良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから!ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第18回は、「大変ですね」の言いかえについて。
Stokkete/shutterstock
■相手の話に「大変ですね」と返すのがよけいなのはなぜ?
基本的に人は、自分の状況や気持ちを理解してほしいという思いで相手と関わるもの。
「こんなことがあった」「こんな気持ちになった」ということをわかってほしいのに、大雑把にひとくくりにする「大変ですね」は、表面だけの社交辞令に聞こえることも。
たとえば、「最近、仕事が忙しくて」といった言葉に「大変ですね」と返すとどうでしょう。
たとえねぎらいのつもりでも、相手が「大変」だと思っていなければ返答に困るだけ。また、人によってはうれしいことも大変そうに話すので、「忙しくて幸せなんだけど」とイラっとされるかもしれません。
もし本当に大変なことがあっても、当事者の苦しみは他人にはわかりません。
それどころか、他人に「大変」だと決めつけられたら、ますますネガティブな気持ちになります。
■言いかえるならこれ!
相手の話に「大変ですね」と返すのはNG。
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
たとえば、仕事が忙しいという話なら、
「仕事が忙しいんですね」
が正しい!
相手の言ったことをそのまま受け止めて返しましょう。
■さらに上手に使うには?
まずは、「大変」というブラックワードを安易に口にしないこと。
それよりも、相手が発した言葉を繰り返すほうが理解を示せます。「最近休みが取れなくて」には、「休みが取れないほどのお忙しさなんですね」という具合です。
とくに挨拶にともなう会話のはじめでは、「相手の話をそのまま受け止めて返すこと」が大切です。
自分では気づかないまま、「マイナスの口癖」が習慣化していて、周囲との人間関係を築くことができず悩んでいる人が意外と多いもの。
相手に「安心感」と「信頼感」を与える言葉のキャッチボールができると、人間関係によいスパイラルが生まれます。
■引用したのはこちら
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子