねぎを加え、火にかける。
②煮立ったらアクを取り、ふたを少しずらして弱めの中火で15分ほど煮込む。
③仕上げに豆苗、ごま油を加え、こしょうで味をととのえる。
【温野菜スープレシピ②】体を温めて免疫力アップ「セリのナムル風スープ」
●材料（2人分）
ごま油…小さじ2
しょうが…1かけ（太めのせん切り）
塩・こしょう…各少々
豚小間…150g
鶏がらスープの素…小さじ1/2
水…3カップ
酒…大さじ1
しょうゆ…大さじ1と1/2
塩蔵わかめ…15g（さっと洗い水で5分ほど戻しざく切りにする）
（Ａ）せり…1束（70g2㎝幅に切る）
（Ａ）粗びき韓国唐辛子…大さじ1
（Ａ）白いりごま・ごま油…各小さじ2
●作り方
①鍋にごま油を熱し、しょうがを加え弱火で香りが出るまで炒め、塩・こしょうをした豚肉をさっと色が変わる程度に炒める。
②①に鶏がらスープの素、水、酒を加え中火で煮立て、アクが出てきたら取り、しょうゆで味をととのえ、わかめを加える。
③（A）をさっと混ぜ、器にスープを盛り、上にのせる。
【温野菜スープレシピ③】ヨーグルトとレモンがさわやかにかおる「かぶと手羽先のヨーグルトレモンスープ」
●材料（2人分）
かぶ…2個（実160g、葉100g）
オリーブ油…小さじ2
手羽先…4本（切り込みを入れる）
塩…小さじ1/4
水…3カップ
酒…大さじ2
ナンプラー…小さじ1
塩・こしょう…各少々
レモン汁…1/2個分（大さじ1/2）
ヨーグルト…大さじ4
●作り方
①かぶは葉と実に分け、葉は3㎝長さに、実は皮ごと4等分に切る。
②鍋にオリーブ油を入れ中火で熱し、手羽先に塩で下味をつけ皮目から2分ずつこんがり焼く。
③②に水と酒を加え煮立たせ、かぶの実を入れ弱めの中火で10分煮て、ナンプラー、塩・こしょう、レモン汁で味をととのえる。葉を加え強火でさっと煮る。
④器に盛りヨーグルトをかける。
【温野菜スープレシピ④】マイルド＆クリーミーで、おなかも心もほっこり「おろしじゃがいもとブロッコリーのビシソワーズ風スープ 」
●材料（2人分）
バター…大さじ1と1/2
玉ねぎ…1/4個（50g薄切り）
ブロッコリー…1/4個（70gざく切り）
水…1カップ
（A）牛乳…2カップ
（A）洋風顆粒スープの素・塩…各小さじ1/3
じゃがいも…1/2個もしくは小1個（約100g）
こしょう…適量
●作り方
①鍋にバターを入れ、玉ねぎとブロッコリーを弱火でしんなりするまでふたをして2〜3分蒸し炒めする。しんなりしたら水を加えて中火にして2分ほど煮て（A）を加える。
②①の火を弱め、じゃがいもをすりおろしながら加え、とろみが出るまで煮る。器に盛り、こしょうをふる。
【温野菜スープレシピ⑤】薄く長く切った野菜の食感を楽しんで「ズッキーニとにんじんのリボンスープ」
●材料（2人分）
ささみ…3本（160gすじを除きそぎ切り）
塩・こしょう…各少々
（A）水…2と1/2カップ
（A）酒…大さじ1
にんじん…1/3本（50g薄くピーラーでむく）
ズッキーニ…1/2本（50g薄くピーラーでむく）
オリーブ油…大さじ1
塩…小さじ1/2
●作り方
①ささみは塩・こしょうで下味をつける。
②（A）と①を鍋に入れ煮立たせ、アクが出てきたら取り、中火で4分ほど煮る。
③にんじんとズッキーニ、オリーブ油を加え、さっと煮て、塩で味をととのえる。
【温野菜スープレシピ⑥】野菜の甘みをソーセージのコクが引き立てる「パプリカとソーセージのスープ」
●材料（2人分）
オリーブ油…大さじ1/2
玉ねぎ…1/4個（50g薄切り）
にんにく…1/2かけ（粗みじん切り）
赤パプリカ…大1個（150g1㎝幅に切る）
トマト…1個（150gざく切り）
ソーセージ…3本（1㎝幅に切る）
水…2と1/2カップ
しょうゆ…小さじ1
塩・こしょう…各少々
粉チーズ…少々
●作り方
①フライパンにオリーブ油を入れ弱火で熱し、玉ねぎとにんにくをしんなりするまで2分ほど炒め、パプリカとトマト、ソーセージを加え中火で3分、トマトの皮がはじけるまで炒める。
②水を加え、そのまま5分煮込み、しょうゆ、塩・こしょうで味をととのえる。
③器に盛り粉チーズをふる。
撮影／豊田朋子 スタイリスト／佐々木カナコ 調理／堤 人美 取材・原文／和田美穂 構成／田畑紫陽子〈BAILA〉 ※BAILA2020年3月号掲載
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