プロバスケットボールプレイヤー 渡邊雄太さんとの結婚を機にアメリカで暮らし始めた久慈暁子さん。生活の拠点となるアリゾナ州での日々の生活について綴ります。
以前暮らしていたニューヨークから、英会話のレッスンを続けている久慈さん。アリゾナならではの広大な自然を生かした特別課外授業とは!? そして、素敵な出会いもあったようです!
楽しみにしている英会話レッスン。アリゾナらしい課外授業が!
アメリカ生活での私の楽しみは週2回、2時間の英会話の授業です。ニューヨークでも英会話の授業に通っていましたが、アリゾナの先生はとってもフレンドリーで個人的によく話しかけてくれます。
いつも授業は席に座ってですが、先日、アリゾナらしい特別課外授業がありました。今日はその時のお話です。
アリゾナは広大な砂漠に囲まれ、夏は暑く過酷な環境下のため、その昔、日干しレンガを使って家を建てていました。この日干しレンガ(アドビ)はアメリカ先住民時代から製造されていたもので、普通の泥と藁などを混ぜて作られ、冬は暖かく夏は涼しく、音も遮断することができるそうです。
なんと課外授業は「日干しレンガのような最新のレンガ作りに挑戦!」でした。
朝8時、英会話の先生が近所に住んでいるということで車に乗せてくれました。
到着するとびっくり! すでにたくさんのレンガが置かれていました。
ホームレスの社会復帰のためのボランティア活動
このレンガ作りの活動はホームレスのための社会教育事業で、彼らがホームレスのサイクルを断ち切り社会に戻れるように、働くきっかけをつくるためのボランティア活動です。
今回一緒に参加したのは英会話のアメリカ人の先生と、生徒はブラジル人、スイス人、メキシコ人、そして日本人。20代〜70代の幅広い年齢層です。
私たちが作ったのはAdobe-like brick(日干しレンガのようなレンガ)という最新のもの。砂と藁などで作られた天然建材のアドビのような圧縮された土のレンガです。アドビより、より強く、使用する水の量が少なく、圧縮率、耐水性に優れ、環境に優しいレンガです。
土と石のような砂を混ぜてそこに水を加えてこねこね。
滑車のついた機械に入れてプレス。これが意外と重い!!
今回私たちが作ったレンガはアリゾナの公園のベンチや花壇に使われるそうです。組み合わせる部分が花の形になっていて可愛いですよね。
どこにあるのか探してみるのも楽しみです。
アリゾナに住むおじいさんと2時間のおしゃべり
実は授業以外にも英会話を教えてもらう機会があります。
それは、こちらに住む70代のおじいさんとの約2時間のおしゃべり。こちらに住む日本人の友人に誘われ、行き始めました。
やはりネイティブスピーカーと話すと聞き取りやすく、わかりやすい。
そしていろいろなお話をしてくれるのですが、そのおじいさんが一番大切にしていることを教えてくれました。
それは、「自分自身を愛して、自分自身に優しくすること。そうしないと人に愛を与えられないし、人にも優しくできない。」「あなたは何にでもなれる。やろうと思えばなんでもできる。」ということ。何度も伝えてくれます。
日本人はシャイな性格が邪魔をしてか、人を“褒める”というのはなかなか不得意。 社会人になると、褒められることって減りますよね。ここアメリカでは、初対面の人でも良いところを見つけすぐ褒めてくれ、そこからコミュニケーションが始まることが多い気がします。
「褒めること」は、相手の心の扉を開き理解しようとする、アメリカならではの文化かもしれません。学びたい文化の一つです。
70代になっても好きな仕事をしたり、好きなカフェで過ごしたり、年の離れた私たちに英会話を教えてくれたり、アリゾナの歴史を話してくれたり。とても素敵なおじいさんと出会うことができました。
そして、私もそんな70代になりたいと思ったのでした。
1994年7月13日生まれ。岩手県出身。
ノンノモデル、フジテレビアナウンサーとして活躍後、フリーアナウンサーに。2022年プロバスケットボールプレイヤー 渡邊雄太さんと結婚し、アメリカで生活。趣味は映画・DVD鑑賞。特技は水泳。アーティスト特化型⾳声配信サービス『Artistspoken』@Artistspoken にて、【ヒュッゲに過ごす金曜日】で毎週23:00〜23:30配信中。
写真提供/久慈暁子
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