プロバスケットボールプレイヤー 渡邊雄太さんとの結婚を機にアメリカで暮らしていた久慈暁子さん。雄太さんの移籍に伴い、2年間暮らしたアメリカからの帰国が決定。@BAILAでの連載も、ここでひと区切り。
最終回は、アメリカでの思い出をたっぷりの写真とともに振り返ります!
アメリカでの生活はまるで刺激的なスパークリングウォーター
@BAILAでアメリカ生活の連載を始めて約2年がたちます。
この2年間、ニューヨーク、アリゾナ、メンフィスと様々な地域で暮らしました。
そして引っ越しは“半年ごと”でした(笑)。
「そんなに引っ越しして大変だね」と友人から言われますが、東海岸、西海岸、そして南部とそれぞれ土地の魅力を知ることができて、たとえるならアメリカで人気のスパークリングウォーターのような刺激的な2年間でした。
ニューヨークは健康志向なビタミンフレーバー、アリゾナはトロピカルフルーツフレーバー、メンフィスはブラックベリーフレーバーといった感じでしょうか。
夫の遠征先へ飛行機で向かうことも日常に
NBAのシーズン中は2日に1回は試合があり、長い遠征となると最大3時間の時差がある地域への移動となるので、夫は2週間ほど留守ということも。友達も知り合いもいないアメリカで一人で家で過ごすには長すぎるため、自分でチケットを取り、飛行機で遠征先に向かうこともありました。
最初は冒険気分でドキドキでしたが、今は一人で旅することへのハードルがかなり低くなりました。
もう一度訪れたい都市Best5をご紹介します!
2年間過ごしたアメリカ。
今回は私が個人的に気に入った、もう一度訪れたいアメリカの都市Best5をご紹介しようと思います。
第5位 イリノイ州シカゴ
ニューヨークやロサンゼルスに次いで3番目に大きい街シカゴ。実は摩天楼の発祥の地ともいわれています。1871年のシカゴ大火で焼け野原になり、有名な建築家たちが復興に携わり、今では街全体が「建築博物館」といわれるほどになったそうです。
そのシカゴの建築物を巡るリバークルーズが出航しています。乗船中は建築物の歴史やシカゴの歴史について解説してくれます。
トウモロコシのような形をした世界初の円形ビルのマリーナシティなど面白い建築物がたくさんあります。
Windy City(風の街)と呼ばれるだけあって秋でも上着必須でした。
第4位 アリゾナ州フェニックス
抜けるような青空と赤茶けた大地に大きなサボテン。1年のうち300日以上が晴れということもあり、避寒地として別荘を持つ人が冬場にたくさん訪れます。そしてなんといってもアメリカ先住民の人口が多い州で、ナバホネイションという先住民居留地もあります。
そんな先住民に『神聖なる地』として崇められ様々な儀式が行われてきたパワースポットのセドナ。日本に帰国する前にもう一度行ってきました。
地球の磁気が渦巻くボルテックスを感じてみてください。少し車を走らせるとグランドキャニオンやアンテロープキャニオンなどもあり地球のパワーを感じられます。
第3位 フロリダ州マイアミ
「常夏、白い砂浜、青い海」と聞くと日本人はハワイを思い浮かべるかと思いますが、アメリカではマイアミを思い浮かべる人も多いかと思います。こちらも避寒地として有名。
東海岸の南の端に位置しているためかアジア人をあまり見かけませんでした。そして英語と同じくらいスペイン語を話す人が多いです。
どこまでも続く真っ白な砂浜のマイアミビーチ。
ビーチリゾートだけでなくアートやファッションも楽しむことができます。
マイアミデザイン地区は高級感あふれるおしゃれなエリア。Palm Courtというイベントスペースにはアート作品がたくさん置かれていて思わず写真を撮りたくなってしまいます。
第2位 カリフォルニア州ロサンゼルス
年間を通じて温暖な気候で都会とビーチ、山、砂漠などの自然もたくさんある場所。
おすすめはサンタモニカピア。
潮風と波の音を感じながら木製の桟橋を歩いていくとレストランや遊園地などがあります。
ここもサンセットがおすすめです。
第1位 ニューヨーク州ニューヨーク
言わずと知れた世界最大級の都市。世界各国からアメリカンドリームを夢見て人々が集まるパワーあふれる街。
各分野の一流の人が集まる場所というだけあって、文化、芸術すべてが刺激的です。街を行き交う人々の装いもナチュラルだけどファッショナブル。
大好きな街ニューヨークの中でも一番はブルックリンブリッジ!
特にブルックリン側から渡ったときのマンハッタンの摩天楼は格別です。渡るたびに感動で涙が浮かんできます。
夕暮れ時がおすすめです。ピンク色の夕焼けに浮かぶマンハッタンのビル群のキラキラと輝くあかりは絵葉書のようです。
初めてのアメリカ生活は戸惑うことばかり
ワクワクしてアメリカに来たはずなのに、実際に現地で生活してみると困ることだらけ。治安が日本と大違い、地下鉄やバス・配車アプリの使い方がわからない、本場の英語が速すぎる……。業者が来ても何を言っているかわからない。
夫をサポートしに来たはずなのに最初は周りの人に頼り切りでした。
さらに私はバスケットボール未経験で詳しいことはわかりません。最初は私の方が試合結果に一喜一憂していたかもしれません。
勇気づけられた祖母からの言葉
そんな時に母から送られてきた祖母の動画。
「人生色々な事があるけれど、暁子はいつでも穏やかな気持ちでいることが大事だよ」
この言葉を祖母から聞いてから、いつも穏やかで家に帰ればいつもの楽しい空間が待っていると思わせる事が何より大事だと気づき、何かあるたびに祖母のその言葉を思い出しながらシーズンを過ごしました。
今私が考える夫を支えることとは『何気ない話ができて、バスケットボールとは違う話を少しでもできる環境を作ること』なのかなぁと思います。
つまり、ある意味息抜きできる環境作りでしょうか。
私自身は、友達のほとんどいない、言語の通じないアメリカという地でどう自分を楽しませるか色々試してみました。色々な観光地、美術館、博物館に積極的に出かける。そしてその土地の人と会話する。「知らない土地、知らない言語を知る」ことで新しい何かに出会えるワクワク感と楽しさを感じることができました。
自分が楽しく生活する。自分の機嫌を自分でとる。そんなことができるようになったのがこの2年間の大きな収穫でした。
そして@BAILAの連載記事で読者の皆さんにお話しすることが、アメリカで生活する私の心の大きな支えのひとつとなっていました。
初めて海外生活をしたトロント。結婚して初めて住んだ街ニューヨーク、毎日晴天のアリゾナ、夫のNBAの始まりと終わりの地メンフィス。2年間で世界はこんなに広いのだ、ということを知りました。
今度は日本での新たな生活が始まります。どんな旅が待っているのかワクワクが止まりません。
これまでご紹介したことが、皆さんのアメリカ旅行の参考になればとても嬉しいです。
皆さん、私のアメリカからの話におつきあいくださり本当にありがとうございました。
1994年7月13日生まれ。岩手県出身。
ノンノモデル、フジテレビアナウンサーとして活躍後、フリーアナウンサーに。2022年プロバスケットボールプレイヤー 渡邊雄太さんと結婚し、アメリカで生活。趣味は映画・DVD鑑賞。特技は水泳。アーティスト特化型⾳声配信サービス『Artistspoken』@Artistspoken にて、【ヒュッゲに過ごす金曜日】で毎週23:00〜23:30配信中。
写真提供/久慈暁子
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